就労継続支援A型とは?仕事内容と平均給料 | 利用までの流れ、B型との違いなど解説

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就労継続支援A型とは?

就労継続支援A型は、障害や難病を抱える方が雇用契約を結び、特定のサポートが提供される職場で働ける福祉サービスです。

理解のある職場スタッフがサポートを提供してくれるため、安定的な就業が期待できます。この記事では、就労継続支援A型の業務内容や給与、適切な事業所を選ぶ際のポイントに加えて、A型事業所の法令改正などに関する基本的な知識も解説していきます。

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就労継続支援A型の仕事内容は?

就労継続支援A型は、病気や障害などで一般企業での就労が難しい人を対象に、雇用契約を結んだ上で就労機会の提供や訓練を行うサービスです。障害者総合支援法に基づく国の就労支援サービスの一環で、「雇用型」とも呼ばれています。

このサービスは、一般企業での就業に不安を感じる方や、一般企業に採用されない方、安定した環境からスタートしたい方に利用されています。A型事業所は令和4年時点で日本国内に4325件存在し、利用者は7万人に上ります。

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雇用契約を結び就労機会の提供や訓練をおこなう

就労継続支援A型事業所は、障害者や求職者が、一般就労に必要な能力を身につけることを目的とした就労支援施設です。事業所ごとに仕事内容や勤務形態は異なりますが、基本的には以下のような特徴があります。

・雇用契約を結んで働くため、都道府県が定める最低賃金額以上の収入が保障されています。

・週20時間以上の就労が原則ですが、本人の特性や状況に応じて柔軟に対応しています。

職業訓練や就職支援などのサポートを受けることができます。

具体的な仕事内容としては、以下のような例が挙げられます。

・カフェやレストランのホールスタッフ

・パソコンによるデータ入力代行

・インターネットオークション作業代行

・工場でのパン製作

・車部品などの加工

また、事業所によっては、以下のような取り組みを行っているところもあります。

・地域の企業と連携して、就労体験やインターンシップを実施する

・障害者の特性や適性に応じた仕事づくりを行う

・利用者の自立と社会参加を促すためのさまざまなイベントや交流会を開催する

就労継続支援A型事業所は、障害者や求職者が、一般就労にスムーズに移行するための重要なステップとなります。自分に合った事業所を見つけて、ぜひ活用してみてください。

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就労継続支援A型の給料ってどれくらい?

就労継続支援A型事業所では、雇用契約を結ぶため、都道府県が定める最低賃金額以上の給料が保障されています。ただし、利用料は原則として無料ですが、前年度収入によっては利用料を支払う必要がある場合もあります。

厚生労働省の調査結果によると、2015年度のA型事業所の月額平均給料は8万4030円で、2014年度の平均給料では6万6412円で、ここ数年は上昇傾向が見られます。

厚生労働省:障害者に対する就労支援

参考:最低賃金額とは?


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就労継続支援A型の対象者は?

就労継続支援A型は、原則18歳以上65歳未満で、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害や難病がある方が、以下のいずれかの条件を満たすと利用対象となります

  • これまで就労経験があるが、現在は働いていない方
  • 就労支援を利用したものの、雇用に至らなかった方
  • 就労移行支援サービスや特別支援学校での就職活動を経ても、雇用に結びつかなかった方

原則、18歳から64歳までを対象としていますが、65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた人で、65歳になる前日までに就労継続支援A型の支給決定を受けた人は引き続き利用できます。

障害者手帳の所持は必須要件ではありませんが、持っていない場合は障害福祉サービス受給者証が必要です。いずれもお住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせてみてください。

参考:障害福祉サービス受給者証

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就労継続支援A型の利用料は?

就労継続支援A型の利用料は、通所日数と世帯収入によって決まります。通所日数が多いほど利用料は高くなりますが、世帯収入による月額の負担上限があります。

世帯収入別の自己負担月額の上限は、以下のとおりです。

具体的には、

  • 生活保護受給世帯や、市町村民税非課税世帯の場合は、利用料は無料です。
  • 市町村民税課税世帯であっても、所得割が16万円未満の場合は、月額9,300円の負担で利用できます。
  • 上記以外の世帯の場合は、月額37,200円の負担となります。

なお、入所施設利用者(20歳以上)やグループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合でも、月額37,200円の負担となります。

利用料は、事業所に通所する日数に応じて決まります。1日あたりの利用料は、事業所によって異なりますが、500~700円程度が一般的です。

たとえば、

  • 事業所に通所する日数が週5日で、世帯収入が市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)の場合、月額の利用料は、500円×5日×4週=10,000円となります。
  • 事業所に通所する日数が週3日で、世帯収入が上記以外の場合、月額の利用料は、500円×3日×4週=6,000円となります。

このように、就労継続支援A型の利用料は、通所日数と世帯収入によって決まります。利用を検討している方は、事前に事業所に確認しておくとよいでしょう。

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就労継続支援A型の利用期間は?期限はある?

