障害者の雇用の促進等に関する法律

障害者の雇用を促進する法律は、障害者の雇用と在宅就労の増進に関する規定を含んでいます。この法律は一般に障害者雇用促進法と略されています。

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障害者の雇用の促進等に関する概要

障害者雇用納付金制度:詳細解説と最新情報

概要

障害者雇用納付金制度は、障害者を雇用することが義務付けられている事業主が、一定の基準を満たしていない場合に納付する金銭制度です。障害者雇用の促進を目的として、1976年に制定された「身体障害者雇用促進法」で導入されました。その後、1987年に「知的障害者雇用促進法」、2006年に「精神障害者雇用促進法」が制定され、対象となる障害者が拡大されました。

制度の目的

障害者雇用納付金制度は、以下の目的を達成するために設けられました。

  • 障害者雇用率の向上
  • 障害者の社会参加の促進
  • 障害者に対する理解と認識の向上

納付金の対象となる事業主

障害者雇用納付金の対象となる事業主は以下の通りです。

  • 常時雇用している労働者の数が100人以上である事業主
  • 特定非営利活動法人等が運営する事業所

納付金の算定方法

納付金は、法定雇用率と実績雇用率の差に基づいて算定されます。

  • 法定雇用率: 事業主の規模や業種によって異なり、2.2%から3.5%まで設定されています。
  • 実績雇用率: 事業主に雇用されている障害者の割合です。

納付金の使途

納付金は、障害者の雇用促進のための施策に充てられます。具体的には、以下のような施策が実施されています。

  • 障害者求職者に対する職業指導や就職あっせん: 障害者求職者が自分に合った仕事を見つけられるよう、職業指導や就職あっせんを行います。
  • 障害者雇用の円滑化のための啓発活動: 事業主や一般市民に対して、障害者雇用の重要性やメリットについて啓発活動を行います。
  • 障害者雇用に関する調査研究: 障害者雇用に関する課題を調査研究し、効果的な施策の開発に役立てます。

最近の動向

近年、障害者雇用納付金制度は、以下の点において見直しが行われています。

  • 罰則の強化: 法定雇用率を達成していない事業主に対する罰則を強化することで、障害者雇用の促進を図っています。
  • 支援金の拡充: 障害者を積極的に雇用している事業主に対して、支援金を拡充することで、障害者雇用の定着を促進しています。
  • 就職情報の提供: 障害者求職者に対して、求人情報の提供や就職面接の対策指導など、就職活動の支援を行っています。

障害者雇用納付金制度の課題

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用の促進に一定の効果を上げていますが、以下のような課題も指摘されています。

  • 納付金だけでは十分な効果が期待できない: 納付金のみでは、事業主の障害者雇用に対する意識が向上しないという課題があります。
  • 障害者雇用の担い手の不足: 障害者を雇用したいという事業主が増えても、雇用できる障害者の人数が不足しているという課題があります。
  • 障害者の能力や特性に配慮した職場環境の整備: 障害者が働きやすい職場環境を整備することが課題となっています。

今後の展望

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用の促進を図るために重要な役割を果たしていますが、課題を克服するために、更なる制度の見直しや施策の充実が求められています。

参考情報

まとめ

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用の促進を図るために重要な制度ですが、課題も存在します。制度の見直しや施策の充実により、障害者が働きやすい社会を実現していくことが重要です。

 

障害者雇用率:詳細解説と最新情報

概要

障害者雇用率は、事業主に雇用されている障害者の割合です。障害者雇用促進法に基づき、事業主に対して障害者の雇用義務が課されており、法定雇用率を達成していない事業主は、障害者雇用納付金を納付する必要があります。

法定雇用率の対象事業主

  • 常用労働者数が50人以上の民間事業主: すべての民間事業主が対象となります。
  • 常用労働者数が48人以上の特殊法人: 独立行政法人、大学法人、公益法人などが対象となります。
  • 国及び地方公共団体: すべての国及び地方公共団体が対象となります。

法定雇用率

法定雇用率は、事業主の規模や業種によって異なり、2.2%から3.5%まで設定されています。具体的には、以下の表の通りです。

規模 業種 法定雇用率
50人以上~100人未満 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 2.3%
100人以上~300人未満 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 2.5%
300人以上~1000人未満 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 2.8%
1000人以上~5000人未満 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 3.0%
5000人以上~1万人未満 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 3.2%
1万人以上 製造業、卸売業・小売業、サービス業、その他 3.5%

