躁転(そうてん)の概要
躁転とは?
躁転とは、双極性障害(躁うつ病)において、気分が極端に高揚したり興奮したりする状態に転じることを指します。うつ状態の後に訪れることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
躁転の特徴
- 気分の高揚: 通常の状態よりもはるかに高揚し、幸福感や自信に満ち溢れているように感じます。
- 興奮状態: 活動性が著しく高まり、寝ないで長時間活動したり、アイデアが次々と湧き出したりします。
- 多弁: 話し方が早口になり、話がどんどんと広がっていきます。
- 判断力の低下: 危険を顧みない行動を取ったり、現実と妄想が混同したりする可能性があります。
- 躁状態の期間: 数日から数か月まで、個人差が大きく、持続期間も様々です。
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躁転の原因
躁転の明確な原因は解明されていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが関与していると考えられています。遺伝的な要因や、ストレス、睡眠不足なども、発症を促す可能性があります。
躁転の種類
躁転には、以下のような種類があります。
- 軽躁状態: 気分が高揚し、活動性が増しますが、日常生活に大きな支障をきたすほどではありません。
- 躁状態: 気分の高揚や興奮が著しく、日常生活に支障をきたし、周囲の人との関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
- 躁狂状態: 躁状態が極度に悪化し、幻覚や妄想を伴うこともあります。
躁転の治療
躁転の治療には、薬物療法と心理療法が併用されることが多いです。
- 薬物療法: 気分安定薬、抗精神病薬などが使用されます。
- 心理療法: 認知行動療法など、心理的なアプローチによる治療も行われます。
躁転と日常生活
躁転中は、周囲の人との関係が悪化したり、仕事や学業に支障をきたしたりする可能性があります。早期に治療を開始し、規則正しい生活を送ることが大切です。
躁転に関する注意点
- 自己判断で治療を中断しない: 医師の指示に従い、治療を継続することが重要です。
- アルコールや薬物の摂取を控える: これらは、躁状態を悪化させる可能性があります。
- 規則正しい生活を送る: 睡眠をしっかりと取り、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
- 周囲の人とのコミュニケーション: 家族や友人、医療者など、周囲の人と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
まとめ
躁転は、双極性障害の代表的な症状の一つです。気分が高揚したり、興奮したりする状態が特徴で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。早期に治療を開始し、周囲のサポートを受けることで、症状をコントロールすることができます。
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躁転のよくある質問
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Q躁転とはどういう意味ですか?
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A
うつ状態から、比較的短期間で躁状態へ移行することを躁転といいます。躁転過程においては、抑うつ症状と躁症状が混在する混合状態が出現することがあります。この状態では、気分の落ち込みと高揚が同時にみられ、思考や行動が不安定になることが特徴です。
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Q鬱と躁鬱の違いは何ですか?
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A
うつ病は単極性うつ病ともいい、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったり、眠れなくなったりといったうつ状態の症状だけがみられます。対して双極性障害はうつ状態と躁状態または、軽躁状態を繰り返す病気です。
つまり、「双極性障害」と「うつ病」の違いはうつ状態だけなのか、うつ状態と躁状態を繰り返すのかという点が大きな違いです。
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