応用行動分析(ABA)の概要
応用行動分析(ABA)は、科学的な方法を用いて行動とその環境の関係を理解し、望ましい行動を増加させ、望ましくない行動を減少させるための実践です。
ABAは、19世紀末にアメリカの心理学者であるB.F.スキナーによって提唱されました。
ABAの基本的な考え方は以下の通りです。
- 行動は、その結果によって決定される。
- 望ましい行動を強化することで、その行動を増加させることができる。
- 望ましくない行動を弱化または罰することで、その行動を減少させることができる。
ABAの具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 強化:望ましい行動に対して報酬を与えることで、その行動を増加させる方法。報酬には、食べ物、褒め言葉、好きな活動などがある。
- 弱化:望ましくない行動に対して報酬を与えないことで、その行動を減少させる方法。
- 罰:望ましくない行動に対して不快な刺激を与えることで、その行動を減少させる方法。
ABAは、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠如・多動性障害、行動障害など、様々な発達障害の治療に有効であることが示されています。
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以下は、ABAに関するその他の用語です。
- オペラント条件づけ:行動とその結果の関係を説明する理論
- 正の強化:望ましい行動に対して報酬を与える強化
- 負の強化:望ましくない刺激を取り除くことで行う強化
- 罰:望ましくない行動に対して不快な刺激を与えること
- タイムアウト:望ましくない行動をしている子どもを、強化から隔離すること
- プロンプト:望ましい行動を促すための指示や手助け
- フェージング:徐々に難易度を上げていくこと
- 一般化:特定の状況で習得した行動を、他の状況でもできるようにすること
ABAについて、さらに詳しく知りたい場合は、以下の情報源を参照してください。
- 日本応用行動分析学会:https://www.scj.go.jp/ja/gakkai/G01075.html
- ABA情報サイト:https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjba
- 書籍:「はじめての応用行動分析」スーザン・グリーン著、金子書房
応用行動分析(ABA)のよくある質問
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QABA分析とは?
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ABAとは、「Applied Behavior Analysis」の頭文字を取ったもので、日本語では「応用行動分析学」といいます。これは、人の行動を個人と環境の相互作用の枠組みで捉え、社会における様々な問題を解決するために応用される心理学です。特定のスキルではなく、「人の行動を予測する行動科学の一つ」として考えられています。
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QABA応用行動分析の具体例は?
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「スマホを見ながら歩いていたら転んで怪我をした」という出来事があった場合、その後は少なくとも「同じ場所でスマホを見ながら歩く」という行動は起きにくくなります。行動の直後に「嫌なこと」が起きることで、その行動が起きにくくなることを、ABA(応用行動分析学)では「弱化」と呼びます。
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