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統合失調症の概要
統合失調症とは
統合失調症は、思考、感情、行動の統合が損なわれる慢性の精神疾患です。具体的には、幻覚、妄想、思考の乱れ、意欲の低下、無感情などの症状が現れます。統合失調症は、思春期から青年期にかけて発症することが多く、男性と女性でほぼ同数の患者さんがいます。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
- 遺伝的要因:統合失調症の患者さんの家族にも統合失調症の患者さんが多いことから、遺伝的要因が関与していると考えられています。しかし、統合失調症そのものが遺伝的に伝わるわけではありません。統合失調症にかかりやすい体質が遺伝する可能性があると考えられています。
- 環境要因:脳の発達に影響を与えるウイルス感染、出産時のトラブル、ストレスなどが統合失調症の発症リスクを高める可能性があると考えられています。
統合失調症の症状
統合失調症の症状は、大きく陽性症状と陰性症状に分けられます。
- 陽性症状:健康な状態から新たに現れる症状です。具体的には、以下の症状があります。
- 幻覚:実際には存在しないものを見たり、聞いたり、触ったりする症状です。統合失調症の陽性症状の中で最も頻度の高い症状です。特に、幻聴(他の人には聞こえない声が聞こえる)がよく見られます。
- 妄想:根拠のない確信に基づいた間違った考えを持つ症状です。統合失調症の陽性症状の中で2番目に頻度の高い症状です。被害妄想、誇大妄想、関係妄想などがよく見られます。
- 思考の乱れ:思考がまとまらず、論理的に考えられなくなる症状です。会話が脱線したり、話が飛んだりすることがあります。
- 興奮・躁動:必要以上に興奮したり、落ち着きがなかったり、暴れたりする症状です。
- 陰性症状:健康な状態であったものが減少する症状です。具体的には、以下の症状があります。
- 意欲の低下:何をするにもやる気がなく、無気力になる症状です。
- 感情表現の減少:表情が乏しくなり、喜怒哀楽の感情が表に出にくくなる症状です。
- 言語の貧困:言葉数が減ったり、会話が途切れたりすることが多くなる症状です。
- 無感動:周囲の出来事に対して無関心になり、喜びや悲しみなどの感情を感じにくくなる症状です。
- 無気力:何をするにもやる気がなくなり、無気力になる症状です。
- 社会的引篭もり:人と関わることを避け、家に引きこもるようになる症状です。
統合失調症の診断
統合失調症の診断は、医師による問診と診察に基づいて行われます。症状の程度や経過などを総合的に判断して診断されます。必要に応じて、CT検査やMRI検査などの画像検査や、血液検査なども行われることがあります。
統合失調症の治療
統合失調症の治療は、薬物療法と心理療法を組み合わせたものが基本です。
- 薬物療法:脳内の神経伝達物質の働きを調整することで、症状を改善します。主に、抗精神病薬と呼ばれる薬剤が用いられます。
- 心理療法:認知行動療法や家族療法などが行われます。患者さん自身が自分の病気について理解を深め、症状に対処していくためのスキルを身につけることを目的としています。
統合失調症の予後
統合失調症は、完治することは難しい病気ですが、適切な治療を受けることで症状をコントロールし、社会生活を送ることが可能になります。近年では、薬物療法や心理療法の進歩により、予後は改善傾向にあります。
統合失調症のよくある質問
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