法定雇用率の達成方法

法定雇用率を達成するには、以下の3つの方法があります。

  • 障害者を直接雇用する: 障害者を直接雇用することで、法定雇用率を達成することができます。
  • 特例子会社を利用する: 特例子会社は、障害者の雇用促進を目的とした企業です。特例子会社に障害者を雇用することで、法定雇用率を算定することができます。
  • 障害者雇用支援事業を利用する: 障害者雇用支援事業は、障害者の雇用を促進するための事業です。障害者雇用支援事業を利用することで、障害者を雇用したり、障害者雇用の円滑化のための支援を受けたりすることができます。

最新情報

近年、障害者雇用率の向上に向け、政府は様々な取り組みを行っています。

  • 法定雇用率の段階的な引き上げ: 2024年度から法定雇用率が段階的に引き上げられ、2026年度には3.0%となる予定です。
  • 障害者雇用支援金の拡充: 障害者を積極的に雇用している事業主に対して、障害者雇用支援金を拡充しています。
  • 障害者求職者に対する就職支援の強化: 障害者求職者に対して、求人情報の提供や就職面接の対策指導など、就職活動の支援を行っています。

課題

障害者雇用率の向上には、以下のような課題があります。

  • 障害者雇用の担い手の不足: 障害者を雇用したいという事業主が増えても、雇用できる障害者の人数が不足しているという課題があります。
  • 障害者の能力や特性に配慮した職場環境の整備: 障害者が働きやすい職場環境を整備することが課題となっています。
  • 事業主に対する理解と協力の促進: 事業主に対する障害者雇用に関する理解と協力を促進することが課題となっています。

今後の展望

政府は、障害者雇用率の目標達成に向け、様々な取り組みを進めています。しかし、課題を克服するためには、事業主、障害者、行政が一体となって取り組んでいくことが重要です。

参考情報

 

障害者雇用率の算定方法

障害者雇用率は、以下の式で算出されます。

障害者雇用率 = (障害者雇用者数 / 常用労働者数) × 100
  • 障害者雇用者数: 事業主に雇用されている障害者の数
  • 常用労働者数: 事業主に雇用されている労働者数(障害者を除く)

特例措置

  • 短時間労働者: 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の短時間労働者は、1人につき0.5人として算定されます。
  • 精神障害者・重度身体障害者・重度知的障害者: 2024年4月からは、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者は、1人につき1人として算定されます。

障害者雇用状況の届出

事業主は、毎年11月1日時点で雇用している障害者の状況を、厚生労働大臣に届け出なければなりません。

罰則

法定雇用率を達成していない事業主は、障害者雇用納付金を納付する必要があります。また、悪質な場合は、公表措置や業務停止命令などの行政処分を受けることもあります。

障害者雇用に関する支援制度

障害者雇用を促進するために、政府は様々な支援制度を設けています。

  • 障害者雇用支援金: 障害者を積極的に雇用している事業主に対して、助成金を支給します。
  • 障害者雇用相談窓口: 障害者雇用に関する相談を受け付けています。
  • 障害者雇用セミナー: 障害者雇用に関するセミナーを開催しています。

障害者雇用に関する情報収集

障害者雇用に関する情報は、以下の機関から収集することができます。

  • 厚生労働省
  • 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • 一般社団法人 日本障害者雇用促進協会

障害者雇用成功事例

障害者雇用を成功させている企業の事例は、厚生労働省や独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構のウェブサイトなどで紹介されています。

障害者雇用の重要性

障害者雇用は、障害者の社会参加を促進し、共生社会の実現に貢献します。また、企業にとっても、人材確保や企業イメージの向上などのメリットがあります。

まとめ

障害者雇用率は、障害者雇用の促進を図るための重要な指標です。法定雇用率を達成するために、事業主は積極的に障害者を雇用することが重要です。政府も様々な支援制度を設けており、障害者雇用を推進しています。

その他

  • 障害者雇用は、企業の社会的責任 (CSR) の観点からも重要です。
  • 障害者雇用に関する情報は、インターネットや書籍などで入手することができます。
  • 障害者雇用に関する疑問や悩みがあれば、障害者雇用相談窓口などに相談することができます。

障害者雇用を成功させるためのヒント:詳細解説と実践例

1. 障害者に対する理解と認識を深める

研修や勉強会の実施

  • 事業主や管理職向けに、障害者に関する基礎知識や理解を深める研修や勉強会を実施します。
  • 障害者雇用の担当者向けに、障害者の特性やニーズに合わせたサポート方法やコミュニケーション方法に関する研修を実施します。
  • 従業員向けに、障害者への接し方や理解を深めるための講演会やワークショップを実施します。

