ロールシャッハテスト| 目的や歴史、診断手順、受検方法

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ロールシャッハテストとは

ロールシャッハ・テストは、インクのシミを利用したパーソナリティ検査で、深層心理を探る手法として広く知られています。このシンプルなテストでは、図版を見て何に見えるかを回答する形式で行われ、小説や映画などでもしばしば取り上げられています。しかし、実際には臨床心理学の分野でさまざまな議論がなされています。このコラムでは、ロールシャッハ・テストの目的や手順などについて紹介します。

ロールシャッハ・テストは、インクのシミを活用した心理検査で、その特殊な手法から有名なテストの1つです。フィクションの世界でもしばしば登場し、名前だけは一般的に知られていますが、専門的な理解が難しい面もあります。そこで今日は、このテストの内容や歴史などを分かりやすく解説します。

この心理テストは、インクを落としてできた模様から被験者のパーソナリティや無意識、性格特性、認知特性、対人関係、防衛機制、感情コントロールなどが浮き彫りにされる特長があります。自分の知らない自分について知るために最適な心理検査とされています。

ロールシャッハテストの現状

ロールシャッハテストは広く知られていますが、現代では学校臨床や特定の採用試験などで使用されているものの、批判も多く、必ずしも重要視される性格検査とは言えません。

合理性が重要視される現代社会では、ロールシャッハテストのような検査の妥当性が疑問視され、批判の対象になることもあります。テストの妥当性や規準となるデータ、協力的な被験者が不適応な人と判断される構造上の欠陥など、様々な問題が指摘されています。

批判を受けて改善は試みられましたが、ロールシャッハテスト研究の第一人者であり、広く採用されていた包括システムをまとめていたエクスナーが2006年に亡くなり、後継者が指名されなかったため、ロールシャッハテストの代名詞である包括システムは更新が難しくなりました。

ただし、現在では新たなシステムとしてR-PAS(ロールシャッハ・パフォーマンス・アセスメント)の研究が進められ、批判された内容を改善した新しいロールシャッハテストのシステムが普及しています。

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ロールシャッハテストの歴史

ロールシャッハテストの歴史は1920年代に遡ります。1921年にスイスのフロイト派精神分析家であるヘルマン・ロールシャッハが発表した『精神診断学』において、インクを使用したテストのアイディアが初めて言及されました。ヘルマン・ロールシャッハは1922年に37歳で亡くなりましたが、アメリカで心理学を学んでいたサミュエル・J.ベックが彼の研究に注目し、ロールシャッハ検査の研究を引き継ぐことになりました。ベックはアメリカに研究成果をもたらし、ロールシャッハテストのアメリカでの研究が進展しました。後に包括システムを完成させたエクスナーは、ベックの助手を務めていたこともあり、重要な役割を果たしました。

一方で、ロールシャッハテストの創始者であるヘルマン・ロールシャッハはスイスの精神医学者で、1911年頃に子どもの遊びから着想を得てロールシャッハテストの研究を開始しました。彼は左右対称のインクの染みが精神疾患の診断に利用できる可能性を模索し、1921年に「精神診断学」でロールシャッハテストを発表しました。彼は37歳で若くして亡くなりましたが、その後も研究は続き、アメリカやドイツからの研究者たちが加わりました。エクスナーが包括システムを作成するまでに、アメリカではロールシャッハテストの研究が広く展開されました。批判が多かったが、エクスナーの包括システムによってロールシャッハテストは21世紀までに精神医療や教育、福祉、司法などで広く使用されるアセスメントツールとして活躍しています。

性格検査の分類


ここではロールシャッハテストの位置づけを理解する上で助けと性格検査と分類について紹介していきます。

性格検査は心理検査の1つで、知能検査や発達検査と並んで分類されます。知能検査はIQ検査を代表し、発達検査では認知機能や社会性、運動能力などが調査されます。そして性格検査はその名の通り、個々の性格やパーソナリティを評価する検査です。

性格検査は主に質問紙法、投影法、作業検査法の3つの手法に分けられます。質問紙法では被験者が自己申告する形で性格を評価します。投影法では無意識の心の中にあるものを引き出すため、具体的な刺激物(例:インクの染みや図版)を用いて被験者に反応を引き出します。一方で作業検査法は、被験者が特定の課題や仕事を通して行動する様子から性格を把握します。

