倒立顔

倒立顔とは、顔を上下逆さまにした状態の顔のことです。

人間は、顔を正立した状態で見ると、その顔つきや表情を簡単に認識することができます。しかし、顔を倒立させると、その顔つきや表情を認識するのが難しくなります。この現象を「倒立顔効果」と呼びます。

倒立顔効果の原因は、脳の処理の仕方の違いによってと考えられています。脳は、顔を認識する際に、顔の特徴を構成する要素(目、鼻、口など)を組み合わせて処理します。正立した顔の場合は、これらの要素が自然な順序で配置されているため、脳はスムーズに処理することができます。しかし、倒立した顔の場合は、これらの要素が本来の順序とは逆に配置されているため、脳が処理に時間がかかり、認識が難しくなります。

倒立顔効果は、人間だけでなく、他の動物にも見られます。たとえば、猿や犬でも、倒立した顔を認識するのが難しいことが分かっています。

倒立顔効果は、脳の視覚処理に関する研究において重要な役割を果たしています。また、認知症や脳損傷などの病気の診断や治療にも役立てられています。

倒立顔効果に関するおもしろい実験として、サッチャー錯視が挙げられます。サッチャー錯視とは、上下逆さまに配置された2つの顔の画像を見ると、1つの顔に見えてしまう錯視です。この錯視は、倒立顔効果によって引き起こされていると考えられています。

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倒立顔のよくある質問

Q
サッチャー錯視と倒立効果の関係は?
A

顔を上下逆にすると、人は倒立した顔を顔として認識できなくなります。そのため、顔認知の機構が働かなくなり、表情などの細かい違いを認識するのが難しくなります。この現象を「倒立顔効果」と呼びます。倒立顔効果は、心理学の世界では「サッチャー錯視」として有名であり、ヒトだけでなく、一部の霊長類でも見られます。

 

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Q
サッチャー錯視の例は?
A

人間は、視覚と聴覚など、異なる感覚を結び付けて認識することがあります。これを「共感覚」と呼びます。共感覚をもっている人は、たとえば、カエルの鳴き声は茶色、鈴は銀色の音色、怒っている声は濁色、愛情をこめて語る声はバラ色などと、色や形などの視覚的なイメージを伴って音を認識すると言われています。共感覚をもっていない我々でも、これらの例を見ると、何となく納得できる関連性を感じることができますね。

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