ワーキングメモリ

 

WAISのワーキングメモリの概要

WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)は、16歳以上の成人の知能を包括的に評価する検査です。その中には、ワーキングメモリを測定する下位検査も含まれています。

ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持し、処理する能力です。これは、新しいことを学習したり、複雑なタスクを実行したりするために必要な重要な認知機能です。

WAISのワーキングメモリ下位検査は以下の2つから構成されています。

  • 数字スパン:ランダムな数字の列を提示し、それを逆順に復唱させる検査です。
  • 記号置換:画面に提示された記号と対応する数字を記憶し、別の画面に提示された記号に対応する数字を書き込む検査です。

これらの検査の得点に基づいて、ワーキングメモリ指数(WMI)が算出されます。WMIは、ワーキングメモリの全体的な能力を指標化したものです。

補足項目

1. ワーキングメモリの役割

  • 言語理解:言葉を理解し、処理する能力
  • 記憶:情報を記憶し、保持する能力
  • 学習:新しいことを学習する能力
  • 問題解決:問題を解決し、意思決定する能力
  • 計画性:計画を立て、実行する能力
  • 集中力:注意を集中し、維持する能力

2. ワーキングメモリに影響を与える要因

  • 年齢:ワーキングメモリ能力は、20代をピークに年齢とともに低下していく傾向があります。
  • 教育:教育レベルが高い人は、ワーキングメモリ能力が高い傾向があります。
  • 睡眠:十分な睡眠は、ワーキングメモリ能力の向上に役立ちます。
  • ストレス:慢性的なストレスは、ワーキングメモリ能力を低下させる可能性があります。
  • 精神疾患:統合失調症や双極性障害などの精神疾患は、ワーキングメモリ能力に影響を与える可能性があります。

3. ワーキングメモリのトレーニング

  • ブレイントレーニングゲーム:脳トレゲームは、ワーキングメモリ能力の向上に役立つ可能性があります。
  • マインドフルネス:マインドフルネストレーニングは、集中力とワーキングメモリ能力の向上に役立つ可能性があります。
  • 運動:運動は、脳の血流を改善し、ワーキングメモリ能力の向上に役立つ可能性があります。

4. WAISにおけるワーキングメモリ検査

  • WAIS-IV:WAIS-IVには、2つのワーキングメモリ下位検査(数字スパンと記号置換)が含まれています。
  • WISC-IV:WISC-IVには、WAIS-IVと同様の2つのワーキングメモリ下位検査が含まれています。

5. その他

  • ワーキングメモリは、IQとは異なる認知機能です。
  • ワーキングメモリ能力は、日常生活や仕事において重要な役割を果たします。
  • ワーキングメモリ能力に問題がある場合は、専門医に相談することが重要です。

参考資料

 
Q
ワーキングメモリーが低い人の特徴は?
A
ワーキングメモリーが低い人は、情報をスムーズに処理することが難しく、記憶の整理が困難になります。その結果、会話の内容が不明瞭になったり、一方的な話し方をしたりすることがあります(子供ではよく見られるため、判断が難しいこともあります)。また、会話のキャッチボールがうまくできないこともあります。
 
こちらも参考に:特例子会社とは?職種や給与、働くメリットやデメリットについて 参考:医師の意見書とは?
Q
ワーキングメモリーを鍛えるには?
A
  • 暗算・暗記
  • デュアルタスク
  • 絵本の読み聞かせ
  • 逆さ言葉
  • 外遊び
  • 後出しじゃんけん
  • テレビやゲームの時間を減らす
  • 十分な睡眠をとる
 
参考:うつ状態とは? 参考:双極性障害、一型と二型の違いとは?
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