高額療養費制度

高額療養費制度の概要

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、超えた部分があとで払い戻される制度です。

制度の目的

  • 医療費の負担が重くなりすぎることを防ぎ、安心して医療を受けられるようにすること

利用対象

対象となる医療費

  • 公的医療保険が適用される診療にかかる費用
    • 入院時の診療費
    • 外来診療の費用
    • 薬代
    • 医療機器のレンタル料
  • 高額療養費合算療養費制度:介護保険の自己負担額と合算して高額療養費の対象となる制度

対象外の医療費

  • レーシックやインプラントなどの保険適用外診療
  • 差額ベッド代
  • 先進医療

自己負担限度額

  • 年齢や所得状況によって異なる
  • 令和4年4月現在:
    • 70歳未満:8万円
    • 70歳以上:6万円
    • 所得が一定額を超える70歳以上:8万円

払い戻しの方法

  • 限度額適用認定証を事前に申請しておくと、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができる
  • 窓口清算:医療機関で自己負担限度額まで支払いを済ませ、あとで高額療養費制度を利用して払い戻しを受ける方法
  • 事後清算:医療機関で支払った全額をいったん立て替え、あとで高額療養費制度を利用して自己負担限度額を超えた分を払い戻しを受ける方法

払い戻しを受けるために必要なもの

  • 医療機関から発行された「高額療養費受給券」
  • 領収書

詳細情報

  • 加入している健康保険組合、協会けんぽ、または市区町村の窓口
  • 厚生労働省のホームページ

高額療養費制度に関するその他の用語

  • 限度額適用認定証:自己負担限度額を超えることが予想される場合に、事前に申請することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができる制度
  • 窓口清算:医療機関で自己負担限度額まで支払いを済ませ、あとで高額療養費制度を利用して払い戻しを受ける方法
  • 事後清算:医療機関で支払った全額をいったん立て替え、あとで高額療養費制度を利用して自己負担限度額を超えた分を払い戻しを受ける方法
  • 高額療養費合算療養費制度:介護保険の自己負担額と合算して高額療養費の対象となる制度
  • 医療機関:高額療養費制度の対象となる医療を提供する施設
  • 受給資格:高額療養費制度を利用できるかどうかを判断する基準
  • 申請:高額療養費制度の払い戻しを受けるために必要な手続き
  • 手続き:高額療養費制度の払い戻しを受けるために必要な一連の作業

高額療養費制度は、医療費の負担を軽減する重要な制度です。

医療費が高額になった場合は、この制度を利用して自己負担を軽減しましょう。

制度についてわからないことがあれば、加入している健康保険組合、協会けんぽ、または市区町村の窓口に相談しましょう。

  •  

高額医療費のよくある質問

Q
高額医療費の自己限度額はいくらですか?
A
70歳未満の方の区分
所得区分
自己負担限度額
① 区分ア

(標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方)

252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1%
140,100円
② 区分イ

(標準報酬月額53万〜79万円の方) (報酬月額51万5千円以上〜81万円未満の方)

167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1%
93,000円
③ 区分ウ

(標準報酬月額28万〜50万円の方) (報酬月額27万円以上〜51万5千円未満の方)

80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1%
44,400円
④ 区分エ

(標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方)

57,600円
44,400円
⑤ 区分オ(低所得者)

(被保険者が市区町村民税の非課税者等)

35,400円
24,600円
  1. ※1総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。
  2. ※2療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。

「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

70歳以上75歳未満の方の区分
被保険者の所得区分
自己負担限度額
外来(個人ごと)
外来・入院(世帯)
① 現役並み所得者
現役並みⅢ

(標準報酬月額83万円以上で高齢受給 者証の負担割合が3割の方)

252,600円+(総医療費-842,000円)×1% [多数該当:140,100円]
現役並みⅡ

(標準報酬月額53万〜79万円で高齢受 給者証の負担割合が3割の方)

167,400円+(総医療費-558,000円)×1% [多数該当:93,000円]
現役並みⅠ

(標準報酬月額28万〜50万円で高齢受 給者証の負担割合が3割の方)

80,100円+(総医療費-267,000円)×1% [多数該当:44,400円]
② 一般所得者

(①および③以外の方)

18,000円(年間上限14.4万円)
57,600円 [多数該当:44,400円]
③ 低所得者
Ⅱ(※3) Ⅰ(※4)
8,000円
24,600円 15,000円
  1. ※3被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。
  2. ※4被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

現役並み所得者に該当する場合は、市区町村民税が非課税等であっても現役並み所得者となります。

こちらも参考に:失業保険の特定理由離職者(特定受給資格者)とは?給付日数、必要書類、診断書などを解説 参考:高福祉国家とは?
Q
高額療養費制度は誰でも受けられる?
A
高額療養費制度は、治療費が自己負担限度額を超えた時に、その差額が支給される仕組みです。 この制度は保険に加入している人であれば誰でも申請して利用することができますが、その自己負担上限額は人それぞれの年収や年齢(69歳以下か70歳以上か)によって異なります。
参考:雇用保険被保険者資格喪失届とは? 参考:労働基準法とは?
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