これらの手法を通じて、性格検査は被験者の内面を理解し、心理的な特徴や傾向を明らかにする役割を果たしています。

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ロールシャッハテストでわかること

ストレスを感じたときの動き方

簡潔に言うと、性格検査はストレスへの対処と耐性を理解する手段です。一定の状況に関連したストレスの状態などが測定され、治療にも利用されます。これにより、本人がどんな状況でストレスを感じやすい傾向にあるのかなどが判断されます。

情緒面の測定

情緒、すなわち感情の抱き方が性格検査において測定されます。測定の範囲は広く、緊張しがちな性格や抑うつな性格、そして対人関係の内閉具合などが観察されます。さらに、愛情への欲求具合も分析の対象となります。情緒とは感情的な反応やその統制の仕方など、非常に細かい内容が性格検査の分析対象として取り上げられます。

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あくまで内面的な事を知るための一手段

ロールシャッハテストは非常に細かい内容まで分析されますが、仮に受けたとしても、全てを真実として受け入れる必要はありません。人間の複雑な内面は元々色々な側面を持っており、完璧に読み取るのは難しいものです。性格検査はあくまでも参考程度の判断材料に過ぎません。テスト結果の扱いは、医者など性格検査を利用する側に委ね、被験者自身はあまり重く捉えないようにしましょう。ロールシャッハテストはどこまでいっても、自身の内面を知るための一手段に過ぎません。

ロールシャッハテストの実施

ロールシャッハテストは約1時間半~2時間かかります。長時間になる場合には途中で休憩を入れることもありますが、可能なら休憩なしで一気に最後まで進めると良いでしょう。

実施にはできるだけ静かで、ほど良い室温と湿度の部屋が適しています。不快な環境や騒がしい場所では、ロールシャッハテストに十分に集中することが難しいです。

実施の際は、まず検査者がテストの手順について説明を行います。これを専門的には「教示」と呼びます。分からないことがあれば、検査者に質問するようにしましょう。その後、ロールシャッハ図版を見ていき、各図版に何が見えるかをいくつか答えていきます。学力試験などとは異なり、正解や不正解はありませんので、自由に見えたように答えてください。

ロールシャッハテストの内容

前章でも述べた通り、性格検査は大きく分けて質問紙法・投影法、作業検査法の3つの手法に分けられていますので1つずつ見ていきましょう。

ロールシャッハテストの質問紙法

質問紙法は、用意された質問に対する回答結果から被験者のパーソナリティを分析する手法です。この方法は、アンケート調査のような形式で行われ、投影法や作業法と比較して実施や結果の整理が簡単であるという利点があります。また、性格検査だけでなく、社会調査などで世の中の意見や認識を集計するためにも広く活用されています。

ただし、質問が簡潔である傾向があり、被験者が意識的に回答内容を偏らせることが比較的容易な点が難点です。質問の意図が読み取りやすいため、被験者が素直に答えずに分析結果が誤ってしまう可能性があります。このため、あてにならないテストとも言えるでしょう。

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ロールシャッハテストの作業法


作業法は、被験者に決まった一定の行動を続けさせることでそのパーソナリティを調査する手法です。この手法は、「内田クレペリン精神検査」などが日本の職業検査で広く使用されています。特にクレペリン検査は、一桁の足し算を数十分間続ける検査で、被験者の分簡の作業量や変化の法則から職業適性や性格を判断します。被験者のデータと健常な人のデータとの差異や類似度などから、パーソナリティの評価が行われます。

日本では、教員採用試験や交通業の職業試験などで作業法が採用されているケースが多いですが、その具体的な活用方法は不透明なままです。

参考:内田クレペリン精神検査とは?