実践例

  • 障がい者団体や専門家を講師に招き、障がい者に関する講演会を開催します。
  • 障がい者雇用経験のある企業の担当者を招き、障がい者雇用の成功事例を共有する勉強会を開催します。
  • 障がい者と従業員が交流する機会を設け、相互理解を深める取り組みを行います。

2. 障害者の能力や特性に合わせた仕事内容を設計する

ジョブマッチングの強化

  • 障害者の能力や特性を把握し、適切な仕事にマッチングするジョブマッチングシステムを導入します。
  • 障害者の個々のニーズに合わせた仕事内容の設計を行います。
  • 障害者が能力を発揮できるよう、OJTやキャリアパスなどの支援体制を整備します。

実践例

  • 障がい者求職者に対して、適性検査や面接を実施し、能力や特性を把握します。
  • 障がい者と面談を行い、希望する仕事内容やキャリアプランについて話し合います。
  • 障がい者が仕事にスムーズに慣れるよう、メンター制度やフォローアップ体制を設けます。

3. 職場環境を整備する

バリアフリー化の推進

  • 昇降機や手すりなどの設備を整備し、物理的なバリアを解消します。
  • 情報伝達手段を多様化し、視覚障害者や聴覚障害者も情報にアクセスできるようにします。
  • 職場環境を快適にするための設備や備品を整備します。

実践例

  • 職場全体のバリアフリー化調査を行い、改善点を見つけます。
  • 障がい者自身が職場環境について意見を述べられる機会を設けます。
  • 障がい者向けの休憩スペースや福利厚生施設を整備します。

4. 障害者とのコミュニケーションを円滑にする

コミュニケーション方法の多様化

  • 手話や文字通訳などのサポートを提供し、視覚障害者や聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にします。
  • 簡単な日本語や絵と言葉を組み合わせたコミュニケーション方法を導入します。
  • 障がい者とのコミュニケーションに関する研修を実施します。

実践例

  • 手話や文字通訳の資格を持った従業員を雇用します。
  • 障がい者とのコミュニケーションに関するマニュアルを作成します。
  • 障がい者と従業員が交流する機会を設け、コミュニケーションを深める取り組みを行います。

5. 障害者雇用の担当者を任命する

専門知識を持つ担当者の配置

  • 障害者雇用に関する専門知識を持つ担当者を任命します。
  • 障害者雇用の担当者向けに、研修や勉強会を実施します。
  • 障害者雇用の担当者が他の部署と連携しやすい体制を整備します。

実践例

  • 障害者雇用に関する専門資格を持つ担当者を任命します。
  • 障害者雇用に関する部署を独立させ、専門性の高い体制を構築します。
  • 障害者雇用の担当者が経営層に定期的に報告し、理解を得られるようにします。

6. 障害者雇用に関する情報収集を積極的に行う

最新動向や成功事例の把握

  • 厚生労働省や独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構などのウェブサイトから、最新動向や成功事例に関する情報を収集します。
  • 障害者雇用に関する書籍や雑誌を読みます。
  • 障害者雇用に関するセミナーや講演会に参加します。

実践例

  • 障害者雇用に関する情報収集を定期的に行い、最新情報を常に把握します。
  • 障害者雇用に関する情報共有の場を設け、従業員間で情報交換を行います。
  • 障害者雇用の成功事例を参考に、自社の取り組みを改善します。

7. その他のヒント

  • 障害者団体や専門機関と連携し、支援を受ける。
  • 障害者雇用に関する外部研修やセミナーに参加する。
 

障害者差別解消法:詳細解説と最新情報

概要

障害者差別解消法は、障害を理由とする差別を禁止し、障害者の人権を保護、社会参加を促進することを目的とした法律です。2013年に制定され、2016年に施行されました。

主な内容

障害者差別解消法は、以下の3つの柱で構成されています。

  • 障害者に対する差別を禁止: 障害を理由とする不当な差別を禁止します。
  • 合理的な配慮の提供義務: 事業者に対して、障害者に対して必要な配慮を提供することを義務付けます。
  • 差別解消措置の請求: 障害者が差別を受けたと感じる場合、関係機関に差別解消措置の請求をすることができます。

1. 障害者に対する差別を禁止

障害者差別解消法は、以下の5つの類型における障害者に対する差別を禁止しています。

  • 直接差別: 障害を理由に、他の者と異なる取り扱いをすること。
  • 間接差別: 形式上は誰にとっても同じように見える規則や基準が、実質的に障害者に対して不利益を与えること。
  • 合理的配慮の不提供: 障害者に対して必要な配慮を提供しないこと。
  • 差別的発言: 障害者に対する差別的な発言をすること。
  • 差別的取扱い: 障害者に対する差別的な取扱いをすること。

