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障害手当金とは?申請方法と注意点

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障害手当金とは?

障害手当金は初診日に厚生年金に加入していた場合、障害厚生年金の対象となる1~3級相当よりも軽い障害が残った場合に支給される一時金です。ただし、「治った」とは医学的に治癒した日または治療を続けても改善の効果が望めない状態(症状固定)となった日を指します。障害厚生年金の認定基準に該当しない軽度の場合でも、障害手当金を受給できる可能性があります。以下では、障害手当金に関する事例を交えながら分かりやすく解説します!

受給条件、金額、申請のポイント、受給後の注意点、更に悪化し年金受給に変更したい場合の手続きについても詳しく解説します。

こちらも参考に:年金証書の再発行・再交付。必要な書類と手続き

障害手当金と障害年金の違い

障害手当金と障害年金の主な違いは、支給の形態です。障害年金は定期的に支給されるのに対し、障害手当金は1回限りの一時金です。

障害年金:偶数月の15日に定期的に支給される年金

障害手当金:1回限りの一時金

障害手当金の受給条件

障害手当金を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

1. 初診日に厚生年金に加入していること。

2. 保険料納付要件を満たしていること。

3. 初診日から5年以内に傷病が治っていること(医学的に治癒していなくても、症状が固定し治療が不要になった状態も含まれます)。治った日に3級障害に該当しない状態であること。

4. 「治った日」に厚生年金(共済組合)、国民年金の年金(障害、老齢・退職、遺族)を受ける資格がないこと。

5. 「治った日」に同じ傷病で、労働基準法、労働者災害補償保険法、船員保険法、公務員の災害補償法、公務災害補償法により障害補償を受けていないこと(別の傷病での受給は問題なし)。

6. 治った日から5年以内に申請すること。

上記の1.2.3は「障害手当金の3要件」と言われ非常に大事な要件ですので補足します。

【要件1】初診日に厚生年金保険に加入していること

障害手当金を受けるための条件として、初診日(病気やケガで初めて病院を受診した日)に厚生年金に加入していることが求められます。

ただし、初診日に国民年金に加入している方は、障害手当金の対象外となりますので注意が必要です。(自営業者、学生、サラリーマンの妻、20歳未満の方など)

※ただし、20歳未満の方であっても、厚生年金に加入している場合は障害手当金の対象となります。

【要件2】保険料納付要件を満たしていること

障害手当金を請求するためには、障害年金と同様に一定以上の年金保険料を支払っている必要があります。

これを「保険料納付要件」といいます。

納付要件を満たすためには、以下のいずれかの基準を満たしている必要があります。

初診日の前々月までの年金加入期間において、年金保険料の支払済期間と免除期間の合計が3分の2以上あること 初診日の前々月までの過去1年間に年金の未納月がないこと

【要件3】初診日から5年以内に、その病気や怪我が治ったこと

障害手当金を請求するためには、原因となった病気や怪我が治癒している必要があります。

障害手当金の認定基準である「傷病が治った場合」は、「医学的に傷病が治癒した状態」や「疾病の固定性が確認された時」を指します。

「疾病の固定性が確認された時」とは、より分かりやすく言えば、「これ以上治療の効果が期待できなくなった状態」を指します。

障害手当金の認定基準は以下のように定義されています。

「傷病が治った場合」とは、器質的な欠損、変形、または機能障害が残っている場合、医学的に傷病が治癒したと認められる時点、またはその症状が安定し、長期にわたりその疾病の固定性が確認され、医療効果が期待できない状態に至った場合を指します。

障害手当金を請求するための注意点を以下に記載します。

初診日から5年以内に申請しないと支給されません。

・治った日と障害の程度を定めるべき日は同じ日であり、実際には治った日から3ヵ月以内の受診日の診断書で審査されます。

・3に関して、障害手当金の障害状態に該当しても、治っていないと判断されると、障害厚生年金3級14号が支給される可能性があります。更新時に3級の状態でないと判断される場合、障害年金が支給停止されることがあります。

・4に関して、障害年金の受給権者で3級不該当のまま3年経過した場合、障害手当金が受給できる可能性がありますが、現在は年金受給権は等級不該当のまま3年経過しても消滅しません。

・6に関して、時効で支給が受けられる権利(支分権)が消滅するため、申請期限を守る必要があります。

・傷病手当受給者は障害手当金を受給できますが、支給額は調整されます。

・共済組合加入期間中の場合、障害手当金ではなく障害一時金が支給されます。

参考:障害厚生年金3級14号とは?

