心理カウンセリングとは?内容や種類、効果、料金などを紹介

精神疾患

「仕事やプライベートでうまくいかず、心身共に辛いのに、誰にも相談できない」と感じる時、カウンセリングを受けることも一つの選択肢です。しかし、カウンセリングを受けられるかどうかや、どこで受けられるのか、またカウンセリングでは具体的に何をするのかといった疑問や不安を感じる方も多いかもしれません。

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そこで、この記事では、カウンセリングが必要な場合や、カウンセリングの内容・種類と受ける意味、カウンセリングの効果や料金について解説します。カウンセリングが受けられる場所についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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心理カウンセリングとは?

「カウンセリング」は日本では馴染みが薄く、気軽に利用できないイメージがあるかもしれません。

そもそも「カウンセリング(counseling)」とは、英語で「相談」や「助言」を意味する言葉であり、日本では、「資格を持った専門家による心理的な援助」を意味します・

カウンセリングを行う人は「カウンセラー」と呼ばれ、カウンセリングを受ける人は「来談者」「クライエント」などという呼称をするのが一般的です。

カウンセリングは心理カウンセリングに留まらず、教育やビジネスなど幅広い分野で行われています。医療や福祉の分野では、カウンセラーがクライエントや来談者の心の悩みを聞き、心理に関する専門知識を活かしてクライエントの支援に従事します。

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カウンセリングが必要な人とは?

医療機関でカウンセリングが適用される場合、医師が治療上必要であると判断した場合です。

例えば、うつ病などの精神疾患の場合、本人の性格や考え方、行動パターンが影響して発症することがあります。このような場合は、薬物治療に加えて、カウンセリングで性格や考え方、行動パターンを見直します。そうすることで、再発を防ぐ効果が期待できます。

カウンセリングは、医療機関以外でも受けることができます。疾患の有無にかかわらず、誰でも利用できます。悩みがあれば、心理の専門家の意見を聞くために、気軽にカウンセリングを受けてみましょう。

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カウンセリングは、カウンセラーと来談者の対話によって行われます。極度のストレスや疲労などで、心理的エネルギーが枯渇している場合は、カウンセリングよりも休養を優先しましょう。

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心理カウンセリングの内容

カウンセリングは、カウンセラーと来談者との1対1の対話によって行われます。 カウンセラーは、来談者の悩みや問題を傾聴し、共感しながら、来談者が自分自身で解決の糸口を見つけられるようにサポートします。 カウンセリングでは、カウンセラーが来談者にアドバイスや答えを出すことはしません。来談者が自分自身の力で考え、行動できるよう、カウンセラーはサポートします。

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カウンセリングの目的・受ける意味

悩みに向き合う過程で、来談者は自分の内面を客観的に見つめ、ありのままの自分を受け入れられるようになることがカウンセリングの目的です。

カウンセリングでは、カウンセラーが相談者の話に耳を傾け、共感しながらサポートします。その過程で、相談者が自分の考えや感情を整理し、解決の糸口を見つけられるように導いていきます。悩みに向き合う中で、「自分がどのような場面で何を感じ、どのように反応しているのか」といった「ありのままの自分」を見つめ直すことができるため、より深く自己を客観的に理解し成長していくことができます。

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カウンセラーが、ありのままの自分を理解し受け入れてくれることで「客観的に自分自身を見つめて悩みを解決していこう」という気持ちが湧いてきます。

カウンセリングを通して、自分自身を理解し、悩みを解決できるようになると、その後も自分の気持ちや考えと向き合えるようになり、自立した解決力を身につけることができるでしょう。

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カウンセリングの方法

カウンセリングは大きく、対面・非対面に分けられ、以下のような方法で行われます。

・対面

・メール、チャット

・電話

・オンライン(ビデオ通話)

近年、オンライン(ビデオ通話)によるカウンセリングサービスが普及しつつあります。オンラインカウンセリングは、指定の場所に出向かずに受けられるため、外出を避けたい方や、さまざまな理由で家を離れるのが難しい方でも、継続的に利用しやすいのが特徴です。

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心理カウンセリングの種類

カウンセリングには、さまざまなアプローチがあります。今回は、特に医療機関で一般的に採用されている「来談者中心療法」と「認知行動療法(CBT)」に焦点を当ててみましょう。

カウンセリング機関によって提供される心理カウンセリングの種類は異なるため、自身に適したアプローチを選ぶことが重要です。どの種類が自分に合っているか分からない場合は、事前にカウンセリング機関に問い合わせてみることをお勧めします。専門家が提供する情報を元に、自分のニーズに最適なアプローチを見つけることができます。

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来談者中心療法

来談者中心療法(Person-Centered Therapy)は、カール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱された心理療法の一形態であり、「来談者の話をじっくりと聞く」という療法です。「人は誰しも成長する力を持っており、自分の問題は自分自身が最もよく理解している」という考えに基づいています。したがって、カウンセラーが主導権を握ってアドバイスをするのではなく、クライアントの成長や問題解決に焦点を当て、協力的な関係を築くことが重視されています。

