フラッシュバック

フラッシュバックの概要

フラッシュバックとは、過去に体験した出来事が、突然鮮明に脳裏に蘇り、あたかもその場にいるかのような感覚を味わう心理現象です。ベトナム戦争などの戦争体験者や、虐待を受けた経験者などに多く見られますが、誰でも経験する可能性があります。

原因

フラッシュバックの具体的な原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。

  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD):PTSDは、トラウマ体験後に生じる精神疾患です。フラッシュバックは、PTSDの代表的な症状の一つです。
  • 薬物:LSDやマリファナなどの幻覚剤や、アルコールなどの酩酊剤の使用により、フラッシュバックが起こることがあります。
  • 脳の機能障害:脳の海馬や扁桃体などの機能障害が、フラッシュバックを引き起こす可能性があります。
  • ストレス:強いストレスを受けると、脳が過去の記憶を活性化させ、フラッシュバックを引き起こすことがあります。
  • 遺伝:フラッシュバックになりやすい体質が遺伝する可能性があるという研究結果もあります。

症状

フラッシュバックの症状は、人によって様々ですが、以下のようなものが挙げられます。

  • 視覚的なイメージ:過去の出来事が鮮明な映像として蘇る
  • 聴覚的なイメージ:過去の出来事の音声が聞こえる
  • 嗅覚や味覚などの感覚:過去の出来事のにおいや味が感じられる
  • 身体感覚:過去の出来事の時の身体感覚(痛み、恐怖など)を感じる
  • 感情:過去の出来事の時の感情(恐怖、不安、怒りなど)を感じる
  • 認知機能の低下:思考が混乱したり、集中力が途切れたりする

治療

フラッシュバックの治療には、主に以下のような方法があります。

  • 心理療法:認知行動療法や眼球運動療法などの心理療法が有効とされています。これらの療法では、フラッシュバックをコントロールする方法や、トラウマ体験を処理する方法を学びます。
  • 薬物療法:抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が、症状を緩和するのに役立ちます。薬物療法は、心理療法と併用して行われることが多いです。
  • その他の治療法:ヨガやマインドフルネスなどの代替療法も、フラッシュバックの症状を改善するのに役立つ可能性があります。

日常生活への影響

フラッシュバックは、日常生活に支障をきたす可能性があります。仕事や学業に集中できなくなったり、人間関係に問題が生じたりすることがあります。また、フラッシュバックによって、睡眠障害やうつ病などの二次的な問題を引き起こすこともあります。

もしフラッシュバックを経験している場合は

フラッシュバックを経験している場合は、一人で抱え込まず、医療機関を受診することが大切です。専門医の診断と治療を受けることで、症状を改善し、日常生活を送れるようにすることができます。

フラッシュバックを予防するために

フラッシュバックを完全に予防することはできませんが、以下の点に注意することで、リスクを減らすことができます。

  • トラウマ体験をできるだけ早く処理する
  • ストレスを溜めない
  • 十分な睡眠をとる
  • 健康的な食生活を送る
  • アルコールや薬物を控える
  • 必要に応じて、専門家に相談する

参考情報

 

フラッシュバックのよくある質問

Q
フラッシュバックとはどういう症状ですか?
A
トラウマとなった出来事を繰り返し思い出す(再体験) つらい記憶が無意識に何度も蘇る状態が続きます。特に激しい症状は「フラッシュバック」と呼ばれ、頭の中で当時の状況が再現され、まるでその出来事が目の前で起こっているかのように感じられます。
 
こちらも参考に:特例子会社とは?職種や給与、働くメリットやデメリットについて

参考:医師の意見書とは?
Q
フラッシュバックが起きやすい人は?
A
発達障害を持つ人は、フラッシュバックを起こしやすい傾向があります。これは、発達障害の特性による苦手なことの多さ、白黒思考、感覚過敏、対人不安の強さなどがトラウマを引き起こしやすいことに関係しています。また、ASD(自閉スペクトラム症)の人の特徴的な記憶の仕方も影響しています。
 
参考:うつ状態とは?

参考:双極性障害、一型と二型の違いとは?
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