参考:障害一時金とは?

障害手当金の支給額はいくら?

障害手当金の受給額は、一律に決められているのではなく、これまでの厚生年金の加入歴や受け取っていた給与などに基づいて、以下の計算式で算出されます。

障害厚生年金の報酬比例の額 × 2年分 ※ 現在の最低保障額は約115万円

報酬比例の額は計算が非常に複雑であり、具体的な金額は年金機構に問い合わせることをお勧めします。

納付月数が300月に達しない方の場合は、次のような増額計算が行われます。

258月だった場合、300÷258の計算結果を障害厚生年金の報酬比例の額 × 2年分に乗じた年金額となります。

年金額が最低保証額の1,192,600円(昭和31年4月1日以前生まれの方は1,189,000円)に満たない場合、最低保証額が支給されます。

※ 具体的な受給額の例については、「障害年金の受給金額」を参照してください。

こちらも参考に:リワークプログラム・リワーク支援(心療内科・精神科)とは | メンタルヘルス不調により休職している方の職場復帰

障害手当金の請求方法

障害手当金の請求は、専用の請求用紙が存在しないため、障害年金と同じ書類を使用して行います。

具体的な手順は以下の通りです。

1. 障害年金が不認定となった場合、後に障害手当金の申請を検討します。

2. 障害手当金の請求は、障害年金と同じ書類を用いて行います。この過程で、障害厚生年金1~3級に該当しないことが確認され、4級相当の障害手当金が支給される流れとなります。

3. 障害手当金の請求は、最寄の年金事務所が窓口となります。必要な書類や手続きについては、事前に年金事務所で確認することが重要です。

こちらも参考に:過剰適応とは? 原因、対策、治し方、うつなどの症状、職場「がんばれば、何とかできる」に要注意!

障害手当金のタイムリミット

上記でも言及していますが、「タイムリミットは症状固定日から5年以内になります。」

この制度を知らなかった場合でも、5年を過ぎてしまうと受給ができなくなります。

具体的には、「自分は障害年金に該当しないから…」「主治医にあなたの状態では申請しても無理です」といった理由から、本来障害手当金を受給できるにもかかわらず、権利を失ってしまっている方が多く存在しますので、ご注意ください。

障害手当金の認定基準

この記事を読まれている方は精神障害・発達障害・知的障害に該当する方が多いと思いますので、この場合のみに絞って書こうと思います。

障害手当金の認定基準は

「障害が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。

との表記がありますので、精神障害・発達障害・知的障害の中では精神障害の(器質性精神障害)のみに該当する基準となります。

「初診日に厚生年金に加入していて、精神疾患が治癒したが、労働には制限がある or 治療効果が期待できない状態であり、障害年金の3級に該当するほど重くない」

と判断された場合に支給されます。

対象となる障害状態とは?対象外障害とは?

「治った」日に厚生年金法施行令別表第2に定める程度の障害状態にあれば、障害手当金の受給が可能です。この際、「治った」ことが条件となります。

労働において「著しい制限がないような状態」であっても、治っていないことを理由に障害厚生年金3級の年金が支給されることもあります。これは3級14号に該当するケースです。

ただし、うつ病、双極性障害、統合失調症、知的障害、発達障害、てんかんなどの精神疾患は、障害手当金の支給対象外とされています(ただし、器質性精神障害は除く)。

認定基準に従い、精神障害は様々な要因で障害状態が変動することから、支給が難しいとされています。

がん(悪性新生物による障害)も同様に障害手当金の支給対象外です。

その他、認定基準の「障害の程度」に「障害手当金」が明示されていない内部障害も対象外です。

例えば、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器による障害、代謝疾患(糖尿病)、高血圧による障害、その他の疾患(難病等)がこれに含まれます。

残念なことに器質性精神障害以外の精神障害・発達障害・知的障害は障害手当金の対象外なんです。

精神障害・発達障害・知的障害の方は社労士に頼んで、しっかりと障害年金受給を狙った方が確実でしょう。

参考:器質性障害とは?

