認知行動療法(CBT)

認知行動療法(CBT)は、物事のとらえ方(認知)や行動に働きかけて、ストレスを軽減する心理療法のことです。

認知とは、私たちが世界をどのように理解し、解釈するかということです。私たちの認知は、私たちの感情や行動に大きな影響を与えます。例えば、何かの出来事を「失敗した」ととらえると、ネガティブな感情や行動を引き起こす可能性があります。

CBTでは、認知のゆがみや誤った思い込みを修正することで、感情や行動を改善することを目標としています。

CBTでは、以下の技法が用いられます。

  • 認知再構成:自動思考と呼ばれる、ネガティブな考え方を分析し、より現実的で適切な考え方に変える。
  • 曝露療法:恐怖や不安の対象に直面することで、恐怖や不安を克服する。
  • 行動活性化:行動を増やすことで、気分や自信を高める。

CBTは、うつ病不安障害摂食障害、依存症など、さまざまな精神疾患の治療に効果的であることが示されています。また、ストレスマネジメントや対人関係改善などにも用いられています。

CBTは、心理療法の中でも比較的短期間(12~16回程度)で効果が期待できるため、近年、注目されている治療法です。

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認知行動療法(CBT)の概要

認知行動療法(CBT)とは?

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy、CBT)は、心理療法の一種で、私たちの思考(認知)と行動のつながりを理解し、それらを変化させることで、心の問題を改善することを目指す治療法です。

CBTで使われる主な用語

用語 説明
認知 ある出来事に対して、私たちがどのように解釈し、意味づけをするかという思考のことです。
行動 認知に基づいて私たちが取る行動のことです。
歪んだ認知 現実と合致しない、不正確な考え方や解釈のことです。例えば、一般化しすぎたり、極端な思考をしたりすることがあります。
自動思考 意識せずに、自然と頭に浮かんでくる考えのことです。
コグニティブ・リストラクチャリング 歪んだ認知をより現実的で建設的な考え方へ修正していくプロセスです。
行動実験 実際の行動を通して、自分の考え方を検証し、新しい行動パターンを身につける方法です。
暴露療法 恐怖や不安を感じる状況に少しずつ慣れることで、その恐怖心を克服していく方法です。
リラックス訓練 緊張を解きほぐし、リラックス状態を促すための様々な技法の総称です。

CBTの概念

  • 思考が感情や行動に影響を与える: 私たちは、ある出来事に対してどのように考えるかによって、感情や行動が大きく左右されます。
  • 歪んだ認知は心の問題を引き起こす: 歪んだ認知は、不安、うつ、パニック障害などの心の問題を引き起こす原因となることがあります。
  • 思考と行動を変えることで、心の状態を改善できる: 認知と行動を変えることで、感情や心の状態をより良い方向へ変化させることができます。

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CBTの目標

  • 症状の軽減: うつ病、不安障害、パニック障害などの症状を軽減します。
  • 再発防止: 症状の再発を防ぎ、より安定した生活を送れるようにします。
  • 問題解決能力の向上: さまざまな問題に対して、より建設的に対処できる能力を身につけます。
  • 自己効力感の向上: 自分の力で問題を解決できるという自信を育みます。

CBTの特徴

  • 構造化された治療: セッションごとに目標を設定し、具体的な課題に取り組むことで、治療効果を高めます。
  • 患者さんの主体的な参加: 患者さんが積極的に治療に参加し、自分自身で問題解決に取り組むことが重要です。
  • 短期間で効果が期待できる: 一般的に、他の心理療法に比べて短期間で効果が現れることが多いです。
  • 様々な問題に適用可能: うつ病、不安障害、パニック障害だけでなく、摂食障害、強迫性障害など、様々な心の問題に適用できます。

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まとめ

認知行動療法は、私たちの思考と行動のつながりを理解し、それらを変化させることで、心の問題を改善していくための効果的な治療法です。もし、心の悩みを抱えている場合は、一度専門家にご相談ください。

 

認知行動療法(CBT)のよくある質問

Q
認知行動療法 どんなことをする?
A

認知行動療法(Cognitive Behavior TherapyまたはCBT)は、固定的で狭まった考えや行動がストレスなどによって形成された場合に、個人が自らそれらを柔軟に変え、より自由に考えたり行動したりするのをサポートする心理療法です。

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Q
認知行動療法が目指すものは何ですか?
A

認知行動療法では、「出来事に対して考えたこと」を「認知」と呼び、ネガティブな認知を現実的なものに変えていくことが目標です。カウンセリングでは、患者さんがこれまでに人生を通して培ってきた「考え方のクセ」について、その妥当性や有用性を検討します。

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