家族療法は、家族全体を対象とした心理療法の一形態であり、家族システムに焦点を当てています。このアプローチでは、個々の家族メンバーの行動や感情だけでなく、家族全体の相互作用やパターンに注目します。主な目的は、家族内のコミュニケーションを改善し、問題を解決し、家族全体の健康を促進することです。
家族療法では、異なるメンバー間の相互作用やコミュニケーションパターンが問題の原因となっていると考えられます。セラピストは家族のメンバーと協力して、お互いの視点を理解し、良好なコミュニケーションを築くためのスキルを開発するお手伝いをします。
具体的な手法として、構造化されたセッションや対話、ロールプレイ、家族が共同で取り組む課題の設定などがあります。家族療法はさまざまな問題に適用され、特に対人関係、精神疾患、子どもや青少年の問題、依存症などに効果があります。
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家族療法のよくある質問
- Q家族療法とはどういうものですか?
- A
家族療法で使われる概念の一つに「リフレーミング」があります。これは、ある人が物事を見る視点や捉え方を変えることを指します。例えば、コップに半分の水がある状況を考えた場合、「まだ半分残っている」というポジティブな捉え方と、「もう半分しかない」というネガティブな捉え方では、感情や思考、行動、結果が異なる可能性があります。リフレーミングは、家族内のコミュニケーションを改善し、健康な関係を築く上で有益なツールとされています。
- Q家族ホメオスタシスとはどういう意味ですか?
- A
家族は一つの有機体のような存在であり、一定の状態を維持しようとするホメオスタシス(恒常性機能)が備わっていると考えられます。例えば、権威的な父親が母親と子どもを叱り続ける家庭で、子どもが不登校の問題を抱えているとします。このような状況においても、夫婦は協力して子供の不登校問題を解決しようとするでしょう。家族全体がホメオスタシスを保ちながら、課題に向き合い解決していくことが重要です。