令和3年度の障害手当金決定状況

日本年金機構が公表した障害手当金の支給決定率は以下のとおりです。

具体的な数字を見ると、支給決定率全体は0.2%に留まります。

眼の障害の支給決定率は5.5%、聴覚等の障害(聴覚・鼻腔機能・平衡機能、そしゃく・嚥下機能、音声又は言語機能)は4.9%、外部障害は1.8%、肢体障害は1.1%、その他は0.0%です。

(障害手当金も含む)障害厚生年金支給決定全障害の支給率が94.4%から比べると、不支給率に近い相当に低い結果が示されています。

障害年金業務統計(令和3年度決定分)

申請のポイント、障害状態よりも問題となるのが症状固定

審査の結果、障害年金3級以上と認定され年金が支給されるか。もしくは「症状固定」や「障害状態」を理由に障害手当金の支給が認められるか。といった審査ですので、基本的には障害年金の手続きと変わりはありません。

しかし、

診断書の「症状固定を確認した旨」と「確認年月日」が必ず記載されていること。

は症状固定の要件として必要になります。

その場合、「障害認定日の特例に該当すれば、1年6ヶ月を待たずに請求できる」というルールがあるので覚えておきましょう。

参考:障害認定日の特例とは?

参考:症状固定とは?

他制度との支給調整について

支給調整の2つのケース

障害手当金と同じ障害で受給している「健康保険の傷病手当を同時に受給する場合」

治った日の翌日以降に支給される傷病手当金の受給額が、障害手当金の支給額を超えるまで傷病手当は支給されません。

② 交通事故等の第三者行為災害による損害賠償を受けられた場合

受けた額に応じて障害手当金の支給額が減額されることもあります。

障害手当金のよくある質問

Q
「障害手当金受給後の悪化は年金申請ができない」はマチガイ??
A

障害手当金が支給されると、それが症状固定による支給であっても、その後で障害年金を申請することは十分に可能です。一般に、「障害手当金を受給したら、障害年金の申請はできない」という情報は事実ではありません。

日常生活や治療の進行により、障害状態が変化することはよくあることです。日本年金機構の内部資料によれば、障害手当金が支給される際に「傷病が治った」との認定が誤っていた場合、将来的に障害年金を受給する権利が生じた場合、障害手当金の支給が取り消され、障害年金の受給が開始されます。ただし、障害手当金の取り消しは支給決定から5年以内である必要があり、その場合は障害手当金を全額返納する必要があります。

障害手当金は3級の年金(報酬比例部分)の2年分が支給され、更新(再審査)はありません。通常の年金は更新があり、等級不該当とされることがあります。更新は通常、2年以上先の誕生月に行われます。したがって、障害厚生年金3級で2年以上受給すれば、受給累計額は障害手当金よりも多くなります。

障害手当金を返納しなければならなくても、2年以上受給できる年金の方が有利です。返納が必要な場合、一括返納だけでなく分割返納も認められます。なお、障害手当金から年金への切り替えに関しては、本人に責任はありません。経済的にも厳しい状況にある場合は、分割返納が認められています。

こちらも参考に:障害年金申請は「診断書」が9割!押さえるべき3つの注意点と流れ

Q
障害手当金は何級から支給されますか?
A

障害手当金は、障害厚生年金3級に満たない、いわば4級とされる障害の場合に支給される年金ではなく、一時金です。この手当金の額は、報酬比例の年金額(3級障害厚生年金)を基にしており、支給期間は2年分に相当します。現在の最低保障額は約115万円です。

こちらも参考に:休職期間満了による退職は解雇?それとも自己都合退職?注意点も解説

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