ロールシャッハテストの投影法

投影法は曖昧さを活かした性格検査方法であり、ロールシャッハテストもその一環です。他にも知られている投影法には、被験者が描いた木の構図や様子を元に心理状態を検査するバウム(ツリー)テストや、48枚の顔写真を好きな写真と嫌いな写真に分別してもらうソンディ・テストなどがあります。これらの手法は被験者の表面的な意識を超え、無意識の領域にアクセスするメリットがあります。

ただし、投影法は結果の整理が複雑であり、検査の難解性から被験者には負担がかかるというデメリットも存在します。ロールシャッハテストが批判されたように、投影法も信頼性や妥当性に欠けるとの指摘があり、これらはあてにならない検査法と見なすこともできるでしょう。

参考:バウムテストとは?

ロールシャッハテストで分かること

ロールシャッハテストでは、主に無意識的な側面に焦点が当てられ、被験者が自覚していない自分の一面が浮き彫りにされます。具体的には、以下の要素についてロールシャッハテストを通じて洞察が得られます。

  1. 興味・関心の内容
  2. 欲求や情緒の内容
  3. 抱えている葛藤や問題の内容
  4. 新しい出来事や出会いに対する反応や対応の特徴: 得意な対処方法や苦手な点、新しい状況への適応力が明らかになります。
  5. 緊張や不安: それらの内容や程度が表れます。
  6. 動揺からの立ち直り方と適応力: どれだけ迅速に立ち直り、新たな状況に対応できるかが示されます。
  7. 情緒や感情: 自らの情緒や感情をどのように受け入れているかが明らかになります。これが拒絶されると無理が生じたり、居心地の悪さを感じることがあります。
  8. 現実検討力: 自己や周囲、取り巻く環境をどのように捉えているか、その捉え方と現実のズレがどの程度あるかが示されます。これが問題にどれだけ影響しているかも評価されます。
  9. 特徴的な対人関係パターン: 過去の対人関係のパターンや特性が浮かび上がります。

これらの要素を通じて、被験者の内面や性格に関する詳細な洞察を得ることができます。

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ロールシャッハテストの役立て方

自己の特性を理解し、抱える問題に特性がどのように影響するかを検討することは、自己理解と問題解決の重要な一環です。新しい状況に直面し、対処が難しくなったり、受け入れがたい感情が生じた場合、強い不安や緊張、動揺からどのように立ち直ってきたかを理解することは重要です。これを通じて、今後もその立ち直り方が有効であるか、それとも新たな方法を模索する必要があるかを検討できます。

心理検査の結果は、カウンセリングにおいて有益な情報となり、問題解決の手がかりとなります。心理検査は独立しているのではなく、他の心理検査と組み合わせて、異なる側面から対処力や適応力を理解し比較することがあります。

心理検査は無意識レベルで働きかけるため、検査者は検査結果を総合的に理解し、他の心理検査との関連性も考慮します。ただし、すべての側面が網羅されるわけではなく、基本的な特性は安定していますが、検査時の状態によって左右されることもあります。検査結果を自己理解や問題解決の手段として活用する際には、その時点での状態や特性の理解に焦点を当てることが重要です。

職業適正試験

ロールシャッハテストは、クレペリン検査と同様に職業適性試験で使用されることがあります。主な焦点は知能の測定ではなく、むしろ人格に歪みがないかどうかを評価することが多いです。

通常、事前に選択肢が提供され、ポジティブな回答とネガティブなイメージの回答に分類されることがあります。たとえば、飛んでいる蝶や鳥といったポジティブな回答から、飛び散った血しぶきや不気味な悪魔といったネガティブな回答までが含まれます。これらの回答例は、質問の意図が理解できるため、被験者が自ら回答する場合、悪い評価を避けるために良いイメージのものを選ぶ傾向が一般的です。

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資格試験


臨床心理士の資格試験などでは、ロールシャッハテストが関連することがあります。ただし、これは性格検査として実施されるわけではなく、むしろ資格の認定に必要な知識を含む筆記試験の一部として出題されます。特定の資格では、最低限のロールシャッハテストの知識が求められる場合があります。

心理カウンセリング

心理カウンセリングの分野でも、心理的な悩みの解決に向けてロールシャッハテストが実施されることがあります。

心理的な問題には、患者本人が気づいていない無意識の悩みや問題が存在することがよくあります。そのため、患者の内面や思考を探るためにロールシャッハテストが導入されることがあります。時には、時間をかけて複数回のテストが行われ、治療の進行とともに内面がどのように変化していったかを調査するケースも見られます。

