社交不安障害とは、人前で注目されたり、評価されたりすることを極度に恐れ、不安や緊張を感じる精神疾患です。
具体的には、以下の症状が現れます。
- 人前に出ると、顔が赤くなったり、汗をかいたり、震えたりする。
- 人前で話すのが怖く、会話がうまくできない。
- 人前で何かをするときに、失敗したらどうしようという不安が強い。
- 人前に出ることを避けようとする。
社交不安障害は、10代から20代にかけて発症することが多いとされています。男女差はなく、どちらの性でも発症する可能性があります。
社交不安障害の原因は、完全には解明されていませんが、脳の神経伝達物質のバランスの乱れが関与していると考えられています。また、遺伝や幼少期の環境も、発症に影響を与えると考えられています。
社交不安障害の治療には、薬物療法と心理療法の併用が一般的です。薬物療法では、抗不安薬や抗うつ薬が用いられます。心理療法では、認知行動療法が効果的とされています。
認知行動療法では、以下の方法を用いて、社交不安障害の症状を改善します。
- 不安や恐怖の原因となる認知の歪みを修正する。
- 不安や恐怖に耐える訓練を行う。
- 社交的な場面への参加を徐々に増やしていく。
社交不安障害は、適切な治療を受けることで、症状を改善し、社会生活に支障なく生活できるようになる可能性があります。
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社交不安障害のよくある質問
- Q社交不安障害の人はどんな傾向がありますか?
- A
社交不安障害の人は、周囲からの評価を過度に気にする傾向にあります。そのため、人前で失敗したり、周囲から悪い評価を受けたりするのではないかという不安や恐怖に囚われてしまい、社交的な場面を避けるようになります。
認められたい欲求の原因
社交不安障害の人の認められたい欲求の原因は、大きく分けて以下の2つが考えられます。
- 自己肯定感の低さ
社交不安障害の人は、自己肯定感が低い傾向にあります。そのため、周囲からの評価を過度に気にすることで、自分の価値を確かめようとするのです。
- 過剰な完璧主義
社交不安障害の人は、完璧主義な傾向にあります。そのため、人前で失敗したり、周囲から悪い評価を受けたりするのではないかという不安を強く抱いてしまうのです。
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- Q社交不安障害を放っておくとどうなる?
- A
社交不安障害は、対人交流を学ぶ10代~20代で発症しやすいとされています。しかし、多くの人は病気であるという自覚がなく、自分の性格のせいだから治らないと思い込んでいます。
社交不安障害を放っておくと、以下のことに注意が必要です。
- うつ病や引きこもりと結びつき、日常生活により深刻な影響をもたらす可能性がある
- 仕事や勉強、人間関係に支障をきたす可能性がある
- 社会生活を送る上での自信を失う可能性がある
社交不安障害が疑われる場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。適切な治療を受けることで、症状を改善し、社会生活を送る上での支障を軽減することができます。
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