ADHDの顔つき、行動の特徴。見た目では分からない困りごとなどなどを解説

発達障害知的障害

ADHDは顔つきで分かる?」「特徴などはあるの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?ダウン症のようにパッと見でわかるようなものではないですが、児童支援員がよく言う「ADHDの顔つきや動作の特徴」は一定のパターンがありますので参考にしてください。

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ADHD(注意欠陥多動性障がい)とは?

ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。ADHDの有病率は少なく見積もって6%程度と言われており、「多動・衝動性」に関しては年齢と共に落ち着いてくることが多いですが、不注意に関しては年齢での変化はないとされています。

 

また、従来のADHDの基準は男性を想定して作られているもので、特性が男性と比べて弱い女性に関しては当てはまらない部分も多く、学校でも女児に関しては発見が遅れがちです。

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ADHD(注意欠陥多動性障がい)の児童数は過去最多である

文部科学省の 令和3年度 通級による指導実施状況調査(別紙2)(PDF:471KB)では「ADHDによる通級を利用している生徒(小・中・高)」は38,656人に上ります。発達障害児童数は平成5年以降、過去最高を記録しており、今後も増加傾向は変わらないでしょう。

 

通常学級に在籍しているADHD児の数のみカウントしていますので、特別支援学級特別支援学校の子どもを合わせればもっと多くなります。次の章でADHDの顔つきの特徴を見ていきましょう。

※自治体によって発達障害が特別支援学級・特別支援学校に振り分けられるかは異なります

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ADHDの顔つきであると言われる5つの特徴

年齢不詳で若く見られがちなADHDですが、児童支援員の中でよく言われているADHD顔の特徴があるのでご紹介したいと思います。

①実際の年齢よりも幼く見える

②肌の色が白い

③猫顔で目が離れ気味である

④歯並びがあまりよくない

⑤目が無気力な印象を与える

以上の5つがADHDの顔としてよく言われる特徴です。1つずつ見ていきましょう。

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①実際の年齢よりも幼く見える

納得の理由ですね。発達障害の大人も年齢を感じさせない人が多いです。童顔の当事者が多く、「今まで苦労して来なかったでしょ?」と聞かれる当事者の多いこと…生きていて苦しい事が多いのですが、苦労が顔に出て来ないADHD当事者が大半です。

発達界隈の俗説で発達障害精神年齢2/3説」がありますが、見た目もそのくらいの感じなのでしょう。話していても、年齢・性別が全くわからない当事者もいます。

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②肌の色が白い

「言われてみればそうかなぁ」という程度ですが、ADHDの筆者は色白ですね。肌が弱く、日に焼けると赤くなるタイプのADHDは多いと感じます。

また、「インドア派でゲームばかりしているので色白になった」や、発達障害者に多い夜型で「太陽が出る時間に活動しないから焼けない」といった理由はあるでしょう。

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③猫顔で目が離れ気味である

猫顔のADHD女性当事者が何人も思い浮かびました。男性の当事者では「目が離れている」に当てはまる人が多いです。顔のタイプとしては、甘めの顔立ちの犬顔ときりっとした顔立ちの猫顔に分類されますが、ADHDは猫顔が多いようです。 キュッと上がった目尻に大きな瞳、シュッとしたシャープな輪郭が特徴です。 美形が多い印象で、見た目だけで言えば近づきにくい印象を持たれてしまうことも多いでしょう。

 

ADHD女性美人説」も定期的にあがる話題ですが、筆者の友人でも綺麗な人は多いと感じます。理由はよくわかりませんが、キツめの猫顔に生まれてくる率が高いように思います。

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④歯並びがあまりよくない

顎が小さくシュッとした印象の当事者が多いです。歯の大きさに比べて顎が小さいと並びきらなくなってしまうのですよね。筆者も子供の頃、歯列矯正をしていました。

歯軋りや噛み締めの癖があるADHD当事者も多いので、余計に歯並びが悪くなる傾向にあります。

 

⑤目が無気力な印象を与える

多動の傾向で視線が定まらないために言われていることだと考えています。また、ASD(アスペルガー症候群)も同様に平行二重の子どもが多く、彫りの深いくっきりした顔つきも特徴です。

2021年の千葉大学の研究で「ADHDの瞳孔は健常者よりも大きい」という研究結果が出ていますので、「瞳孔の大きさ=目が無気力 」に見えている可能性もあります。普段から瞳孔ガン開きだったなんて驚きですね!

