感情の鈍麻や意欲の低下は、精神的な不調や統合失調症などの状態によって引き起こされることがあります。感情の鈍麻は、物事や場面に対して適切な感情が湧きにくくなり、表情が乏しくなる傾向があります。さらに、他人の感情を理解することが難しくなることもあります。意欲の低下は、物事を始めたり続けようとする気力が失われる状態であり、このため日中も無為に過ごしたり、部屋が乱雑になったり、身なりや清潔の保持に構わなくなることがあります。
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感情平板化の概要
1. 原因
- 精神疾患
- 統合失調症:最も一般的な原因の一つ。陰性症状として、感情の平板化や意欲の低下が現れる。
- うつ病:無気力、興味・関心の喪失、悲しみなどの症状に加え、感情の平板化が現れることもある。
- 双極性障害:躁状態では感情が亢進し、抑うつ状態では感情が鈍る。
- 自閉症スペクトラム障害:ASDを持つ人は、感情表現や共感が苦手で、感情の平板化と見なされることがある。
- 脳の損傷
- 前頭前皮質や側頭葉の損傷:感情処理に関わる脳部位が損傷されると、感情の平板化が現れることがある。
- 脳卒中、頭部外傷、腫瘍などが原因となる。
- 薬物
- 抗精神薬:副作用として、感情の平板化が現れることがある。
- ベンゾジアゼピン系薬剤:長期間服用すると、感情の鈍化や無気力などの症状が現れることがある。
- その他
- 長期的なストレス
- 虐待やトラウマ
- 薬物乱用
2. 症状
- 感情表現の乏しさ
- 表情が乏しい
- 声のトーンが平坦
- 喜怒哀楽の表現が少ない
- 感情の理解・共感の困難
- 他人の感情を理解しにくい
- 共感しにくい
- 無気力・意欲低下
- 何をするにも億劫
- 活動性が低下
- 集中力が低下
- 社会的引きこもり
- 人との交流を避け、引きこもる
- その他
- 思考力の低下
- 言語障害
- 自傷行為
- 幻覚・妄想
3. 診断
- 精神科医による問診、診察
- 心理検査
- 脳画像検査
- 血液検査
4. 治療
- 原因療法
- 精神疾患の場合は、その治療を行う。
- 脳の損傷の場合は、原因となる疾患の治療を行う。
- 薬物による副作用の場合は、薬剤の変更や減量を行う。
- 対症療法
- 薬物療法:抗うつ薬、気分安定薬などが使用される。
- 心理療法:認知行動療法、対人関係療法などが有効な場合がある。
- 生活療法
- 規則正しい生活習慣を心がける
- 適度な運動をする
- バランスのとれた食事を摂る
- ストレスを溜めない
5. 関連情報
- 厚生労働省「統合失調症」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-071.html
- こころの健康情報センター「うつ病」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html
- 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター「双極性障害」https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease02.html
- 厚生労働省「発達障害情報・支援センター」https://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html
感情平板化のよくある質問
-
Q感情鈍麻と感情平板化の違いは?
-
A
感情平板化は、感情表現の豊かさが低下し、表情や感情の変化が乏しくなる状態を指します。これに対して、感情鈍麻は感情の振れ幅が少なくなり、周囲への関心や感情の表出が著しく減少する状態を表します。
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