アカシジア(Akathisia)は、神経系の障害に関連する症状の一つで、主に不快な身体的感覚と運動の欲求不満を伴うことが特徴です。この症状は、特定の薬物の副作用、特に抗精神病薬(抗精神病薬性アカシジア)の使用に関連していることが多いですが、アカシジアは他の薬物や疾患にも関連することがあります。
以下に、アカシジアについての詳細を説明します。
1. 症状と特徴
アカシジアの主な症状と特徴は次のとおりです。
- 不快な身体的感覚: 患者は、脚や腕などの身体部位に不快な感覚を経験します。これはしばしば「ウズウズ感」、「はらむ感じ」、「もがく感じ」などと表現されます。
- 運動の欲求不満: アカシジアの患者は、座っていることや静止していることが難しく、しばしば歩き回ったり、足を絶えず動かしたりします。これは運動の欲求不満から生じるもので、症状を和らげるために活動的な動きを試みることがあります。
- 焦燥感: 患者は非常に不安や焦燥感を感じ、この感覚を和らげるために不安定な行動を示すことがあります。
2. 原因
アカシジアは、神経伝達物質の不均衡や特定の薬物の影響に関連して発生することが多いです。主な原因には以下が含まれます。
- 抗精神病薬: 抗精神病薬、特に第一世代の抗精神病薬(古典的抗精神病薬)の使用が、アカシジアを引き起こすことがあります。
- 抗不安薬: 一部の抗不安薬や抗うつ薬も、アカシジアの症状を誘発する可能性があります。
- 脳障害: 脳の損傷や疾患、特にパーキンソン病などの神経疾患に関連していることがあります。
- 薬物乱用: 薬物の乱用や中毒症状の一部としてアカシジアが発生することがあります。
3. 治療
アカシジアの治療は、その原因や症状の程度によって異なります。一般的な治療オプションには以下が含まれます。
- 薬物療法: 抗精神病薬や抗不安薬の投与が、アカシジアの症状を緩和するために使用されることがあります。
- 薬物の見直し: アカシジアを引き起こす薬物の見直しや変更が必要な場合があります。医師は、適切な治療方針を決定するために患者の症状と状態を評価します。
- 支持的ケア: アカシジアの症状を和らげるために、安静な環境でのリラクゼーションや運動、カウンセリングなどが提供されることがあります。
アカシジアは、不快な症状を伴う神経系の障害であり、適切な治療が必要です。症状が現れた場合、医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
アカシジアのよくある質問
- Qアカシジア なぜ起こる?
- A
アカシジアの発生メカニズムは、かつては抗精神病薬などによって脳内のドパミンの働きが過度に遮断されることが一因だと考えられていました。しかし最近では、アカシジアは神経伝達物質であるノルアドレナリンの濃度増加によって引き起こされることが発見され、脳内の物質伝達が適切に行われないことによる可能性が指摘されています。
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- Qジスキネジアとは何ですか?
- A
ジスキネジアとは、自己で制御できないまたは止めても直ぐに現れる奇妙な動きを総称した用語です。他者から見ると、自ら無意識に動いているのか、それとも止められない状態なのかがわからないような動きを指します。さまざまな薬物の使用に伴って発生することがありますが、特に二つの状況で頻繁に起こることがあります。
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