職業準備性ピラミッド


職業準備性ピラミッドとは、障害のある人が安定した就労を継続するために必要なスキルや知識を、5つの段階に分けて整理したものです。

ピラミッドの一番下は「健康管理」です。健康に働き続けるためには、体調管理やメンタルヘルスのケアが重要です。

その上の段は「日常生活管理」です。生活リズムを整えたり、家事やお金の管理をしたりといった、日常生活を送るためのスキルや知識が必要です。

さらに上の段は「対人技能」です。コミュニケーションスキルや協調性、問題解決能力など、人と関わりながら仕事をするために必要なスキルや知識です。

その上の段は「基本的労働習慣」です。時間管理や作業方法、安全衛生意識など、職場で働くための基本的なルールやマナーを理解する必要があります。

ピラミッドの一番上は「職業適性」です。自分の興味や適性に合った仕事を見つけ、それを継続して働くためのスキルや知識が必要です。

職業準備性ピラミッドは、障害のある人が就職・就労を成功させるための指標として活用されています。就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などの就労支援サービスでは、このピラミッドを参考に、利用者の職業準備性を高める支援が行われています。

職業準備性ピラミッドを理解することで、障害のある人が安定した就労を実現するために、どのようなスキルや知識を身につけるべきかを考えることができます。

職業準備性ピラミッドのよくある質問

Q
就労準備支援事業の対象者は?
A

就労準備支援事業の対象者は、計画的かつ集中的な支援を最長1年受け、一般的な就労に就くことが見込まれるものの、複合的な課題を抱えています。具体的には、決まった時間に起床・就寝できないなど、生活習慣の形成・改善が必要な場合や、他者との関わりに不安を抱え、コミュニケーション能力などの社会参加能力の形成・改善が必要な場合が該当します。また、自尊感情や自己有用感を喪失しているケースや、就労の意欲が希薄であるか、または就労に関する能力が低い場合もこの支援の対象となります。これらの事情により、ハローワークの職業紹介や職業訓練(公共職業訓練および求職者支援訓練)などの雇用支援施策だけでは直ちに就職が難しいケースが該当します。

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Q
職業指導員と就労支援員の違いは何ですか?
A

職業指導員と就労支援員は、どちらも障害のある方の就労支援を行う職業ですが、その役割は異なります。

職業指導員は、就職に必要な知識やスキルの習得を支援する役割を担っています。具体的には、以下の業務を行います。

  • ビジネスマナーやパソコンスキルなどのビジネススキルの指導
  • コミュニケーションスキルや対人関係構築スキルなどの社会スキルの指導
  • 職業適性や就職活動の進め方などの就労に関する指導

就労支援員は、就職活動の支援や就職後のフォローアップを支援する役割を担っています。具体的には、以下の業務を行います。

  • 求人情報の収集や面接対策などの就職活動の支援
  • 就職後の職場定着や生活支援などの就労後のフォローアップ

職業指導員は、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などの就労系障害福祉サービス事業所に勤務するのが一般的です。一方、就労支援員は、就労系障害福祉サービス事業所だけでなく、自治体に設置された福祉事務所や保健福祉関係の部署でも勤務しています。

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