カウンセラーは、クライアントを無条件に受け入れ、尊重します。クライアントが抱える感情や経験に対して、批判的な態度を取らず、クライアントが自らのペースで進むことを奨励します。この点が「非指導的」と呼ばれる理由の一つです。このアプローチは、臨床心理学やカウンセリングにおいて幅広く使用されています。

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認知行動療法


認知行動療法は、主に認知(物事の受け取り方や考え方)を変えることに焦点を当て、その結果として悩みや症状の改善を目指す療法です。

このアプローチの基本的な考え方は、「人の気持ちや行動は認知の影響を受ける」というものです。言い換えれば、個人の感情や行動は、その人が物事をどのように受け取り、考えるかに影響されるとされています。そのため、環境や状況が変わらなくても、問題や症状の原因となっている認知の仕方を変えることで、自分の力で悩みや症状を解決していくことを目指します。

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このプロセスでは、クライアントとカウンセラーが協力し、具体的な課題や認知の歪みを特定します。その後、これらの認知を健康的で建設的なものに変え、新しい行動パターンを確立することが重要です。認知行動療法は、具体的なスキルや戦略を提供することで、クライアントが自らの課題に取り組み、積極的に変化を促進することを支援します。

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EMDR(Eye Movement Desensitizatio n and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)は、フランシン・シャピロ(Francine Shapiro)によって提唱された心理療法の手法です。この手法は、特に外傷後ストレス障害(PTSD)トラウマに焦点を当てています。EMDRは、トラウマの処理や不安症状の軽減に対して効果があるとされています。ただし、個々のクライアントによって異なる反応があるため、専門的なトレーニングを受けた資格を持つ専門家による実施が勧められます。

 

参考:EMDR(Eye Movement Desensitizatio n and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)とは?

 

グループカウンセリング

グループカウンセリングは、心理療法の一形態であり、クライアントがグループの中で相互作用し、支え合いながらカウンセリングを受ける流れになります。グループカウンセリングはさまざまなテーマや課題に焦点を当てたセッションが行われ、参加者が自分の問題に対処する際に役立ちます。

参考:グループカウンセリング

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心理カウンセリングの効果

こころを軽くする

悩みや心の不調を独りで抱え込んでいる方は、カウンセリングを受けることで気持ちを軽くする効果が期待されます。カウンセリングを受けることで、「他者に理解された」と感じたり、「話すことで心が軽くなった」という感覚を得ることができます。また、話すことによって緊張や不安が和らぐこともあります。

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問題を整理できる

心の中の気持ちを言葉にすることで、現在の状況や自分の考えを整理することが可能です。例えば、カウンセリングを受けることで「出来事の根本的な問題は何か?」や「自分は何が嫌だと感じているのか?」などについて、改めて考えるきっかけが生まれます。自分の気持ちや状況を把握して整理することは、問題解決に向けた最初のステップとなります。

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自身の考え方を客観的に認識できる

第三者であるカウンセラーとの対話を通じて、自分を客観的に見る能力が向上します。時間の経過とともに、自身の真の気持ちや認知のパターンに気づくことが期待されます。これにより、「この経験を将来どのように活かして対処すべきか」という洞察が得られ、現在の問題や症状の解決だけでなく、クライエントや来談者がより効果的な対処方法を身につけていくことができます。

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心理カウンセリングを受ける際のポイント

カウンセリングは、心の状態をじっくりと見つめ直す大切な時間です。焦ってすぐに結果を求めてしまう気持ちも分かりますが、より効果的にカウンセリングを進めるために、ぜひ心掛けていただきたい3つのポイントをご紹介します。

自分のペースを心がける

人と話すことに苦手意識のある方は、カウンセラーに対しても緊張したり、考えがまとまらず、自分の思っていることをうまく伝えられないことがあります。そして、まだ自分自身の心境がよく分かっていない場合もあるでしょう。

このような場合、「うまく話そう」と無理に頑張る必要はなく、心に浮かんだ気持ちをそのまま言葉にするだけで大丈夫です。カウンセラーは心理の専門家であり、あなたの言葉を途中で遮ったり、急かしたりすることはありませんので、安心して話してください。

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効果が表れるまで時間がかかることを知っておく

カウンセリングを受けても、効果がすぐに現れないことは一般的です。カウンセリングは、対話を通じて自分の内面から変化が生じ、その結果として実生活での効果が表れるものです。そのため、効果が即座に現れなくても、継続的なプロセスが重要です。

自身の内面に変化が起きるまでには時間がかかることもあります。したがって、「カウンセリングは効果がないのではないか?」と半信半疑の状態でいると、自らの内面に変化が生じにくくなり、効果が顕著になりにくい可能性があります。

効果を実感できない場合、その気持ちを正直にカウンセラーに伝えることが重要です。カウンセラーはクライアントとの協力を大切にし、効果的なカウンセリングを提供するためにフィードバックを活用します。クライアントが感じる疑問や不安を共有することで、より適切で効果的なアプローチが見つかる可能性が高まります。