2. 合理的な配慮の提供義務

障害者差別解消法は、事業者に対して、障害者に対して必要な配慮を提供することを義務付けています。合理的な配慮とは、障害者があらゆる場面で、他の者と平等に機会を得られるようにするために必要な配慮を指します。

具体的には、以下のような配慮が考えられます。

  • 車椅子利用者向けの段差解消: スロープやエレベーターの設置
  • 視覚障害者向けの点字表示: 施設や設備における点字表示の設置
  • 聴覚障害者向けの補聴器用ループ: 施設や設備における補聴器用ループの設置
  • 発達障害者向けの配慮: 騒音や光の刺激を軽減する環境の整備
  • 精神障害者向けの配慮: 緊急時の対応マニュアルの作成

3. 差別解消措置の請求

障害者が差別を受けたと感じる場合、関係機関に差別解消措置の請求をすることができます。関係機関は以下の通りです。

  • 都道府県知事
  • 指定都市市長
  • 一般社団法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

差別解消措置の請求を受けた関係機関は、調査を行い、必要に応じて勧告や命令を行うことができます。

改正

障害者差別解消法は、2021年に改正され、以下の点が変更されました。

  • 合理的な配慮の提供義務の努力義務から義務化: 2024年4月1日から、事業者に対する合理的配慮の提供義務が努力義務から義務化されます。
  • 差別解消措置手続の強化: 差別解消措置手続が強化され、調査期間や勧告・命令の内容などが明確化されました。
  • 罰則の強化: 差別を行った者に対して、罰則が強化されました。

課題

障害者差別解消法の施行により、障害者に対する差別が減少している一方で、以下のような課題も指摘されています。

  • 合理的配慮の提供に関する理解の不足: 事業者の中には、合理的配慮の提供に関する理解が不足しており、必要な配慮を提供できていないケースがあります。
  • 差別解消措置手続の複雑さ: 差別解消措置手続が複雑で、時間がかかるという声があります。
  • 制度の周知不足: 障害者差別解消法の制度が十分に周知されていないという声があります。

今後の展望

政府は、障害者差別解消法の改正や周知啓発活動などを通じて、障害者差別を解消し、障害者が社会参加を促進できる環境づくりを進めていく予定です。

 

合理的な配慮:詳細解説と実践例

概要

合理的配慮とは、障害者が職場において能力を最大限に発揮できるよう、事業主が講じる必要がある配慮のことを指します。障害者差別解消法に基づき、2014年から義務化されました。

目的

合理的配慮は、障害者に対する差別を解消し、障害者が社会参加を促進することを目的としています。具体的には、以下の効果が期待できます。

  • 障害者の能力発揮の促進: 合理的な配慮を受けることで、障害者が職場において能力を最大限に発揮できるようになり、離職率の低下や生産性の向上につながります。
  • 障害者雇用の促進: 合理的な配慮の提供は、障害者雇用の促進にもつながります。
  • 多様性のある職場環境の構築: 合理的な配慮の提供は、障害者だけでなく、すべての従業員にとって働きやすい職場環境の構築にもつながります。

具体的な配慮例

合理的配慮は、障害者の障害の種類や程度、能力、事業主の負担、社会通念などを考慮して、個別に行う必要があります。以下は、具体的な配慮例です。

  • 職務内容の調整: 障害者の能力や特性に合わせた職務内容に調整する。
  • 勤務時間の調整: 障害者の体調や通院に合わせて、勤務時間を調整する。
  • 職場環境の整備: バリアフリー化や補助器具の提供など、障害者が働きやすい職場環境を整備する。
  • 情報提供の工夫: 資料を点字や音声に変換するなど、障害者が情報にアクセスしやすいように工夫する。
  • コミュニケーションの工夫: 手話や文字通訳の提供など、障害者とのコミュニケーションを円滑にする工夫をする。

合理的配慮の判断基準

合理的配慮の判断基準は以下の通りです。

  • 障害者の障害の種類及び程度: 障害の種類や程度によって、必要な配慮は異なります。
  • 障害者の能力: 障害者の能力を考慮した配慮が必要となります。
  • 事業主の負担: 事業主が負担できる範囲内で配慮を行う必要があります。
  • 社会通念: 社会通念上妥当な範囲内で配慮を行う必要があります。