 

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ADHDの顔立ち参考動画

以前、イベントで一緒に登壇したADHDの彼氏とわたしさん」が「ADHDの顔立ち」について動画をあげてくれています!ぜひご覧ください。

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ADHDの見た目からは分かりにくい困難さとは?ADHDの3つの特性と診断タイプを解説

ADHDの主な特性は「不注意」「多動性」「衝動性」となっています。生まれつきの精神疾患で、神経発達症群(発達障害)の一つとされています。以下で特性を見ていきましょう。

① 不注意優勢型

主に女性に見られるタイプで学生の頃は生活に大きな支障が無く、社会に出てから悩むADHD当事者が多い印象です。以前はADD(注意欠陥のみ)と呼ばれていました。以下のような特徴があります。

・約束を忘れる or 遅刻が多い

・忘れ物、落とし物が多い

・スケジュール管理が苦手

・集中できずケアレスミスが多い

・ほわ〜っとした印象でとてもモテる(女性限定)

・日中眠い。夕方から目が冴えてくる

・ものぐさで面倒なことを先延ばししがち

・細部を見落としがち

・天然とよく言われる

おっとり落ち着いて見えるADHD不注意型ですが、多動が行動に出ないだけで、頭の中は非常に多動です。五感から入ってくる全ての情報が、今考えていた事とドッキングし、奇妙なストーリーを作りあげていきます。脳内マジカルバナナと呼ばれる現象で、ファンタジーの世界と言っても過言ではないでしょう。「ADHDのび太型」と言われるタイプになります。

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② 多動性・衝動性優勢型

ホリエモン(堀江貴文さん)は「多動力」という本を出版されていますね。「不注意から来る物事の先延ばし」を防ぐ原動力としては有効ですが、エネルギーがあり余って、人に迷惑を掛ける事も多い特性です。

・感情が高ぶりやすく、人と喧嘩になりやすい

・整理整頓が苦手

・人の話に割り込む

・自分の順番を待つのが苦手。せわしない

・金銭管理が苦手 

・人にちょっかいを出す。急かす

・IQが高めで頭の回転が速い。計算高いが詰めが甘い

・一見、とてもしっかりして見える

・お菓子のファミリーパックを一気食い

・マシンガントーク。一方的なおしゃべりをする。失言が多い

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このタイプ不注意が無いわけでは決して無いのですが、「多動さ」で不注意から起こるミスをカバーしている側面があります。

転ばぬ先の杖なのか、いつも家出かと思うくらい巨大な荷物を抱えて忙しなくやって来ます。勿論、鞄の中はグチャグチャ…2週間前のプレスされて板状になったおにぎりに、印字が消えたレシートの束、中身が飛び出た薬のシートまで出るわ出るわ…過去の化石の山に4次元ポケットも真っ青です。

のび太型とは反対に「ADHDジャイアン型」と呼ばれるタイプになります。

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③ 混合型

上記2つの「不注意型」と「多動・衝動型」の特徴を併せ持つタイプになります。筆者は混合型で「不注意優勢だけど、多動と衝動もなかなかお目に掛かれない強さ」と主治医にお墨付きをもらっていますが、どの特徴にも心当たりがあり、定型擬態の厳しさを思い知っています。

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ADHD(注意欠如多動症)具体的にどんな困りごとがあるの?

ADHDがよくある困りごとを以下に記述してみました。

・騒音や雑音があると、すぐに注意が散漫になって目の前の仕事に集中できない

・新しいことが覚え辛い。人の顔や名前、作業手順などを正確に覚えられない

・仕事や生活で忘れ物が多い。火の消し忘れや鍵の閉め忘れ、書類忘れなどが多発

・約束の時間に遅れる、約束を忘れる、締め切りや期限に間に合わない

・注意力や集中力に欠け、他人と話していてもストーリーを追えない、内容を忘れてしまう(他人から話しかけられても、話を聞いていないように見える、と指摘されることが多い)

・単調な仕事や読書、計算を持続することが苦痛

・失言や相手に強く言いすぎてしまう事が多い

・世の中の常識に納得できない。独自の世界観で生きている

 

ADHD当事者の話を聞いていると、家を家事にしかけたり、公共料金を払い忘れてライフラインが止まった経験が多い事に驚かされます。文字通り「ギリギリでいつも生きている」事に快感を覚え、先延ばししてしまった結果なのかもしれません。

