非定型抗精神病薬の概要
この薬は、陽性症状に効果があり、錐体外路症状(手の震え、筋肉のこわばりなど)の副作用が少ないとされています。さらに、陰性症状(感情の鈍さ、思考の減少、意欲の低下など)に対する効果が一般的な抗精神病薬よりも高いとされています。また、認知機能障害にも効果が期待されています。
はじめに
この用語集は、統合失調症と診断され、非定型抗精神病薬を処方された患者さん向けに、専門用語を分かりやすく解説することを目的としています。治療についてより深く理解し、医師とのコミュニケーションを円滑にする一助となれば幸いです。
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非定型抗精神病薬 用語集
用語 | 説明 |
---|---|
陽性症状 | 幻覚や妄想など、正常な人には見られない症状 |
陰性症状 | 感情の鈍さ、思考の減少、意欲の低下など、正常な人には見られるはずの症状が欠如している状態 |
錐体外路症状 | 手の震え、筋肉のこわばりなど、錐体外路系の機能障害によって起こる症状 |
認知機能障害 | 記憶力、注意力、思考力などの機能障害 |
ドーパミン | 脳内神経伝達物質の一種で、運動、意欲、快感などに関係する |
セロトニン | 脳内神経伝達物質の一種で、気分、睡眠、食欲などに関係する |
代謝 |
体内で物質が分解・合成される過程 |
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用語解説
- 非定型抗精神病薬: 統合失調症などの精神疾患の治療に使われる薬の1つです。従来の薬よりも副作用が少なく、幅広い症状に効果が期待できます。
- 統合失調症: 幻覚や妄想、思考の混乱など、現実との乖離が生じる精神疾患です。
- 幻覚: 実在しないものを見たり、聞いたり、感じたりすることです。
- 妄想: 根拠のない確信や疑念をいだくことです。
- 陽性症状: 幻覚や妄想など、通常の状態にはない症状のことです。
- 陰性症状: 意欲の低下、感情の平坦化など、通常の状態から失われる症状のことです。
- 認知機能障害: 記憶力、注意力、判断力などの低下のことです。
- ドパミン: 脳内の神経伝達物質の一種で、意欲や快感に関わっています。
- セロトニン: 脳内の神経伝達物質の一種で、気分や食欲に関わっています。
- 錐体外路症状: 薬の副作用の一つで、体がこわばったり、震えたり、動きがぎこちなくなる症状のことです。
- 代謝性症候群: 肥満、高血糖、高血圧などが複合的に現れる状態のことです。
非定型抗精神病薬の補足
- 非定型抗精神病薬は、1990年代以降に登場した新しい種類の抗精神病薬です。
- 非定型抗精神病薬は、定型抗精神病薬に比べて錐体外路症状の副作用が少ないというメリットがあります。
- 非定型抗精神病薬は、陰性症状や認知機能障害に対する効果も期待されています。
- 非定型抗精神病薬は、まだ開発されて間もない薬剤であり、長期的な安全性や有効性についてはまだ十分に確認されていません。
発達障害で仕事を転々としていましたが、脱サラして地元でスナックを開業しました。
非定型抗精神病薬に関する情報
非定型抗精神病薬がどのように働くの?
非定型抗精神病薬は、脳の中の神経伝達物質のバランスを整えることで、統合失調症の症状を改善します。具体的には、ドパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の働きを調整することで、幻覚や妄想といった陽性症状だけでなく、意欲の低下といった陰性症状や、認知機能の改善にも効果が期待できます。
なぜ非定型抗精神病薬を飲む必要があるの?
非定型抗精神病薬は、統合失調症の症状をコントロールし、日常生活を送る上で支障となることを防ぐために処方されます。薬を適切に服用することで、症状の悪化を防ぎ、社会生活への復帰を促すことができます。
非定型抗精神病薬の副作用は?
非定型抗精神病薬には、体重増加、眠気、口渇、便秘などの副作用が出る場合があります。また、まれに、アレルギー反応や錐体外路症状が起こることがあります。副作用が気になる場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
その他
- 非定型抗精神病薬は、統合失調症の治療に有効な薬剤ですが、副作用もあります。
- 非定型抗精神病薬を服用する際には、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
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追加項目
用語 | 説明 |
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定型抗精神病薬 | 従来から使用されていた抗精神病薬 |
クロルプロマジン | 定型抗精神病薬の代表的な薬剤 |
錐体外路症状の副作用 | 手の震え、筋肉のこわばり、体の遅れなど |
QT延長 | 心電図のQT間隔が延長する状態 |
代謝症候群 | 肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などの組み合わせ |
高齢者 | 65歳以上の高齢者 |
小児 | 18歳未満の子供 |
妊娠中 | 妊娠している女性 |
授乳中 | 授乳している女性 |
補足
- 非定型抗精神病薬は、定型抗精神病薬に比べて錐体外路症状の副作用が少ないですが、QT延長や代謝症候群などの副作用もあります。
- 非定型抗精神病薬は、高齢者や小児、妊娠中・授乳中の女性は慎重に使用することが必要です。
参考文献
- 統合失調症治療ガイドライン (日本精神神経学会)
- 非定型抗精神病薬ハンドブック (医学書院)
- 統合失調症の薬物療法 (金剛出版)
非定型抗精神病薬のよくある質問
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Q主な非定型抗精神病薬は?
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A
非定型抗精神病薬(アタイピカル抗精神病薬)には以下のような薬物が含まれます。
- リスペリドン(Risperidone)
- クエチアピン(Quetiapine)
- オランザピン(Olanzapine)
- アリピプラゾール(Aripiprazole)
- パロキセチン(Paliperidone)
- ザイプラクソン(Ziprasidone)
- アスエンサン(Asenapine)
- ブレキピピラジン(Brexpiprazole)
これらの薬は、精神疾患の症状の管理に使用されます。それぞれの薬には特定の効果や副作用があり、適切な使用方法や投与量については医師に相談することが重要です。
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参考:非定型抗精神病薬とは?
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Q非定型抗精神病薬は強い薬ですか?
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A