合理的配慮の提供手順

合理的配慮を提供する際には、以下の手順を踏むことが望ましいです。

  1. 障害者との面談: 障害者と面談を行い、必要な配慮について話し合います。
  2. 配慮内容の検討: 障害者との面談の内容を踏まえ、事業主が提供できる配慮内容を検討します。
  3. 配慮内容の決定: 障害者と事業主が合意した上で、配慮内容を決定します。
  4. 配慮の実施: 決定した配慮内容を実施します。
  5. 効果測定: 定期的に配慮の効果を測定し、必要に応じて見直しを行います。

合理的配慮に関する支援制度

合理的配慮に関する支援制度として、以下のものがあります。

  • 障害者雇用支援金: 合理的な配慮を提供するために必要な経費の一部を助成する制度です。
  • 障害者雇用相談窓口: 合理的な配慮に関する相談を受け付けています。
  • 障害者雇用セミナー: 合理的な配慮に関するセミナーを開催しています。

合理的配慮に関する情報収集

合理的配慮に関する情報は、以下の機関から収集することができます。

  • 厚生労働省
  • 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • 一般社団法人 日本障害者雇用促進協会

まとめ

合理的配慮は、障害者に対する差別を解消し、障害者が社会参加を促進するために重要な制度です。事業主は、障害者一人ひとりのニーズに合わせた合理的配慮を提供することで、障害者が能力を最大限に発揮できる職場環境を構築することが求められています。

参考情報

その他

  • 合理的な配慮は、障害者だけでなく、高齢者や妊娠・出産した女性など、さまざまな人々にも適用される可能性があります。
  • 合理的な配慮に関する情報は、インターネットや書籍などで入手することができます。

職業能力評価:詳細解説と最新情報

概要

職業能力評価は、障害者の職業能力を客観的に評価するための制度です。2004年に施行された障害者職業能力開発促進法に基づき、実施されています。職業能力評価を受けることで、障害者は自身の能力を客観的に把握することができ、適切な職業訓練や就職あっせんを受けることができます。

目的

職業能力評価の目的は以下の通りです。

  • 障害者の職業能力の客観的な評価: 障害者の職業能力を客観的に評価することで、自身の強みや弱みを把握することができます。
  • 適切な職業訓練や就職あっせんの促進: 障害者の職業能力を評価結果に基づいて、適切な職業訓練や就職あっせんを受けることができます。
  • 障害者の社会参加の促進: 障害者が自身の能力を活かして社会参加できるよう、支援します。

対象者

職業能力評価は、以下の者に対して実施されます。

  • 15歳以上65歳未満の障害者
  • 障害を理由に雇用される機会が著しく少ない状況にある者

主な評価方法

職業能力評価は、以下の方法で行われます。

  • 技能試験: 実際に仕事を行う中で必要な技能を評価します。
  • 適性検査: 仕事に必要な知識や能力を評価します。
  • 面接: 障害者の意欲や適性などを評価します。

評価結果の活用

職業能力評価の結果は、以下の目的に活用されます。

  • 職業訓練の受講: 障害者は、評価結果に基づいて、適切な職業訓練を受けることができます。
  • 就職あっせん: 障害者は、評価結果に基づいて、適切な求人に応募することができます。
  • 障害年金の等級判定: 障害年金の等級判定において、参考資料として活用されます。

実施機関

職業能力評価は、以下の機関によって実施されます。

  • 都道府県知事
  • 指定都市市長
  • 一般社団法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

費用

職業能力評価は、原則として無料で行われます。ただし、一部の試験については、受験料が必要となる場合があります。

最新情報

近年、職業能力評価制度の利用促進に向け、政府は様々な取り組みを行っています。

  • 評価項目の拡充: 従来の技能試験に加え、適性検査や面接などの評価項目を拡充しています。
  • 評価機関の増加: 職業能力評価を実施する機関を増やしています。
  • 情報提供の強化: 職業能力評価に関する情報を広く提供しています。

課題

職業能力評価制度の利用促進には、以下のような課題があります。

  • 制度の認知度不足: 職業能力評価制度の認知度が十分に高くないという課題があります。
  • 評価員の不足: 職業能力評価を実施する評価員が不足しているという課題があります。
  • 評価結果の活用不足: 職業能力評価の結果が十分に活用されていないという課題があります。

今後の展望

政府は、職業能力評価制度の利用促進に向け、課題解決に取り組んでいく予定です。具体的には、以下の取り組みを進めています。

  • 制度の周知啓発: 職業能力評価制度に関する情報を広く提供し、認知度を高めていく。
  • 評価員の養成: 職業能力評価を実施する評価員の養成を強化していく。
  • 評価結果の活用促進: 職業能力評価の結果が、職業訓練や就職あっせんなどに活用されるよう、制度の整備を進めていく。

