知覚現象(心理学)の概要
知覚現象(ちかくげんしょう)
定義:
外部からの感覚刺激を、脳が解釈して認識するプロセス。私たちが世界を理解し、認識するためのメカニズムで、感覚情報を意味あるものに変換することを指す。
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関連用語:
- 錯覚(さっかく)
実際とは異なる形で感覚情報を知覚してしまう現象。たとえば、線の長さが同じでも異なる長さに見えたり、静止した物体が動いて見えたりすることが含まれる。 - 錯視(さくし)
視覚における錯覚現象。例としては、「ムラー=リヤー錯視」(矢印の方向によって線の長さが異なって見える現象)などがある。 - 共感覚(きょうかんかく)
ある感覚が他の感覚と連動して知覚される現象。たとえば、音を聞くと色が見えるなど、感覚がクロスオーバーする。 - 盲視(もうし)
視覚皮質の損傷により視覚が失われたはずの人が、意識的には見えていないはずの物を無意識に避けたり、認識したりする現象。 - 深さ知覚(しんさちかく)
物体までの距離や奥行きを知覚する能力。立体的に物を捉えるための重要な能力で、目の位置や視差、影の大きさなどから得られる情報を脳が処理する。 - 知覚的補完(ちかくてきほかん)
不完全な情報を脳が補って知覚する現象。たとえば、部分的に隠れた物体を、脳が自動的に全体像として認識することがこれに当たる。 - 運動知覚(うんどうちかく)
物体の動きを知覚する能力。視覚刺激を受け取ることで、物体がどの方向にどれくらいの速さで動いているかを判断する。 - 恒常性知覚(こうじょうせいちかく)
物体の大きさや形、色が環境の変化によってもほぼ変わらずに知覚される現象。たとえば、遠くにある人を小さく見ても、その人が実際には小さくなったわけではないと理解する。 - カクテルパーティー効果
騒がしい環境でも、自分にとって重要な情報、例えば自分の名前が聞こえたときにその音声を選び取る能力。
例:
- 錯覚により、同じ大きさの物体が違って見えることがある。
- 共感覚では、数字に色を感じることがある人がいる。
- カクテルパーティー効果により、騒音の中でも自分の名前を聞き取ることができる。
- 恒常性知覚によって、部屋の照明が変わっても色を同じように感じることができる。
- 運動知覚を使って、車が自分に近づいてくる速度を判断できる。
知覚現象は、日常的に私たちが経験している感覚情報の処理に関する心理学的メカニズムです。これらの現象を理解することで、私たちの感覚の働きと脳の情報処理の仕組みがどのように連動しているのかが見えてきます。
知覚現象のよくある質問
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Q知覚の現象学とは?
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A
「1945年、世界が大きな混乱に包まれていた時代、メルロ=ポンティという哲学者によって『知覚の現象学』という本が書かれました。この本は、それまでの哲学の考え方とは大きく違う、新しい視点から人間の知覚について深く掘り下げたものです。
私たちが何かを見るとき、それは単に目で見ているだけではありません。私たちの体は世界と触れ合い、その触れ合いを通して世界を理解している、とメルロ=ポンティは考えました。この考えは、私たちが普段当たり前のように行っている「見る」「聞く」といった行為を、まったく新しい角度から捉え直すものでした。こちらも参考に:メンタルケアの新手法、オープンダイアローグとは?役割や7つの原則
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Q知覚とは具体的にどういうことでしょうか?
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A
知覚とは、五感で感じた情報を脳で処理し、それが何なのかを理解するプロセスです。例えば、熱いものにふれた時、皮膚が熱を感じ、それが「熱い」という感覚として認識されるのが知覚です。つまり、知覚は、ただ単に何かを感じるだけでなく、その感じているものに意味を与える行為と言えるでしょう
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