日常生活能力
日常生活能力とは
「日常生活能力」とは、食事、身だしなみ、家事、金銭管理、対人関係など、日常生活を送る上で必要な様々な能力を指します。発達障害・知的障害・精神疾患の診断書においては、これらの能力がどの程度保たれているかが、障害の程度を評価する上で重要な要素となります。
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診断書における日常生活能力の評価
診断書では、具体的な行動や状況を例示しながら、日常生活能力の程度が評価されます。例えば、
- 食事: 自立して食事の準備や片付けができるか、食事の量やバランスに問題はないか
- 身だしなみ: 適切な服装をし、清潔を保てるか
- 家事: 掃除、洗濯、調理などの家事をどの程度手伝えるか、あるいは一人でこなせるか
- 金銭管理: 買い物やお金のやり取りを適切に行えるか
- 対人関係: 家族や友人とのコミュニケーションが円滑に取れるか、社会生活において問題なく交流できるか
などが評価されます。
日常生活能力の評価の重要性
日常生活能力の評価は、以下の点で重要です。
- 障害年金などの申請: 障害年金などの申請をする際に、日常生活能力の程度が、障害等級の判定に大きく影響します。
- 治療計画の立案: 日常生活能力の評価に基づいて、より適切な治療計画を立てることができます。
- 支援サービスの利用: 必要な支援サービスを適切に利用するためには、日常生活能力の客観的な評価が必要です。
診断書を書く際の注意点
診断書を書く際には、以下の点に注意しましょう。
- 具体的な行動や状況を記述する: 抽象的な表現ではなく、具体的な行動や状況を例示することで、より客観的な評価が可能になります。
- 複数の視点から評価する: 同じ能力であっても、状況や場面によって異なる場合があります。複数の視点から評価することが重要です。
- 評価の根拠を明確にする: 評価の根拠となる具体的なエピソードや観察結果を記載しましょう。
- 経過を記載する: 過去の状態と現在の状態を比較することで、変化の程度を把握することができます。
障害者雇用インタビュー:はやてさん
発達障害で仕事を転々としていましたが、脱サラして地元でスナックを開業しました。
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まとめ
日常生活能力の評価は、発達障害・知的障害・精神疾患の診断書において、非常に重要な要素です。具体的な行動や状況を例示し、複数の視点から評価することで、より客観的な評価を行うことができます。
その他
- ADL(Activities of Daily Living): 日常生活動作とも呼ばれ、食事、排泄、着衣、移乗、清潔保持、排せつなどの基本的な動作を指します。
- IADL(Instrumental Activities of Daily Living): 高次な日常生活活動とも呼ばれ、料理、掃除、買い物、交通機関の利用、電話の使用などの、より複雑な動作を指します。
より詳しい情報が必要な場合は、医師や臨床心理士にご相談ください。