障害者職業能力開発:詳細解説と最新情報

概要

障害者職業能力開発は、障害者が職業能力を習得するための訓練です。障害者のニーズに合わせた訓練を提供することで、障害者の自立と社会参加を促進することができます。障害者職業能力開発法に基づき、実施されています。

目的

障害者職業能力開発の目的は以下の通りです。

  • 障害者の職業能力の向上: 障害者が、仕事に必要な知識や技能を習得することができます。
  • 障害者の就職の促進: 障害者が、自身の能力を活かして就職することができます。
  • 障害者の自立と社会参加の促進: 障害者が、社会の一員として自立して生活することができます。

対象者

障害者職業能力開発は、以下の者に対して実施されます。

  • 15歳以上65歳未満の障害者
  • 障害を理由に雇用される機会が著しく少ない状況にある者

主な訓練内容

障害者職業能力開発は、以下の内容を含む訓練を実施します。

  • 職業訓練: 具体的な仕事に必要な知識や技能を習得する訓練です。
  • 就職訓練: 就職活動に必要な知識やスキルを習得する訓練です。
  • 生活訓練: 日常生活に必要な知識や技能を習得する訓練です。

訓練方法

障害者職業能力開発は、以下の方法で行われます。

  • 施設訓練: 訓練施設に通って訓練を受ける方法です。
  • 訪問訓練: 障害者の自宅等に出向いて訓練を行う方法です。
  • 個別訓練: 障害者の個々のニーズに合わせた訓練を行う方法です。
  • グループ訓練: 複数の障害者が一緒に訓練を行う方法です。

訓練期間

訓練期間は、訓練内容や障害者のニーズによって異なりますが、一般的には3ヶ月から2年程度です。

費用

障害者職業能力開発は、原則として無料で行われます。ただし、教材費や食費等の一部費用は、自己負担となる場合があります。

実施機関

障害者職業能力開発は、以下の機関によって実施されます。

  • 都道府県知事
  • 指定都市市長
  • 一般社団法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • 障害者福祉事業所

最新情報

近年、障害者職業能力開発の充実に向け、政府は様々な取り組みを行っています。

  • 訓練内容の多様化: 障害者のニーズに合わせた、より多様な訓練内容を提供しています。
  • 訓練期間の延長: 訓練期間を延長し、より質の高い訓練を提供できるようにしています。
  • 訓練後の就職支援の強化: 訓練後の就職支援を強化し、障害者の就職率向上を目指しています。

課題

障害者職業能力開発の充実には、以下のような課題があります。

  • 訓練施設の不足: 訓練施設が不足しており、希望者が訓練を受けられない場合があります。
  • 訓練内容の質のばらつき: 訓練内容の質が機関によってばらつきがあるという課題があります。
  • 訓練後の就職支援の不足: 訓練後の就職支援が十分に行われていないという課題があります。

今後の展望

政府は、障害者職業能力開発の充実に向け、課題解決に取り組んでいく予定です。具体的には、以下の取り組みを進めています。

  • 訓練施設の整備: 訓練施設を整備し、より多くの人が訓練を受けられるようにする。
  • 訓練内容の質の向上: 訓練内容の質を向上させ、より効果的な訓練を提供できるようにする。
  • 訓練後の就職支援の強化: 訓練後の就職支援を強化し、障害者の就職率向上を目指す。

 

 

障害者雇用納付金:詳細解説と最新情報

概要

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用率を達成していない事業主から納付される金銭です。納付された金銭は、障害者の雇用促進のための施策に充てられます。

目的

障害者雇用納付金制度の目的は以下の通りです。

  • 障害者雇用率の向上: 障害者雇用納付金制度を通じて、障害者雇用率の向上を促進します。
  • 障害者雇用の円滑化: 障害者雇用納付金制度を通じて、障害者雇用の円滑化を図ります。
  • 障害者の社会参加の促進: 障害者雇用納付金制度を通じて、障害者の社会参加を促進します。

対象事業主

障害者雇用納付金制度の対象となる事業主は以下の通りです。

  • 常用雇用労働者の数が100人超の事業主
  • 法定雇用率を達成していない事業主

納付金の算定方法

障害者雇用納付金は、以下の式に基づいて算定されます。

納付金 = (法定雇用率 – 実績雇用率) × 常用雇用労働者数 × 50,000円

  • 法定雇用率: 事業主の規模や業種によって異なり、2.2%から3.5%まで設定されています。
  • 実績雇用率: 事業主に雇用されている障害者の割合です。
  • 常用雇用労働者数: 事業主に雇用されている常用雇用労働者の数です。

