境界線精神遅滞とは、知能指数(IQ)が70~85の範囲にある状態を指します。
IQは、知的能力を測定する指標のひとつで、一般的に100が平均とされています。境界線精神遅滞は、平均より低い知能指数を持つものの、知的障害(知的発達症)と認定される70未満には達していない状態です。
境界線精神遅滞の子どもは、学習や対人関係、日常生活などにおいて、さまざまな困難を抱えていることがあります。
学習面では、授業についていけず、理解できないことがあります。宿題やテストでミスが多く、集中力が続かないことも少なくありません。
対人関係面では、集団生活でルールを守るのが難しい、相手の気持ちを理解するのが難しい、いじめやトラブルに巻き込まれやすいなどの困難があります。
日常生活面では、身だしなみが整わない、整理整頓が苦手、社会のルールやマナーを理解できないなどの困難があります。
境界線精神遅滞の子どもは、適切な支援を受けることで、自立した生活を送ることができます。
支援としては、以下のようなものがあります。
- 特別支援教育
- 児童発達支援
- 民間の支援サービス
特別支援教育とは、障害のある子どもに対して、その子の個別の特性やニーズに合わせた教育を提供し、学習や発達の困難に対処するための支援を行う教育です。
児童発達支援とは、障害のある子どもが日常生活や学校生活などで適応するための支援を提供する制度です。
民間の支援サービスには、療育や放課後デイサービスなどがあります。
子どもの困難に早めに気づき、適切な支援を受けることが大切です。
なお、境界線精神遅滞は、2013年に発行された「精神保健福祉法施行規則」の改正により、知的障害の診断基準から除外されました。しかし、境界線精神遅滞の子どもは、知的障害と似た困難を抱えていることから、現在も「境界知能」と呼ばれています。
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境界線精神遅滞のよくある質問
- Q境界知能と軽度知的障害の違いは何ですか?
- A
軽度知的障害と境界知能は、IQの数値によって異なる基準が設けられています。先に述べた通り、軽度知的障害はIQ50〜70相当に該当し、それに対して境界知能はIQ70〜84に分類されます。
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