とはいえ、脳内はいつもやかましく、人を怒らせ、情報の取捨選択に困難が生じている状態は本人も辛いですよね。次の章でADHDの原因を見ていきましょう。

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ADHDの原因

ADHD(注意欠如多動症)の原因ははっきりとはわかっていませんが、「脳障害の説」環境要因の説」があり研究されています。脳神経の機能障害、特に前頭葉の働きが弱いことが関係しているとされています。

ADHDの場合、注意集中や行動制御の機能に何らかの偏りがあり、前頭葉が機能していないのではないかとされています。

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前頭葉がうまく機能するためには、神経伝達物質ドーパミンが情報処理と情報伝達に特化したニューロンによってバトンリレーのように運ぶ必要があるのですが、ADHDの場合、このバトンリレーが失敗するため、前頭葉までドーパミンが届きにくくドーパミンが不足し、それが原因で注意欠陥、多動性、衝動性という3つの症状が表れるとされています。

また、ADHDは遺伝率が高いとされ、注意欠如・多動症発症のエピジェネティクス仮説によると、20の双生児研究からADHDの遺伝率は76%という数字が導き出されています。第一子に多く見られ、男児の方が特性がより強く出るとされています。

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ADHDの特性・特徴、原因とは?ASD(自閉スペクトラム症)と何が違うの?

ASD(アスペルガー・自閉スペクトラム症)発達障害の一種であり、ADHDとは真逆の特性を持っていますが、表面的にそっくりな出方をする部分があります。また、ADHDASD両方の特性を兼ね備えた当事者が多いために複雑な出方をする場合が多く見られます。

 

ASDにおいては「社会的想像力と柔軟な思考の障害」と「人の気持ちを汲み取る事の苦手さ」、「こだわりの強さ」などが特徴としてあげられます。「陽気で大雑把なADHD」と「神経質で周囲の事に興味が薄いアスペルガー」、持っている特性は違うはずなのに同じような事象が見られる背景には原因と表出に違いがある事があげられます。以下で例を出してみましょう。

 

ADHDASD共によく現れる現象としては以下のものがあります。

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忘れ物

ADHD:注意力散漫で忘れてくる。部屋が汚くて物がみつけられない
ASD:一点に集中していて、他のことが頭に入らずに忘れてくる

失言

ADHD:衝動的にしてしまう。怒られている原因は解るので、後で反省する
ASD:自分の感覚では失言に当たらないことが他人にとっては失言となる。何故怒られてるか分からない。

マルチタスクの苦手さ

ADHD:情報の整理整頓の苦手さ、忘れっぽさ
ASD:脳の構造自体がシングルタスク、割り込み処理に耐えられない

上記のように事象としては同じなのですが、根底原因は特性により様々な出方をする出来事はたくさんあります。個々の性格や生活習慣によってもトラブルの出方は変わってくるので、「自分の特性と原因を把握」しつつ、周囲にもわかりやすく説明しましょう。

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ADHDかも?と思った時の相談先

症状に悩んで精神科への受診を考えたが「発達障害が診断できる病院はなかなか予約が取れない」し、「保険の効かない検査に2〜3万円程度掛かる」と考えると、もっと気軽に相談できる場所があると良いですよね。以下で日常の困りごとを気軽に相談できる場所を紹介します。

 

発達障害者支援センター

発達障害がある方々に向けて、総合的な支援を目的とした機関で都道府県・指定都市に設置されています。

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精神保健福祉センター

精神障害のある方の相談や指導を行う機関になります。精神保健福祉士がアドバイスをしてくれます。

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自助会

発達障害の当事者が日常の悩みを共有する会になります。主催者によって方式やカラーが異なるのでいくつかの会に足を運んでみてください。オンラインで参加できる場合もあります。

参考: 全国で自助会を開催している石橋代表の「さかいハッタツ友の会」

 

発達障害を診断できるのは医療機関(病院)のみになりますので、あくまで参考程度にとどめておいてください。また、「脳波で発達障害を診断」など謳うクリニックがありますが、発達障害は脳波では診断出来ませんのでご注意ください。

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まとめ

ADHDは顔つきのみで判断できるものではありませんが、一定の特徴もあるようで、当事者として納得出来る部分もありました。行動や困りごとと合わせて検証していけるとよいと思います。

発達障害の困りごとは根が深く、特性だけでなく性格や習慣、過去のトラウマなども複雑に絡んでくるため、自分一人で解決が難しい場合は、心理士カウンセリングなどプロの手を借りることをオススメします。

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