障害者手帳の区分に関する専門的な解説
障害者手帳は、障害の種別によって大きく3つに分類されます。それぞれの特徴と、用いられる専門用語について解説します。
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1. 身体障害者手帳
身体機能の障害を有する方が対象となる手帳です。
- 対象となる障害: 四肢の切断、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、内臓機能障害など、身体の特定の部位または機能に障害がある場合。
- 評価基準: 障害の部位、程度、日常生活動作への影響などを総合的に評価し、1級から7級までの等級が認定されます。
- 専門用語:
- 日常生活動作(ADL): 食事、着衣、排泄など、日常生活の基本的な動作。
- 身体機能: 身体の各器官が持つ機能のこと。
- 障害部位: 障害が生じている身体の部位。
- 障害程度: 障害の重軽度。
2. 精神障害者保健福祉手帳
精神疾患を有する方が対象となる手帳です。
- 対象となる障害: 統合失調症、うつ病、双極性障害など、精神的な機能に障害がある場合。
- 評価基準: 精神症状の頻度・強度、認知機能・情動・意欲の障害、社会適応能力の低下など多角的な因子を考慮し、日常生活における自立度を総合的に判断します。
- 専門用語:
3. 療育手帳(知的障害者手帳)
知的障害を有する方が対象となる手帳です。
- 対象となる障害: 学習能力、適応能力、社会性などに障害があり、日常生活や社会生活に支障をきたしている場合。
- 評価基準: 知能検査の結果、適応行動の評価、言語発達、社会性、自閉症スペクトラム症などの有無などを総合的に評価します。
- 専門用語:
- 知的障害: 知能の発達が遅れ、学習能力、適応能力、社会性に障害がある状態。
- 知能検査: 知能の程度を測るための検査。
- 適応行動: 日常生活や社会生活における行動。
- 自閉症スペクトラム症: 社会性、コミュニケーション、興味や活動の範囲などに特徴的な症状を示す神経発達障害。
発達障害で仕事を転々としていましたが、脱サラして地元でスナックを開業しました。
各手帳の共通点と相違点
- 共通点: 障害の程度に応じて等級が認定され、障害者福祉サービスの利用に際して、その等級が基準となる点。
- 相違点: 対象となる障害の種類、評価基準、認定される等級などがそれぞれ異なります。
補足
- 重複障害: 複数の障害を併せ持つ場合は、複数の手帳を交付されることがあります。
- 障害支援区分: 障害者福祉サービスを利用する上で、障害の程度や種類に応じて、さらに細かく区分されることがあります。
まとめ
障害者手帳は、障害の種類や程度に応じて、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つに大別されます。各手帳の評価基準や専門用語は異なり、障害の種類や程度に応じて適切な手帳が交付されます。
より詳しく知りたい場合は、お住まいの市区町村の障害福祉課にご相談ください。
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障害者手帳のよくある質問
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Q障害者手帳をもらえる人はどんな人ですか?
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A
身体障害者手帳は、視覚障害、聴覚・平衡機能障害、音声・言語・咀嚼機能障害、肢体不自由、および内部臓器(心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、HIVによる免疫系、肝臓)の機能障害により、日常生活活動に著しい制限を受け、かつ身体障害者福祉法に定める障害程度基準に該当する者を対象として交付されます。
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Q障害手帳を持つメリットは?
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A
身体障害者手帳は、障害者雇用促進法に基づく障害者雇用枠への応募や、医療費の自己負担割合の軽減、所得税や住民税の控除、障害者割引制度の利用といった、多岐にわたる公的支援を受けるための資格を証明するものである。
これらの支援は、障害者の自立した社会生活を促進することを目的としている。なお、手帳の交付申請から交付までの期間は、診断書の内容や申請状況等により、1か月を超える場合が一般的である。
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