抑うつ

抑うつ

「抑うつ」は、一般的に気分が落ち込み、意欲が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。この抑うつ状態が、精神疾患、発達障害知的障害といった他の基礎疾患を伴う場合、それを「二次障害」と呼びます。

こちらも参考に:障害のあるお子さんがいる家庭のための特別児童扶養手当と障害児福祉手当

こちらも参考に:ニューロダイバーシティとは「標準」を変えていく実践的活動

こちらも参考に:障害年金申請は「診断書」が9割!押さえるべき3つの注意点と流れ

参考:軽躁病とは?

二次障害としての抑うつ

二次障害とは、ある疾患(一次疾患)を患っている人が、その疾患に関連して新たに生じる別の疾患や症状のことを指します。精神疾患、発達障害知的障害を一次疾患とした場合、抑うつは二次障害として非常に多くみられます。

精神疾患における二次障害としての抑うつ

  • 双極性障害: 躁状態と状態を繰り返す疾患で、状態の際に抑うつ症状が顕著になります。
  • 統合失調症: 幻覚妄想などの陽性症状だけでなく、意欲の低下や社会からの引きこもりといった陰性症状として抑うつが現れることがあります。
  • 不安障害: 過度の不安や恐怖感が特徴ですが、慢性的な不安状態が抑うつへとつながることもあります。

こちらも参考に:クローズ就労とは?両方で働いてみて分かったこと。メリットやデメリット

こちらも参考に:働きながら障害年金をもらえる人。障害者雇用枠フルタイムで仕事をしている場合

発達障害における二次障害としての抑うつ

  • 自閉スペクトラム症(ASD): 社会性やコミュニケーションに困難があり、周囲との関係構築が難しいことから、孤独感や絶望感、ひいては抑うつへとつながることがあります。
  • ADHD: 注意欠陥多動性障害は、落ち着きがなく、衝動的な行動が目立ちますが、同時に、失敗や挫折を繰り返し、自己肯定感が低くなり、抑うつ状態になることがあります。
  • 学習障害(LD): 学習の困難さから、学校生活や対人関係で苦労し、自信を失い、抑うつ状態になることがあります。

こちらも参考に:コミュニケーション障害(社会的コミュニケーション症)とは?症状と種類、診断、原因について解説

こちらも参考に:大人の発達障害。ADHD(注意欠如多動症)男性の特徴。女性との違いについても解説

知的障害における二次障害としての抑うつ

  • コミュニケーションの困難: 自分の気持ちをうまく伝えられず、孤立感を感じることがあります。
  • 社会参加の制限: 能力の制限から、社会参加が制限され、孤独感や無力感を感じることがあります。
  • 身体合併症: 知的障害を伴う身体疾患がある場合、その痛みや不自由さから、抑うつ状態になることがあります。

こちらも参考に:クローズ就労とは?両方で働いてみて分かったこと。メリットやデメリット

こちらも参考に:働きながら障害年金をもらえる人。障害者雇用枠フルタイムで仕事をしている場合

二次障害としての抑うつが生じるメカニズム

  • 一次疾患によるストレス: 精神疾患、発達障害知的障害そのものが、本人にとって大きなストレスとなり、抑うつを引き起こすことがあります。
  • 周囲の反応: 周囲の人から理解を得られず、差別や偏見を受け、それが大きなストレスとなり、抑うつへとつながることがあります。
  • 自己評価の低下: 自分の能力や価値を低く評価し、無力感や絶望感に陥ることがあります。

こちらも参考に:大人の愛着障害(アタッチメント障害)とは?症状や特徴、原因、治療法について

こちらも参考に:インチュニブ(グアンファシン)の効果や副作用。ADHD(注意欠如・多動性障害)治療薬を解説

二次障害としての抑うつへの対応

  • 一次疾患の治療: 基礎疾患である精神疾患、発達障害知的障害に対する治療が重要です。
  • 心理療法: 認知行動療法(CBT)や精神療法など、心理的なアプローチによる治療が有効な場合があります。
  • 薬物療法: 抗うつ薬などの薬物療法が併用されることもあります。
  • 社会的な支援: 家族や友人、専門家によるサポートが大切です。
  • 環境調整: 生活環境や仕事環境を調整することで、ストレスを軽減することができます。

