傷病手当金支給申請書の書き方|書類用意と申請の流れ

傷病手当
  1. 傷病手当金とは ?
    1. 傷病手当金の支給条件
  2. 健康保険傷病手当金支給申請書とは  
    1. 傷病手当金の受給申請に必要な書類  
    2. 傷病手当金の待機期間と支給期間  
      1. 傷病手当金の受給額
  3. 傷病手当金の申請方法(被保険者)
    1. 手順1:勤務先に長期間休む必要があることを報告する  
    2. 手順2:待期期間を完成させる
    3. 手順3:傷病手当金支給申請書に記入し、必要な添付書類があれば手配する
    4. 手順4:書類を提出して申請する
  4. 傷病手当金の申請の流れ(雇用主用)
  5. 【記入例あり】健康保険傷病手当金支給申請書の書き方  
    1. 傷病手当金支給申請書「被保険者用」の書き方・記入例  
    2. 傷病手当金支給申請書「雇用主用」の書き方・記入例
    3. 傷病手当金支給申請書「医師記入欄」の書き方・記入例
  6. 傷病手当金の申請をするときの注意点  
    1. 請求から受け取りまでの期間
    2. 傷病手当金は請求期限がある
  7. 傷病手当金の支給が調整されるケース  
    1. 給与精算金が発生する場合がある
    2. 労災保険から休業補償給付を受けているケース  
    3. 出産手当金を受けているケース  
    4. 障害厚生年金または障害手当金を受けているケース  
    5. 傷病手当金を受給中に、別の傷病で傷病手当金を受けるケース
  8. 退職後も傷病手当金は支給されるの?  
    1. ケース1 在職中から引き続き受け取り続けられるケース  
    2. ケース2 退職後に申請して受け取り始めるケース
  9. 傷病手当金まとめ

傷病手当金とは ?

被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。傷病手当金の申請は、基本的に事業主が行います。労働者が傷病手当金の受給を希望した場合、適切に対応しなければなりません。次の3つの条件全てを満たした時に支給されます。

参考:傷病手当金について

傷病手当金の支給条件

① 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること。

② 仕事に就くことができないこと

③ 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

④ 休み中に給与の支払いがないこと

協会けんぽ https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

①〜④の全てを満たす状態でないと支給することは出来ません。

健康保険傷病手当金支給申請書とは  

健康保険傷病手当金支給申請書とは、傷病手当金の受給申請に必要な書類です。

社員から、就業ができない旨の報告があったら事業主が以下からダウンロードしましょう

健康保険傷病手当金支給申請書│全国健康保険協会

必要事項の記入を被保険者(社員)にお願いして加入する保険者(協会けんぽや組合健保)に申請します。

傷病手当金の受給申請に必要な書類  

申請に必要な書類は以下になります。

・健康保険傷病手当金支給申請書
・医師の意見書
・年金証書のコピー・年金額改定通知書のコピー(障害年金を受けている場合)
・休業補償給付支給決定通知書のコピー(労災の場合)

健康保険傷病手当金支給申請書 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124/

添付書類は以下になります

・負傷原因届(外傷の場合)
・第三者の行為による傷病届(交通事故などで、第三者行為が原因の場合)
・戸籍謄本又は戸籍抄本(被保険者死亡の場合)
・マイナンバーカード
※マイナンバーカードを持っていない場合は、住民票や住民票記載事項証明書、運転免許証・パスポートのコピーが必要です

傷病手当金の待機期間と支給期間  

療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いが無かったとしても待機期間としてカウントされます。傷病手当金の支給期間は最長1年6カ月です。なお、任意継続被保険者には支給されません。

傷病手当金の受給額

傷病手当金を受け取ったとして、その傷病手当金の支給額はいくらになるのか計算してみましょう。

1日あたりの支給額は、標準報酬日額の2/3です。

※標準報酬日額:社会保険料の計算をしやすくするために、被保険者(従業員)が得た給与などのひと月分の報酬を、一定の範囲ごとに区分したものをいいます

傷病手当金の申請方法(被保険者)

手順1:勤務先に長期間休む必要があることを報告する  

有給休暇と欠勤や休業の扱いについて人事担当に確認や相談を行います。

手順2:待期期間を完成させる

休日、祝日を含む3日間が待機期間となります。自身が持っている保険証に書かれている保険者(保険組合や協会けんぽ)などから取り寄せ、またはHPから「傷病手当金支給申請書」をダウンロードしておくとよいでしょう。

手順3:傷病手当金支給申請書に記入し、必要な添付書類があれば手配する

書類は ①自身で記入するもの と ②雇用主が記入するもの ③医師が記入するもの に分かれています。  

手順4:書類を提出して申請する

保険者が保険組合の場合:会社の担当部署に提出

保険者が協会けんぽの場合:加入している支部宛てに会社経由または本人が郵送

保険者が申請書類に基づいて審査を行い、問題がなければ支給されます。

傷病手当金の申請の流れ(雇用主用)