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ロールシャッハテストの応用先

無意識の領域を探る主な応用先として、ロールシャッハテストは診断ツールとしての側面も持っています。最初は単に無意識の領域を調査するためのツールでしたが、実施の過程で被験者の状態と反応に一定の傾向が見られるようになりました。

たとえば、躁鬱や統合失調症の患者は、10種類の図柄に対して通常よりも多くの反応を示すことや、回答拒否の回数が増えることなどが一般的です。ロールシャッハテストはこれらのデータを利用して、無意識を探るだけでなく、被験者の性格を診断する道具としても応用されています。

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アメリカ・日本におけるロールシャッハテスト

スイスで生まれたロールシャッハテストは、アメリカで広く研究が展開されました。興味深いことに、日本でも1930年頃からロールシャッハテストの研究が行われ、その歴史が存在します。

国民性においてアメリカと日本は大きな違いがあり、アメリカ人のデータを直接日本人に適用することが難しいため、日本では独自のテスト方式が研究されてきました。

アメリカでは包括システムが主流となりましたが、日本では片口法が提唱され、片口法が広く普及するようになりました。現在の日本では、包括システムと片口法の2つのアプローチによるロールシャッハテストが主流として用いられています。

ロールシャッハテストのやり方

ロールシャッハテストをより詳しく知りたい方に向けて、テストの細かい実施方法を紹介していきます。

①テスト法

ロールシャッハテストの内容は、先述の通り、インクのシミが何に見えるかを計測していくものですが、テストを受ける環境も重要な要素です。被験者がテストに十分に集中できるように、理想的な状況では第三者は立ち会わず、被験者と検査者の二人だけで行います。

被験者にかかるストレスを最小限に抑えるために、向かい合わずに隣り合わせで試験が行われます。被験者にとってストレスの要因となりうる対面の圧力を和らげ、インクの模様に集中するため、ロールシャッハテストは慎重にセッティングされ、被験者がリラックスして臨むことができるよう留意されます。

ロールシャッハカード

ロールシャッハカードは、テストの中核を成すインクの模様が描かれた10枚1セットのカードです。テストの本質がこれらの模様に対する反応の観察にあるため、ロールシャッハテストにおいては必須のアイテムと言えます。

スイスで制作されたオリジナルのロールシャッハカードは、定価で2万円近い価格となっており、無料で公開されているものはほとんどないため、ネット上でこれらの模様を完全に入手しようとしてもかなりの難しさが伴います。

記録用紙

ロールシャッハテスト用の記録用紙も用意されています。たとえば、日本文化科学社から発行されている記録用紙は、10枚のテストの記録や採点、全体の整理などの項目が設けられており、20名分の用紙が約9,000円近い価格で販売されています。

ロールシャッハカードを提供している業者は、通常記録用紙も同時に取り扱っており、ウェブサイト上ではカードと同じ場所で別途販売されたり、同時に入手できる場合があります。

整理用紙(K-Ⅷ)・構造一覧表

整理用紙(K-Ⅷ)は片口式で使用する用紙で、構造一覧表は包括システムで利用される用紙です。

整理用紙(K-Ⅷ)には分類表、基礎整理表、まとめ表、サイコグラム、図版の写真短縮版が含まれています。

構造一覧表は包括システム構造一覧表とも呼ばれ、包括システムの最新版に従った記録用紙で、金剛出版から発行されています。どちらも分析を効率的に進める上で必要な道具です。

②:テスト評価方法

ロールシャッハテストはテストですので、被験者が残した反応を採点する必要があります。評価方法について確認していきましょう。

ロールシャッハテストのガイドライン

ロールシャッハテストの検査には基本的なガイドラインが用意されており、被験者の反応を評価する際に以下の4つのチェックポイントが重要です。

  1. 反応回数や拒否回数、反応に掛かった時間など
  2. 被験者の図形以外に対する反応(色彩や動き)があったか
  3. 反応が図形全体に対するものか、またはどの部分に反応しているか
  4. 被験者にとって図形は何に見えたのか

