感覚鈍麻

感覚鈍麻の概要

1. 感覚鈍麻とは

感覚鈍麻とは、触覚、痛覚、温度覚、圧覚など、皮膚や筋肉を通して感じる感覚が鈍くなる状態を指します。軽度な場合、刺激に対して反応が遅くなる程度ですが、重度な場合、全く感じないこともあります。

2. 感覚鈍麻の原因

感覚鈍麻の原因は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 神経系

脳や脊髄、末梢神経などの神経系に障害がある場合、感覚鈍麻が起こることがあります。脳梗塞、脳腫瘍、脊髄損傷、糖尿病性神経症、多発性硬化症などが原因として挙げられます。

  • 筋肉や骨

筋肉や骨に腫瘍や炎症などがあると、神経を圧迫し、感覚鈍麻が起こることがあります。

  • 薬の副作用

一部の薬の副作用として、感覚鈍麻が起こることがあります。抗がん剤や抗てんかん薬などが原因として挙げられます。

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3. 感覚鈍麻の症状

感覚鈍麻の症状は、以下のようなものがあります。

  • 触覚が鈍くなる

触れたものを十分に感じられない、指先の感覚が鈍くなる、細かいものをうまくつかめないなど。

  • 痛覚が鈍くなる

痛みを感じにくい、ケガや火傷に気づきにくいなど。

  • 温度覚が鈍くなる

熱いものや冷たいものを十分に感じられないなど。

  • 圧覚が鈍くなる

体の重みや衣服の圧迫感を感じにくいなど。

  • 異常感覚

しびれ感、チクチク感、ピリピリ感などを感じる。

4. 感覚鈍麻の検査

感覚鈍麻の検査には、以下のようなものがあります。

  • 触覚検査

綿棒やブラシなどで皮膚を刺激し、触れた場所や刺激の強さを正しく認識できるかを検査します。

  • 痛覚検査

チクチクする針や痛みを感じる器具を使って、痛みの閾値や質を検査します。

  • 温度覚検査

温かいものと冷たいものを交互に皮膚に当て、温度の違いを正しく認識できるかを検査します。

  • 圧覚検査

指で皮膚を押し、圧迫感を感じるかを検査します。

5. 感覚鈍麻の治療

感覚鈍麻の治療は、原因によって異なります。

  • 神経系の障害が原因の場合

脳梗塞や脳腫瘍などの場合は、原因となる病気の治療を行います。糖尿病性神経症の場合は、血糖コントロールを改善することが大切です。

  • 筋肉や骨の障害が原因の場合

腫瘍や炎症がある場合は、手術や薬物療法で治療します。

  • 薬の副作用が原因の場合

薬を変更したり、服用量を調整したりすることで、症状が改善することがあります。

6. 感覚鈍麻の日常生活での注意点

感覚鈍麻がある場合は、以下のような点に注意する必要があります。

  • ケガや火傷に注意する

痛みを感じにくいので、ケガや火傷に気づきにくいことがあります。特に熱いものや刃物を使うときは注意が必要です。

  • 低温や高温に注意する

温度を感じにくいので、低温や高温による体調不良に注意する必要があります。冬場は暖房をしっかりつけ、夏場は涼しい服装で過ごすようにしましょう。

  • 転倒に注意する

足裏の感覚が鈍い場合、段差につまずいたり、滑ったりして転倒するリスクが高くなります。滑りにくい靴を履いたり、手すりにつかまったりして転倒を予防しましょう。

  • 定期的に検査を受ける

感覚鈍麻の進行状況を把握するために、定期的に検査を受けることが大切です。

7. その他

感覚鈍麻は、日常生活に支障をきたす可能性があるため、早めに医師に相談することが大切です。また、感覚鈍麻に関する悩みや不安がある場合は、家族や友人、あるいは患者団体などに相談するのも良いでしょう。

8. 参考情報

  • 日本ペインクリニック学会 – 用語集

https://www.jspc.gr.jp/

  • 厚生労働省 – 脳卒中情報サイト

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-069.html

  • 武田薬品工業株式会社 – 糖尿病性神経障害

https://www.jstage.jst.go.jp/article/medchem/24/2/24_27/_pdf/-char/ja

感覚鈍麻のよくある質問

Q
感覚鈍麻とは何ですか?
A

「感覚鈍麻」とは、光や音などの特定の刺激に対する反応が鈍くなることを指します。逆に、特定の刺激を過剰に受け取ってしまう状態を「感覚過敏」といいます。これらはどちらも、感覚の偏りが原因です。感覚には個人差があり、刺激の受け取り方は人それぞれ異なります。

こちらも参考に:毒親とは?種類と特徴。 毒親に育てられた人はどうなる?

参考:抗てんかん薬とは?

Q
感覚鈍感とは何ですか?
A

主に五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)や固有感覚、平衡感覚が過剰に反応する状態を感覚過敏、反応が鈍い状態を感覚鈍麻と呼びます。これらの反応自体は病気とはみなされませんが、日常生活に支障をきたすほど辛いと感じる場合は、医療機関や支援機関に相談したり、サポートを受けることが必要です。

参考:ADHD(注意欠如・多動症)とは?

参考:失感情症とは?

 

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