三項随伴性

三項随伴性の概要

三項随伴性とは、行動分析学において、行動結果の間に先行条件が介在し、三つの要素が連鎖している関係を指します。この三つの要素は以下の通りです。

  • 先行条件(A):行動が起こる前の状況や出来事
  • 行動(B):主体が行う行為
  • 結果(C):行動を行った後に生じる結果

三項随伴性は、オペラント条件づけのメカニズムを理解する上で基本的な概念となります。オペラント条件づけとは、行動とその結果の間に随伴関係を設けることで、行動の頻度や強度を変化させる学習です。

三項随伴性の例

  • 先行条件: 自習室で勉強している
  • 行動: 問題集を解く
  • 結果: 問題が解ける、テストで良い点を取る

この例では、自習室という先行条件下で問題集を解くという行動をとった結果、問題が解けたりテストで良い点を取れたりという望ましい結果が得られました。この望ましい結果によって、問題集を解くという行動の頻度や強度が高まることが期待できます。

こちらも参考に:ADHDの顔つき、行動の特徴。見た目では分からない困りごとなどなどを解説

参考:てんかんとは?

三項随伴性の重要性

三項随伴性が重要である理由は、以下のとおりです。

  • 行動と結果の間に因果関係があることを示す:先行条件、行動、結果の間に明確な関係があることを示すことで、行動変化のメカニズムを理解することができます。
  • 効果的なオペラント条件づけを行うための指針となる:三項随伴性の枠組みを理解することで、効果的なオペラント条件づけの方法を設計することができます。
  • 様々な場面で応用できる:三項随伴性は、教育、しつけ、臨床など、様々な場面で応用することができます。

三項随伴性に関する注意点

三項随伴性を理解する上で、以下の点に注意する必要があります。

  • 先行条件、行動、結果の間に必ずしも因果関係があるわけではない:三つの要素間に必ずしも因果関係があるとは限らないことに注意する必要があります。
  • 三つの要素を客観的に観察することが重要:三つの要素を主観的に判断するのではなく、客観的に観察することが重要です。
  • 三つの要素間の関係は複雑である:三つの要素間の関係は単純ではなく、複雑であることを理解する必要があります。

三項随伴性に関する情報

  • 書籍「はじめての行動分析学」:佐藤文隆著
  • ウェブサイト「三項随伴性とは? | ABAスクールTogether」https://www.togetheraba.jp/
  • ウェブサイト「三項随伴性の定義と解説 | 心理学用語集サイコタム」https://psychoterm.jp/

三項随伴性は、行動分析学における重要な概念であり、様々な場面で応用することができます。三項随伴性について理解を深めることで、行動変化のメカニズムを理解し、効果的な行動変容プログラムを設計することができます。

三項随伴性のよくある質問

Q
三項随伴性の具体例は?
A

目覚ましを止めて布団から出る、洗面所に行って顔を洗う、歯を磨く、家族におはようと言う、椅子に座ってテレビを見る、朝食を食べる、といった一連の行動は、習慣として無意識に行っています。しかし、これらはすべて学習された行動であり、それぞれに目的や理由があります。

こちらも参考に:特例子会社とは?職種や給与、働くメリットやデメリットについて

こちらも参考に:障害年金申請は「診断書」が9割!押さえるべき3つの注意点と流れ

 

Q
三項随伴性(ABC理論)とは?
A

行動を「先行条件(A:どのような状況で)、行動(B:どのような行動が起こり)、結果(C:どのような結果や環境の変化が伴ったか)」の3つの枠組みで捉えることを、三項随伴性(さんこうずいはんせい)または、行動随伴性、強化随伴性と呼びます。

参考:発達障害者支援センター

参考:社会福祉士とは?

タイトルとURLをコピーしました