就労継続支援A型の利用期間は原則無期限利用可能ですが、事業所との雇用契約の有無によって異なります。A型事業所は65歳未満の方が対象となります。

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就労継続支援A型の利用方法は?

就労継続支援A型で働くには、

  • 事業所の選考: 面接や体験などを通して、事業所があなたを採用するか決めます。
  • 市区町村への申請: 障害福祉サービスの利用申請を行い、受給者証を取得する必要があります。

A型事業所の選考を受ける


A型事業所の求人は、以下の方法で見つけることができます。

・市区町村の障害福祉窓口ハローワークに相談する

・事業所のホームページや求人サイトを調べる

・事業所を訪問して問い合わせる

・事業所の見学や説明会に参加する

応募したい事業所が見つかったら、履歴書を送付し、面接などの選考を受けます。

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市区町村窓口で利用申請をする

就労継続支援A型の利用を申し込むには、以下の手順が必要です。

  1. 事業所から採用通知を受ける
  2. 市区町村の障害福祉窓口に相談する
  3. サービス等利用計画案を作成する
  4. 市区町村の障害福祉窓口にサービス利用の申し込みをする

1. 事業所から採用通知を受ける

事業所の面接に合格すると、採用通知が届きます。

2. 市区町村の障害福祉窓口に相談する

市区町村の障害福祉窓口で、就労継続支援A型のサービス利用に必要な手続きについて相談します。

3. サービス等利用計画案を作成する

サービス等利用計画案は、就労継続支援A型のサービスを利用するための計画です。以下の内容を記載します。

  • 本人の障害の状態や求める就労の目標
  • 利用したいサービスの内容と利用期間
  • 利用開始後の見通し

サービス等利用計画案は、事業所の担当者と相談しながら作成します。

4. 市区町村の障害福祉窓口にサービス利用の申し込みをする

サービス等利用計画案を作成したら、市区町村の障害福祉窓口にサービス利用の申し込みをします。

申し込みが受理されると、市区町村から受給者証が発行されます。受給者証があれば、事業所に通所して就労継続支援A型のサービスを利用することができます。

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就労継続支援A型とB型、就労移行支援との違いって?

就労継続支援A型以外にも、障害のある方が働くことを支援するサービスはいくつかあります。

  • 就労継続支援A型: 雇用契約を結び、一般企業に近い形で働くことを目指すサービスです。
  • 就労継続支援B型: 雇用契約を結ばず、自分のペースで働くことを目指すサービスです。
  • 就労移行支援: 将来的に一般企業への就職を目指す方を対象に、職場体験や職業訓練など、就職に必要な能力の向上を支援するサービスです。

それぞれのサービスの特徴や違いについて、もう少し詳しく説明していきます。

  就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
雇用契約 なし あり なし
利用料・賃金 前年度の年収によっては利用料あり 給与あり
前年度の年収によっては利用料あり
工賃あり
前年度の年収によっては利用料あり
平均月収   81,645円 16,507円
対象年齢 18〜65歳未満 18〜65歳未満 年齢制限なし
利用期間 2年間 定めなし 定めなし

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就労移行支援

障害のある人が一般企業に就職するために、働くための知識や能力を身につけ、就職活動をサポートする福祉サービスです。

就労移行支援は、就労継続支援A型と異なり、すでに働いている方は利用できません。そのため、A型事業所での就労を通じて一般就労に向けた準備を整えた後、就労移行支援の利用に切り替える、といった利用パターンが考えられます。

一般就労への移行率は、就労継続支援A型からの移行率が全国平均4.3%なのに対して、就労移行支援からの移行率は22.4%と、就労移行支援の方が高くなっています。

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就労継続支援B型

この福祉サービスは、障害や難病、年齢、体力などの理由で一般就労が難しい方を対象としています。多くの事業所では短時間から働け、主に軽作業を行います。雇用契約を結ばないため、賃金ではなく、生産物に応じた成果報酬として工賃が支払われます。工賃は最低賃金を下回ることが多く、自分のペースで働くことが可能です。

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就労継続支援A型事業所の選び方は?