傷病手当金の申請は一般的に雇用主が行うことがほとんどです。以下の流れで申請を進めてください。

  1. 労働者から働けない旨の報告を受けたら傷病手当金支給申請書をダウンロード
  2. 被保険者が傷病手当金支給申請書の

【記入例あり】健康保険傷病手当金支給申請書の書き方  

健康保険傷病手当金支給申請書は4枚に分かれており、1~2枚目は被保険者、3枚目は雇用主、4枚目は医師が記載する決まりとなっています。

傷病手当金支給申請書「被保険者用」の書き方・記入例  

1枚目には、

・被保険者情報

・振込先指定口座

・受取代理人(被保険者が申請できない場合)

健康保険傷病手当金支給申請書(1枚目)│全国健康保険協会

を記入します。

2枚目には

・被保険者氏名

・申請内容(傷病名)、初診日、病気・ケガの選択、申請期間(療養で休んだ期間)、仕事内容

・確認事項(各質問項目を記入)

健康保険傷病手当金支給申請書(2枚目)│全国健康保険協会

を記入します。

傷病手当金支給申請書「雇用主用」の書き方・記入例

3枚目は雇用主が記述するページになります。

・被保険者名

・勤務状況賃金の支給有無

・給与の種類、賃金計算、支給した(する)賃金内訳

・事業主所在地や名称、雇用主名、電話番号、印

健康保険傷病手当金支給申請書(3枚目)│全国健康保険協会

傷病手当金支給申請書「医師記入欄」の書き方・記入例

4枚目は担当医師の記述欄になります。

・患者氏名

・傷病名、初診日(療養の給付開始年月日)、発病または負傷の年月日

・労務不能と認めた期間、うち入院期間発病または負傷の原因、療養費用別、転帰、診療実日数、主たる症状および経過、その他

・医療機関の所在地・名称、医師の氏名

健康保険傷病手当金支給申請書(4枚目)│全国健康保険協会

傷病手当金の申請をするときの注意点  

傷病手当を申請するにあたり注意しておいた方が良いことを挙げておきます。

請求から受け取りまでの期間

申請してから支給開始までは時間が掛かる事を知っておきましょう。保険者と勤務先にもよりますが、2週間〜3ヶ月程度は掛かるため、金銭に余裕を持たせておきましょう。

傷病手当金は請求期限がある

申請書の提出期限は待機期間初日から数えて2年間が期限となっています。その期間を超えると傷病手当金を受け取れる権利がなくなってしまうので気をつけてください。

傷病手当金の支給が調整されるケース  

給与精算金が発生する場合がある

「給与精算金」とは「払い過ぎた給与を戻してください」という意味になります。会社の給与が「当月払い」のシステムをとっていると「前払い」の意味になるので、働いていない日数分の金額を会社に返却する必要が出てきます。

例えば、月末締め・当月25日払いの会社の12月給与は、“12月31日”締めで“12月25日”に支給します。「締め」とは勤怠の締め日です。つまり12月1日〜12月31日までの勤務に対する給与を12月25日に支払うということになります。これが「前払い」です。

参考:給与精算金について

労災保険から休業補償給付を受けているケース  

傷病手当金の支給条件を満たしていても、別の原因で労災保険から休業補償給付を受けている場合は傷病手当金がもらえません。ただし、傷病手当金の日額のほうが多い場合は差額が支給対象になります。

出産手当金を受けているケース  

出産での休職中は国から出産手当金が支給されていますので、その期間中の傷病手当金の支給はありません。ただし、傷病手当金の日額のほうが多い場合は差額が支給対象になります。

障害厚生年金または障害手当金を受けているケース  

当事者の中には障害年金を受けていらっしゃる方もおられるでしょう。障害基礎年金の場合は問題ないですが、障害厚生年金または障害手当金を受けている場合、傷病手当金は支給されません。

ただし、所定の計算方法で傷病手当金の方が多い場合は差額が支給対象になります。

傷病手当金を受給中に、別の傷病で傷病手当金を受けるケース

それぞれの支給開始日により支給金額を計算して多い方のみが支払われます。

ただし、それぞれの傷病名が異なっていても関連性が認められる場合には、支給開始日が早い方の傷病手当金のみが支払われる仕組みです。

退職後も傷病手当金は支給されるの?  

みなさんとても気になるお話だと思います。退職して被保険者でなくなっても、所定の条件を満たせば受け取ることができますので、受け取れるケースを見て行きましょう。

ケース1 在職中から引き続き受け取り続けられるケース  

在職中に傷病手当金を受け取っていた場合:退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があれば、退職後も傷病手当金を受け取り続けられます。

※退職日に出勤すると要件を満たさなくなり、退職後の傷病手当金が受け取れなくなるため、出勤せずに退職するようにしましょう。

ケース2 退職後に申請して受け取り始めるケース

退職直前の就労不能になった場合:

以下の条件を全て満たす場合に該当する

・退職日の前日までに連続3日以上の労務不能期間がある

・退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある

・退職日に出勤していない

ケース1、2共に失業給付との併給はできません。失業給付は、就労不能の人では受けられないからです。

傷病手当金まとめ

読者の方には馴染みがあるであろう「傷病手当金」ですが、この支給を受けるには、自身で申請手続きを行う必要があります。従って、しっかりとその手続きを理解しておくことが大切です。

傷病手当金の支給額は、1日あたりの標準報酬日額の2/3となり、これまでの収入と比べると大幅に減少します。また、支給期間も最長で1年6か月までと限られていますので、この機会に障害年金の取得なども併せて考えてみるとよいでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました