外在化障害

自分自身に対するいらだちや精神的な葛藤が他者に向けられる形で表出する症状を「外在化障害」と称します。 具体的な症状には以下が挙げられます。

  • 暴力、暴言
  • 家出
  • 他者に対する敵意、攻撃性
  • 反抗挑戦性障害
  • 行為障害
  • 感情不安定、自傷行為
  • 非行などの反社会的行動

これらの行動は大人になってから現れるだけでなく、小学校低学年など比較的幼い段階から見られることもあります。 内在化と外在化の問題は密接に関連し、内在化障害が自分に向けられる苛立ちや精神的な葛藤を示すのに対し、「外在化障害」は他者へ向けた行動として現れます。外在化障害は、内在化障害と併発することもあります。

外在化障害は他者への影響を及ぼす行動面での問題を指し、自分の思いが理解されない、努力しても怒られるといった経験から他者に対する問題行動を引き起こします。また、思春期以降でなく、幼少期から現れることもあります。 具体的な行動としては反抗、他者や物に対する暴力や破壊行動、盗み、家出、放浪、反抗挑戦症や素行症などが挙げられます。

年代によって異なるとされ、幼児期から成人期にかけて以下のように分類されます。

  • 幼児期:軽度な適応上の行動で問題が見られることがあり、癇癪や人を叩くといった行動が現れる。
  • 学童期:学業や集団行動、対人関係における問題が中心になり、情緒面の不安定さも見られる。
  • 青年期:情緒面や行動面での問題、心身症が中心となり、適応行動の問題も見られる。
  • 成人期:適応行動の問題、精神面や行動面の問題が中心で、情緒面の不安定さも見られる。

外在化障害は他者に影響を及ぼす行動の問題であり、発達障害の葛藤を表現するものとされています。

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外在化障害についてよくある質問

Q
外在化障害の例を教えてください
A

発達障害の二次障害がこれにあたります。基本的な発達障害自体から派生する問題や症状であり、攻撃性や反社会的行動、法律違反、または他者への攻撃的な言動などの形で現れます。

発達障害を持つ個人は、社会的相互作用やコミュニケーションに困難を抱えることがあり、それによって社会的な排除感や孤立感を経験することがあります。これが外在化障害を引き起こす要因の一つとされています。

個人が適切な支援や介入を受けない場合、外在化障害は日常生活や社会的関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期の介入や適切な治療プランの構築が重要です。心理社会的な支援や行動療法、または必要に応じて薬物療法が行われることがあります。これにより、個人が社会的な適応を促進し、健康的な生活を送るための手助けがされることが期待されます。

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Q
強迫性障害は外在化障害ですか?
A

外在化障害は時折、強迫性障害とも関連していることがあります。強迫性障害を持つ個人は、しばしば強制的な考えや行動に苦しむことがあり、これがストレスや不安を引き起こすことがあります。この不安やストレスは、外在化の形で現れることがあり、攻撃的な行動や反抗的な態度として表れることがあります。

外在化障害の適切な治療には、個々の状況や症状に基づいた綿密な評価が必要です。専門家による心理社会的な支援や行動療法、また必要に応じて薬物療法が適用されることがあります。これにより、個人が健康的な社会的適応を促進し、良好な精神的健康を維持するための支援が提供されることが期待されます。

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