就労継続支援A型には特色を出していたり、地域と連携したり色々な事業所があります。自分に合った職場を選ぶために、以下のポイントを参考にして探してみましょう。

仕事内容は自分に合っているか

就労継続支援A型事業所の仕事内容は、事業所によって様々です。例えば、「事務」という仕事でも、電話対応や他の従業員とのやり取りなど、具体的な仕事内容は事業所によって異なります。

そのため、実際に事業所に見学に行き、どのような仕事をしているのか、自分のスキルや興味と合っているかなどを確認することが大切です。

中には、数日間の職場体験を行える事業所もあります。職場体験を通じて、仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や他の利用者との関係性なども知ることができます。

仕事を選ぶ際は、見学や職場体験を積極的に活用し、自分に合った職場を見つけるようにしましょう。

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事業所の雰囲気はどうか

仕事を行っている利用者の様子や、利用者をサポートする職員の人数なども、事業所を決める大事なポイントになります。忙しすぎたり、サポートの方が少なすぎることも利用者にとってはストレスになる場合があります。事業所見学では、無理のないペースで働ける雰囲気かどうかも見てみるとよいでしょう。

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給料の額は適切か

お金の話題は出しにくいかもしれませんが、給料は働く意欲を支える大切な要素です。自分の能力に見合った給料がもらえるのか、しっかり確認しましょう。

就労継続支援A型の事業所では、利用者の能力や事業所の状況によっては、最低賃金を下回る給料をもらうことがあります。その場合でも、その理由や納得できる説明を受けておくとよいでしょう。

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就労継続支援A型のデメリット

就労継続支援A型は、障害者の方が働くためのサポートを受けられる福祉サービスです。しかし、一般企業で働くよりも給料が低い、一般就労へのサポートが十分ではないなどのデメリットもあります。また、A型事業所には利用定員があるため、働きたくても働けないことがあります。

具体的には、以下のデメリットが挙げられます。

・一般企業で働くよりも給料が低い

・一般就労へのサポートが十分ではない

・A型事業所によっては利用料が発生する

・A型事業所には利用定員がある

・人気の事業所だと採用募集をしていないことがある

就労移行支援とは違い、A型事業所によっては仕事のスキルや知識が前もって必要になる

これらのデメリットを踏まえて、就労継続支援A型の利用を検討しましょう。

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就労継続支援A型の運営基準って何?事業所の状態にも注目しよう

就労継続支援A型の事業所は、近年、国の規制強化や経営破たんなどの問題が取り上げられています。ここでは、最近の法令改正の動きや、運営の基準について簡単に説明します。A型の基本を知ることは、事業所を選ぶ際に役立ちます。事業所を選ぶ際には、しっかりと情報収集を行い、自分に合った事業所を見つけましょう。

就労継続支援A型の運営に関する法律の改正

就労継続支援A型の事業所は、利用者からもらう訓練等給付費(自立支援給付)費や助成金・補助金、そして事業収入で運営されています。しかし、これまでは訓練等給付費をそのまま利用者の給料に充ててしまう事業所もあり、経営がうまくいかないケースがありました。そのため、2017年4月に「就労継続支援A型に係る厚生労働省令」が改正されました。

改正の内容は、以下のとおりです。

・利用者の給料に訓練等給付費を充当すること

・利用者の意向に沿わない退所

これらの改正により、就労継続支援A型の事業所は、訓練等給付費を事業運営に充て、利用者に安定した給料を支払うことが求められるようになりました。また、利用者の意向を尊重した運営が求められるようになりました。

参考:厚生労働省「就労継続支援A型に係る報酬・基準について」

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就労継続支援A型の人員・設備基準

就労継続支援A型の事業所を運営するには、一定の人員や設備の基準を満たす必要があります。そのため、どの事業所でも、利用者一人ひとりに適したサポートを受けられる環境が整っています。

人員基準

生活支援員・職業支援員:常勤スタッフが利用者10人に対して1人以上勤務

サービス管理責任者:利用者60人以下の事務所で常勤1人以上。利用者数61人以上で2人以上

管理者:常勤1人

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設備基準

訓練・作業室:訓練・作業に支障のない広さがあり、必要な機材があること

相談室:パーテーションなどの仕切りがあること

洗面所・便所:利用者の特性に合っているもの

参考:生活支援員とは?

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