これらの基本的なガイドラインに従って行われる評価から、ロールシャッハは被験者の性格を分類していきます。

スコアリング

ロールシャッハテストでは、被験者が引き起こした反応を区別し、採点・診断する手法を「スコアリングシステム」と呼んでいます。このシステムでは、反応が形態(F)、運動(M)などに分類され、具体的なスコアは、例えば「F+%が25%」といった形で算出される仕組みが採用されています。

スコアリングシステムの現状

初期のアプローチ方法として挙げられる、ベックとクロプファーのアプローチは、前者がロールシャッハの原則を守りつつ、後者がユングの思想を取り入れたものであり、これらのアプローチには大きな違いがありました。そのため、一貫性のある絶対的なシステムが存在しませんでした。

最終的に、エクスナーによって様々なスコアリングシステムが「包括システム」として統合され、これが現在の主流なスコアリングシステムとして広く用いられています。

ロールシャッハテストの信頼性・妥当性

ロールシャッハテストに関する研究はこれまでさまざまな方向から行われ、その信頼性と妥当性については何度も論争の的となってきました。信頼性は、結果が一貫して安定しているかどうかを示す指標であり、一方で妥当性は測定しようとしている心理的な特性や状態を正確に反映しているかを示します。

信頼性に関して、ロールシャッハテストの集計や解釈が機械的に難しいため、検査者の職人技が求められる側面があります。このため、異なる検査者が同じデータを集計・解釈した場合に食い違うことがあり、ロールシャッハテストの信頼性が高くないとの意見もあります。ただし、一部の研究では、一定程度以上の経験年数を持つ検査者の場合、集計と結果が高い一致率を示すことが報告されています。

妥当性については、ヘルマン・ロールシャッハ以来、さまざまな精神疾患や精神障害に対する判別研究が行われています。これにはヒステリー、強迫神経症、統合失調症、躁うつ病、てんかん、器質性精神障害などが含まれます。また、近年では自閉性障害やADHDなどの発達障害においてもロールシャッハテストが有用であるかどうかを検証する研究が進んでいます。これらの研究はまだ途上であり、具体的な結論は出ていませんが、重要な指標がいくつか検出されていると考えられています。

一方で、信頼性に関しては未だに疑問視されることがあり、批判的な意見も存在します。妥当性においては、指標の妥当性やデータの規準値における集団の偏り、検査への協力度や反応数の影響などが問題視されています。それでもなお、ロールシャッハテストは有力な性格検査方法の一つとして位置づけられており、包括システムに代わる新しい信頼性の高いシステムとして、R-PASの研究が進行中です。

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ロールシャッハテストを受けたい人へ

ロールシャッハ・テストは実施に時間がかかり、解釈にも専門的な知識と技術が必要なため、受検できる機関は限られています。テストが実施されている機関では、ロールシャッハテストだけでなく、バウムテストなど他の性格検査も一般的に実施されています。したがって、受ける際は医療機関に相談し、適切な検査方法を選ぶよう心掛けましょう。発達障害者支援センターや児童相談所から専門機関の紹介を受けることもおすすめです。

専門機関の例として、子どもの場合には保健センターや子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センター、法務省少年支援センター、児童相談所などがあります。大人の場合には発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所などが挙げられます。国立障害者リハビリテーションセンターのホームページから全国の発達障害者支援センターを検索できます。

参考:発達障害者支援センター |出典:国立障害者リハビリテーションセンターホームページ

特別な理由なくテストを希望する場合には、まず最寄りの検査機関を調べ、精神科や心療内科を開設している病院、臨床心理士のいるカウンセリングルームなどを候補に挙げてください。施設において、ロールシャッハ・テストの解釈に精通した医師や臨床心理士がいることを確認し、受検の相談を行ってみましょう。ただし、多くの施設ではカウンセリングの過程でテストが実施されることが一般的ですので、テストのみの受検が可能かどうかは確認が必要です。

日本では保険医療の診療報酬体系にロールシャッハ・テストが組み込まれていますが、テストだけを受けたい場合は保険が効かないことが一般的です。費用については保険の適用有無によって異なり、施設ごとに金額が設定されていることもありますので、事前に確認しておくことがおすすめです。

参考:保健センターとは?

参考:児童相談所とは?

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