納付金の納付時期

障害者雇用納付金は、毎年4月1日から5月31日までの間に納付する必要があります。

納付金の使途

納付金は、障害者の雇用促進のための施策に充てられます。具体的には、以下のような施策が実施されています。

  • 障害者求職者に対する職業指導や就職あっせん: 障害者求職者に対して、職業指導や就職あっせんを行い、就職を促進します。
  • 障害者雇用の円滑化のための啓発活動: 事業主や一般市民に対して、障害者雇用の重要性やメリットを啓発する活動を行います。
  • 障害者雇用に関する調査研究: 障害者雇用に関する調査研究を行い、障害者雇用の促進に役立てます。

免除制度

一定の条件を満たす事業主は、障害者雇用納付金の納付が免除されます。具体的には、以下のような場合が免除されます。

  • 障害者雇用率が法定雇用率を達成している場合
  • 障害者雇用特別措置法に基づく特例雇用枠を設けている場合
  • 一定の規模以下の事業主の場合

障害者雇用納付金制度の今後の課題

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用率の向上に一定の効果を上げていますが、以下のような課題も指摘されています。

  • 納付金の額が低い: 納付金の額が低いため、事業主の負担が軽微であり、障害者雇用促進の効果が十分ではないという声があります。
  • 免除制度が複雑: 免除制度が複雑で、事業主が理解しにくいという声があります。
  • 障害者雇用の意識改革が必要: 障害者雇用納付金制度だけに頼らず、事業主や一般市民の障害者雇用に対する意識改革が必要だという声があります。

障害者の雇用の促進等に関する法律用語集:詳細解説

1. 障害者雇用納付金制度

概要

障害者雇用納付金制度は、障害者雇用促進法に基づき、障害者雇用率を達成していない事業主から納付される金銭制度です。納付された金銭は、障害者の雇用促進のための施策に充てられます。

目的

  • 障害者雇用率の向上
  • 障害者雇用の円滑化
  • 障害者の社会参加の促進

対象事業主

  • 常用雇用労働者の数が100人超の事業主
  • 法定雇用率を達成していない事業主

納付金の算定方法

納付金は、以下の式に基づいて算定されます。

納付金 = (法定雇用率 – 実績雇用率) × 常用雇用労働者数 × 50,000円

  • 法定雇用率: 事業主の規模や業種によって異なり、2.2%から3.5%まで設定されています。
  • 実績雇用率: 事業主に雇用されている障害者の割合です。
  • 常用雇用労働者数: 事業主に雇用されている常用雇用労働者の数です。

納付金の納付時期

毎年4月1日から5月31日までの間に納付する必要があります。

納付金の使途

  • 障害者求職者に対する職業指導や就職あっせん
  • 障害者雇用の円滑化のための啓発活動
  • 障害者雇用に関する調査研究

免除制度

一定の条件を満たす事業主は、納付金の納付が免除されます。

  • 法定雇用率を達成している場合
  • 障害者雇用特別措置法に基づく特例雇用枠を設けている場合
  • 一定の規模以下の事業主の場合

課題

  • 納付金の額が低い
  • 免除制度が複雑
  • 障害者雇用に対する意識改革が必要

参考情報

2. 障害者雇用率

概要

障害者雇用率は、事業主に雇用されている障害者の割合です。法定雇用率は、事業主の規模や業種によって異なり、2.2%から3.5%まで設定されています。

算定方法

障害者雇用率は、以下の式に基づいて算定されます。

障害者雇用率 = (障害者雇用労働者数 / 常用雇用労働者数) × 100

  • 障害者雇用労働者数: 事業主に雇用されている障害者の数です。
  • 常用雇用労働者数: 事業主に雇用されている常用雇用労働者の数です。

法定雇用率

法定雇用率は、事業主の規模や業種によって異なり、以下の表の通りです。

事業主の規模 業種 法定雇用率
常用雇用労働者数が100人以上 全ての業種 2.2%
常用雇用労働者数が500人以上 製造業、建設業、卸売・小売業、金融・保険業、情報通信業 2.3%
常用雇用労働者数が1,000人以上 製造業、建設業、卸売・小売業、金融・保険業、情報通信業 2.5%
特殊法人 全ての業種 2.5%

3. 障害者差別解消法

概要

障害者差別解消法は、障害を理由とする差別を禁止する法律です。2013年に制定され、2016年に施行されました。

目的

  • 障害者の人権を保護し、社会参加を促進すること

主な内容

  • 不当な差別禁止:障害を理由とする不当な差別を禁止します。
  • 合理的配慮の義務:事業主等に対して、障害者が職場において能力を最大限に発揮できるよう、合理的な配慮を行うことを義務付けます。
  • 差別解消措置:障害者差別解消推進法に基づき、障害者差別解消機構が、障害者からの差別に関する相談を受け付け、調査及びあっせんを行います。
  • 障害者差別解消のための啓発活動:障害者差別解消法の趣旨を広く理解してもらうために、啓発活動を行います。