まとめ

二次障害としての抑うつは、精神疾患、発達障害知的障害を持つ人にとって、QOLを大きく低下させる可能性のある問題です。一次疾患の治療だけでなく、心理的なサポートや環境調整など、多角的なアプローチが必要となります。

こちらも参考に:就労継続支援B型(非雇用型)とは?就労継続支援A型との違い。平均工賃や仕事内容もご紹介

こちらも参考に:退職後でも傷病手当金は受給できる? 支給条件ともらえないケース。期間・金額計算、申請方法も解説

【ポイント】

  • 二次障害は、一次疾患に関連して新たに生じる疾患や症状である。
  • 精神疾患、発達障害知的障害を持つ人は、抑うつになりやすい。
  • 二次障害としての抑うつは、本人だけでなく、家族や周囲の人も苦しめる。
  • 早期発見と適切な治療が重要である。

【キーワード】 二次障害、抑うつ、精神疾患、発達障害知的障害心理療法薬物療法、社会的な支援

【関連キーワード】 うつ病双極性障害統合失調症自閉スペクトラム症ADHD学習障害QOL

こちらも参考に:音や文字に「色」を感じる「共感覚」とは?種類や原因、判定テストについて

こちらも参考に:ギフテッドと発達障害の違い。ギフテッドとは?

治療

抑うつの治療は、薬物療法心理療法の組み合わせが基本です。

薬物療法

  • 抗うつ薬:脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、抑うつ症状を改善します。
  • 抗不安薬:不安や睡眠障害などの症状を改善します。

心理療法

  • 認知行動療法:認知の歪みを修正し、行動パターンを変えることで、抑うつ症状を改善します。
  • カウンセリング:患者さんの話を聞き、気持ちを受け止めることで、心の負担を軽減します。

こちらも参考に:非認知能力とは?「人生を豊かにする力」を育てよう。これからを生き抜く上で必要な能力

こちらも参考に:聴覚過敏の症状や原因。聴覚が過敏「音」で極端に疲れる。仕事中にできる対処法もご紹介

抑うつのよくある質問

Q
発達障害に起こりやすい二次障害は?
A

発達障害が持つ特有の特性(例えば、社会性の困難さ、注意の集中力の欠如、感覚過敏など)は、本人にとって大きな心理的なストレスとなり、様々な困難や生きづらさを生み出します。このような慢性的なストレスが、うつ病不安障害、依存症といった精神疾患や、睡眠障害などの身体症状を引き起こすことがあります。このような、発達障害を一次的な要因とし、それに伴って生じる二次的な精神的な問題を、二次障害と呼びます。

こちらも参考に:うつ病で現れる初期症状・行動・対策や仕事復帰を目指すときのポイント

参考:コルチゾールとは?

こちらも参考に:統合失調症の方への接し方。してはいけないこと。家族や友人、部下や同僚が発症したときの対応

こちらも参考に:ADD(注意欠陥障害)とは?ADHD(注意欠如多動症)との違い。症状や診断基準、特性について

Q
2次障害の特徴は?
A

発達障害を持つ個人が、その特性に起因する困難や社会的な障壁により、二次的に精神的な問題を抱えることがあります。この二次的に生じる精神的な問題を、二次障害と呼びます。

例えば、自閉スペクトラム症(ASD)を持つ人が、社会的なコミュニケーションの困難さから孤立感を抱え、抑うつ状態に陥るケースや、注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ人が、学業や仕事における失敗体験を繰り返し、自己肯定感が低下し、不安障害を発症するケースなどが挙げられます。

こちらも参考に:精神障害者手帳3級取得のメリット | 割引や控除割引や支援を紹介

参考:グループカウンセリングとは?

こちらも参考に:大人の神経発達症(発達障害)とは ?ADHD・ASD症状や治療法について

こちらも参考に:大人の癇癪(かんしゃく)。発達障害(ASD・ADHD)のある方の怒りの対策。原因と対処法を知ろう

タイトルとURLをコピーしました