レット症候群

レット症候群では1歳6か月から3歳の間に、多くの子どもが、これまで行っていた手の運動が上手くできなくなります。手を合わせることや手をこすり合わせる仕草、手を絞るような動作など、特有の手の常同運動が現れることが一般的です。また、この時期には四つん這いや歩行などの運動機能も難しくなり、以前に出ていた言葉が出なくなる退行現象が見られることがあります。

 

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レット症候群の概要

1. レット症候群の発症時期

  • レット症候群は、生後6ヶ月から3歳頃に発症します。
    • 多くの場合、生後6ヶ月から18ヶ月頃に症状が現れます。
  • 発症初期は、症状が軽微なため、気づかれにくい場合もあります

2. レット症候群の症状

  • レット症候群の主な症状は以下の通りです。
    • 手の常同運動:手を合わせたり、こすり合わせたり、絞るような動作を繰り返す。
    • 運動機能の低下:四つん這いや歩行などが難しくなる。
    • 言語発達の遅れ・退行:以前に出ていた言葉が出なくなる。
    • 呼吸異常:過換気、無呼吸などの症状が現れる。
    • 睡眠障害:夜中に何度も目が覚める、昼寝ができないなどの症状が現れる。
    • 便秘:排便が困難になる。
    • 成長障害:身長や体重の伸びが鈍化する。
    • 自閉症的症状:人への興味や関心が薄くなる、コミュニケーションが苦手になる。
  • これらの症状は、患者さんによって程度や現れ方が異なります

3. レット症候群の原因

  • レット症候群は、X染色体上のMECP2遺伝子の変異によって起こります。
    • MECP2遺伝子は、脳の発達に関わる重要な遺伝子です。
    • MECP2遺伝子の変異により、脳の神経細胞の機能が低下し、レット症候群の症状が現れると考えられています。
  • レット症候群の**約90%**は、突然変異によって起こります。
    • 10%程度は、両親のいずれかから遺伝することがあります。

4. レット症候群の治療

  • レット症候群の根本的な治療法は、現在ありません
    • 治療は、症状を改善し、患者の生活の質を向上させることに重点が置かれています。
    • 主な治療法は以下の通りです。
      • 薬物療法:抗てんかん薬、抗精神薬、便秘薬など
      • 理学療法:運動機能の改善
      • 作業療法:日常生活動作の訓練
      • 言語療法:コミュニケーション能力の向上
      • 栄養療法:栄養状態の改善
  • 治療法は、患者の症状や状態に合わせて、個別に選択されます。

5. レット症候群の予後

  • レット症候群は、進行性の疾患です。
    • 適切な治療を受ければ、症状をある程度改善し、日常生活を送ることができるようになります。
    • しかし、重度の患者さんでは、早逝することもあります。

参考情報

レット症候群のよくある質問

Q
レット症候群とはどんな病気ですか?
A

病気の約8割以上を占める典型的な患者では、生後6か月までは一見正常に見えますが、その後、体が柔らかくなり、四つ這いや歩行などの運動が遅れ、外界への反応が乏しくなり、視線が合いにくいなど、自閉症の症状が多く見られることがあります。

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Q
赤ちゃんのレット症候群の特徴は?
A

レット症候群の赤ちゃんは、出生時や新生児期には周囲もほとんど病気に気づかないことがあります。しかし、生後6カ月から18カ月の期間に、大人しい態度や喃語が少ないこと、反応が少ないこと、よく寝ること、視線が合いにくいこと、手の運動が少ないこと、ハイハイができないことなど、微細な運動や知的な発達の遅れの症状が現れることがあります。

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