言語発達の概要
1. 言語発達とは
人間の言語習得過程を指します。乳児は言語を知らない状態で生まれてきますが、周囲の人との関わりの中で、言葉を聞き分け、理解し、話すようになっていきます。この一連のプロセスを言語発達と呼びます。
2. 言語発達の過程
言語発達は、大きく以下の5つの段階に分けられます。
- 前言語期(出生~6ヶ月頃)
泣く、笑う、喃語を発するなど、非言語的なコミュニケーション手段を用いて、欲求を伝えたり、相手との関わりを持ったりします。
- 初期言語期(6ヶ月~1歳6ヶ月頃)
単語を理解し始め、簡単な一語文を話すようになります。代表的な言葉としては、「ママ」、「バイバイ」、「ワンワン」などがあります。
- 二語文期(1歳6ヶ月~2歳頃)
2つの単語を組み合わせた二語文を話すようになります。「ママ きた」、「バイバイ する」など、簡単な文を作り始めます。
- 多語文期(2歳~3歳頃)
3語文以上の文を話すようになります。疑問文や否定文も使い始め、コミュニケーションの幅が広がります。
参考:認知矯正療法
参考:認知行動療法(CBT)
- 完成期(3歳以降)
大人と同じように、複雑な文を理解し、話すことができるようになります。語彙も増え、流暢な会話が可能になります。
3. 言語発達を促すポイント
- たくさん話しかける
子どもにたくさん話しかけることは、言語発達を促す最も効果的な方法の一つです。絵本を読み聞かせたり、日常の出来事を話したりすることで、子どもは新しい言葉や文法を学ぶことができます。
- 子どもの喃語に耳を傾ける
子どもの喃語に耳を傾け、反応することで、子どもは自分が話したことが相手に伝わっていることを実感し、話す意欲を高めることができます。
- 一緒に遊ぶ
一緒に遊んだり、歌を歌ったりすることで、子どもは楽しく言葉を学ぶことができます。
- 絵本を読む
絵本を読むことは、子どもの語彙力や想像力を豊かにするのに効果的です。
- テレビやゲームを見せすぎない
テレビやゲームを見せすぎると、子どもが人と話す機会が減少し、言語発達が遅れる可能性があります。
4. 言語発達に関する悩み
- 我が子の言語発達が遅いようだ
子どもの言語発達が遅い場合は、焦らずに様子を観察することが大切です。子どもによって発達のペースは異なるため、個人差があることを理解しておきましょう。しかし、あまりにも他の子供と比べて遅れている場合は、医師や言語聴覚士に相談することをおすすめします。
- 言葉の発達に何か問題があるのではないか
言葉の発達に何か問題がある場合は、言語聴覚士による検査や指導を受けることができます。言語聴覚士は、子どもの言語能力を評価し、適切な指導を行います。
5. 参考情報
- 厚生労働省 – こどもの発達段階の目安を知ろう
https://www.mhlw.go.jp/content/000348513.pdf
- NPO法人キッズコミュ – 言語発達について(詳細)
https://fujisawakids.com/40year/
- 学研教室 – うちの子、言葉の発達が遅い? その原因と言葉の発達を促すためにできること
https://gakken-mall.jp/ec/plus/pro/disp/1/1020594300