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カウンセラーとの相性が大切

経験や知識が豊富であっても、カウンセラーとクライエントや来談者の相性が合わないことはあります。相性の問題は雰囲気や性格の不一致だけでなく、「相談内容に対する専門的な知識や経験が適しているか」という要素にも関わります。もしカウンセリングを受けながら「相性がうまく合わないかもしれない」と感じた場合は、他のカウンセラーに相談を切り替えたり、別の場所でカウンセリングを試してみることも考慮してみましょう。

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心理カウンセリングの料金

心理カウンセリングは、実施している機関によって保険適用の可否や料金が異なります。

カウンセリングの保険適用について

治療の一環として医師、看護師、公認心理師などによるカウンセリングを受ける場合、保険が適用されます。

たとえば、医師がうつ病の症状に対して「カウンセリング治療が必要」と判断した場合、精神科や心療内科でのカウンセリングが行われ、費用には保険が適用されます。

保険が適用された場合の自己負担額は、年齢によって異なります。通常、義務教育就学後から70歳未満の方はかかった費用の3割を自己負担します。例えば、カウンセリング費用が10,000円かかった場合、自己負担額として支払うのは3,000円になります。

ただし、精神科や心療内科で提供されるすべてのカウンセリングには保険が適用されるわけではありません。たとえ特定の疾患が診断されなくても、気分の落ち込みや人間関係の悩みなどに対してカウンセリング(自費診療)を行っている医療機関もあります。受診前に、病院やクリニックのウェブサイトを確認しておくことが大切です。

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カウンセリングで保険適用されない場合は?


一般的に、医師以外のカウンセラーによるカウンセリングには保険が適用されません。料金は1回(60分)あたり5,000円から20,000円程度と、カウンセリング機関によって大きく異なります。気になるカウンセリング機関があれば、事前に料金を確認しておくことが大切です。

筆者が通っている病院は45分で7000円なので、週2回ほどカウンセリングに通うとなるとなかなかの出費になってきます。

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カウンセリングは無料で受けることができる?

 カウンセリング費用が気になる場合は、無料で利用できる相談窓口もたくさんあります。たとえば、厚生労働省では、悩み別に様々な相談窓口を用意しています。電話だけでなく、チャットやメールで相談できる窓口もあるので、自分に合った方法を選べます。

​​ 参考:厚生労働省「電話相談窓口」

また、日本産業カウンセラー協会の東京支部では、職場に関する悩みに対する無料カウンセリングを1人1回まで受け付けています。

​​ 参考:日本産業カウンセラー協会 東京支部「無料カウンセリングのご案内」

自治体によっては、地域の相談窓口の一覧をウェブサイトに掲載していることがあります。お住まいの自治体の情報を確認してみてください。

​​ 参考:東京都こころといのちのほっとナビ

心理カウンセリングを受けられる場所はどこ?

カウンセリングが受けられる場所は「医療機関」「公共機関」「民間機関」の3つに大きく分けることができます。

医療機関

医療機関では、主に精神科や心療内科でのカウンセリングが提供されています。精神科医や心療内科医だけでなく、臨床心理士や公認心理師などもカウンセリングを担当することがあります。

医療機関でカウンセリングを受けるには、まずは精神科や心療内科を受診し、自身の状態や悩みを相談してみると良いでしょう。医師や専門の心理専門家との相談を通じて、カウンセリングが必要かどうかを判断し、適切なサポートを受けることができます。

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公共機関

悩みの種類によっては、さまざまな機関の窓口を利用することができます。

  1. 仕事に関する相談:
    • ハローワーク: キャリアカウンセラーが在籍しており、仕事に関する相談ができます。
    • 障害者職業センター: 障害のある方は障害者職業カウンセラーに相談できます。また、企業内においては、企業内カウンセリングとして社内相談窓口が存在する場合があります。
    ​​ 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」
  2. こころの健康に関する相談:
    • 保健所や精神保健福祉センター: 医師、精神保健福祉士臨床心理士、公認心理師などが配置され、地域住民の相談を受け付けています。
    ​​ 保健所とは?役割や業務、保健センターとの違いを説明します
  3. その他の相談:
    • 厚生労働省: さまざまな悩みに対応する相談窓口を設けており、電話、メール、SNSなどで相談が可能です。
    ​​ こころの耳(厚生労働省)「相談窓口案内」

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民間機関

民間のカウンセリング機関でもカウンセリングを受けることができます。

カウンセラーは資格要件がないため、臨床心理士や公認心理師などの資格を持つ場合もあれば、無資格であっても専門知識の豊富な人である場合もあります。

民間機関の中には、初回無料でカウンセリングを提供しているところもあります。無料カウンセリングを利用して、カウンセラーとの相性を判断してみると良いでしょう。

明星大学の心理相談センターでもカウンセリングを行なっています。

 

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