4. 合理的な配慮

概要

合理的な配慮とは、障害者が職場において能力を最大限に発揮できるよう、事業主が講じる必要がある配慮のことを指します。障害者差別解消法に基づき、2014年から義務化されました。

目的

  • 障害者に対する差別を解消し、障害者が社会参加を促進すること

具体的な配慮例

  • 職務内容の調整: 障害者の能力や特性に合わせた職務内容に調整する。
  • 勤務時間の調整: 障害者の体調や通院に合わせて、勤務時間を調整する。
  • 職場環境の整備: バリアフリー化や補助器具の提供など、障害者が働きやすい職場環境を整備する。
  • 情報提供の工夫: 資料を点字や音声に変換するなど、障害者が情報にアクセスしやすいように工夫する。
  • コミュニケーションの工夫: 手話や文字通訳の提供など、障害者とのコミュニケーションを円滑にする工夫をする。

合理的配慮の判断基準

合理的配慮の判断基準は以下の通りです。

  • 障害者の障害の種類及び程度
  • 障害者の能力
  • 事業主の負担
  • 社会通念

5. 職業能力評価

概要

職業能力評価は、障害者の職業能力を客観的に評価するための制度です。2004年に施行された障害者職業能力開発促進法に基づき、実施されています。職業能力評価を受けることで、障害者は自身の能力を客観的に把握することができ、適切な職業訓練や就職あっせんを受けることができます。

目的

  • 障害者の職業能力の客観的な評価
  • 適切な職業訓練や就職あっせんの促進
  • 障害者の社会参加の促進

対象者

15歳以上65歳未満の障害者

主な評価方法

  • 技能試験
  • 適性検査
  • 面接

評価結果の活用

  • 職業訓練の受講
  • 就職あっせん
  • 障害年金の等級判定

実施機関

  • 都道府県知事
  • 指定都市市長
  • 一般社団法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

費用

原則として無料

最新情報

近年、職業能力評価制度の利用促進に向け、政府は様々な取り組みを行っています。

  • 評価項目の拡充
  • 評価機関の増加
  • 情報提供の強化

課題

  • 制度の認知度不足
  • 評価員の不足
  • 評価結果の活用不足

今後の展望

政府は、職業能力評価制度の利用促進に向け、課題解決に取り組んでいく予定です。

6. 障害者職業能力開発

概要

障害者職業能力開発は、障害者が職業能力を習得するための訓練です。障害者のニーズに合わせた訓練を提供することで、障害者の自立と社会参加を促進することができます。障害者職業能力開発法に基づき、実施されています。

目的

  • 障害者の職業能力の向上
  • 障害者の就職の促進
  • 障害者の自立と社会参加の促進

対象者

15歳以上65歳未満の障害者

主な訓練内容

  • 職業訓練
  • 就職訓練
  • 生活訓練

訓練方法

  • 施設訓練
  • 訪問訓練
  • 個別訓練
  • グループ訓練

訓練期間

3ヶ月から2年程度

費用

原則として無料

実施機関

  • 都道府県知事
  • 指定都市市長
  • 一般社団法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
  • 障害者福祉事業所

最新情報

近年、障害者職業能力開発の充実に向け、政府は様々な取り組みを行っています。

  • 訓練内容の多様化
  • 訓練期間の延長
  • 訓練後の就職支援の強化

障がい者雇用のよくある質問

Q
障害者雇用でいくら稼げるのか?
A
  身体障害 知的障害
平均賃金 215,000円 117,000円
30時間以上労働 248,000円 137,000円
20時間~30時間労働 86,000円 82,000円
20時間未満労働 67,000円 51,000円

上記が平均的な給与です。

こちらも参考に:アリピプラゾール(エビリファイ)の効果と副作用

参考:発達障害者支援センターとは?

Q
障がい者を雇用するメリットは?
A

障がい者雇用は、企業にとって法的な義務だけでなく、多くのメリットをもたらします。 具体的には、社会的責任の履行によってブランドイメージが向上し、多様性のある職場環境を構築することで人材不足への対策が可能となり、業務フローの見直しにより業務効率が向上します。また、税制優遇や助成金の受給といった金銭的なサポートも得られるでしょう。

参考:ハローワーク(公共職業安定所)とは?

参考:ジョブコーチとは?

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