朝起きれない病気の原因と対策|生活リズムを改善する方法

朝起きれない 精神疾患

朝起きれない

朝起きれない病気と対処法

朝起きるのが苦手で、会社に遅刻してしまったり、学校に行けないという発達障害や精神疾患の方も多いのではないかと思います。周囲からは「甘え」と言われることもあり、自分では原因や対処法が分からず、気分が滅入ってしまいますよね。

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新生活が始まるときや大型連休明けなど、さまざまな場面で「朝起きられない」悩みを抱えていませんか。特に寒い季節は朝起きるのがつらいですよね。

このページでは、朝起きられない理由や関連する病気の特徴、適切な対処法について解説します。

あなたの改善の一歩となれば幸いです。気持ちよく朝を迎えるための具体的な方法を一緒に考えていきましょう。

朝起きれない原因について

睡眠外来で診察を行う中で、よく見られる医学的な原因には、睡眠の問題、生活習慣の影響、こころの病気、起立性調節障害、低血圧などがあります。

また、発達障害による脳の過活動が睡眠に影響し、起床困難の理由になることもあります。複数の要因が重なって起床困難を引き起こしている場合もありますので、あなたの状況に該当するものがないかチェックしてみてください。

人間の体内時計は約24.2時間のリズムで動いていると言われています。光や食事によって毎朝リセットされ、24時間のリズムに調整されています。このリセットがうまくいかないと、朝起きられなくなります。

体内時計のリセットがうまくいかない原因には大きく分けて以下の3つがあります。

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朝が起きれない3つの原因

病気

過眠症双極性障害うつ状態発達障害などが原因で日中の眠気が強まることがあります。

起立性調節障害では、血圧が低下して脳循環に影響し、めまいや立ちくらみが起きて朝起き上がれません。

 

リズムの乱れ

夜勤などで生活リズムが乱れていると、朝起きるのが難しくなります。

日中にお昼寝をしてしまい、睡眠リズムが崩れていることも原因の一つです。

体内時計が長い

体内時計の長さは人によって異なります。体内時計が長い人は、毎朝大きな調整が必要となり、なかなか起きることができません。いわゆるロングスリーパーです。

これらの要因を理解し、自分の状況に合った対処法を見つけることで、朝の起床が楽になるかもしれません。

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体内時計とメラトニン

体内時計は、メラトニンというホルモンを使って覚醒と睡眠のリズムを調整しています。メラトニンは一日中分泌されていますが、夜の8時ごろから分泌が増え始め、真夜中にピークを迎え、朝にはほとんど分泌されなくなります。

メラトニンと光には2つの重要な関係があります。

光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制される

光が目に入ると、その情報が脳の視床下部にある視交叉上核に伝わり、そこから松果体に情報が送られます。松果体がメラトニンの分泌を抑える働きをします。

日中にメラトニンが抑制されると、夜に多く分泌される

日中に十分な光を浴びることで、夜間にメラトニンがしっかり分泌されるようになります。したがって、日中の日光浴は非常に重要です。

このように、体内時計を整えるためには、メラトニンと光の関係を理解することが大切です。

睡眠障害の一覧

朝起きれない要因として、睡眠時間が足りているのか、睡眠リズムが整っているのか、そして、睡眠の質に異常はないのかに注目して考えてみましょう。

ポイント

  • 睡眠時間が足りていますか?
  • 睡眠・覚醒のリズムリズムが整っていますか?
  • 睡眠の質に異常はないですか?

睡眠不足

毎日夜遅くに寝ると、翌朝は深い眠りの状態にあるため、目覚まし時計に反応せず、布団から出られません。普段から睡眠時間が短い生活を送っていると、朝起きるのが難しくなります。寝不足が起床困難の大きな原因になります。

参考:睡眠不足症候群。寝不足の症状と身体への影響について

 

睡眠相後退症候群

脳内にある体内時計は、私たちの睡眠と覚醒のリズムを調整していますが、夜に光刺激を受けると体内時計が遅れ、就寝と起床時間が後退します。

これにより、宵っ張りの朝寝坊のパターンとなり、夜は元気で活動できることが多いですが、目覚まし時計に反応せず、朝は起きられなくなります。

寝る前にスマホを見たり、深夜までオンラインゲームやSNSに没頭していて子どもの頃から夜更かしをしていると、睡眠リズムが遅くなります。

大人になってもその習慣が続くことがあり、これがひどくなると、昼夜逆転の生活リズムになってしまいます。

【参考記事】

睡眠相後退型の睡眠リズム障害:よくある原因、症状と対処法について。

自閉スペクトラム症と睡眠障害:起床困難、睡眠リズムの問題が起きやすいです。

スマホ依存と睡眠障害:不登校、テレワークとの関係について

閉塞型睡眠時無呼吸

睡眠呼吸障害によって睡眠が分断されると、睡眠の質が悪化します。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、上気道が閉塞して無呼吸や低呼吸状態になる症状で、睡眠時無呼吸症候群の原因の95%を占めています。

肥満、顎の形態、扁桃肥大などの原因で上気道が閉塞すると、眠っている間に呼吸が止まり、度重なる覚醒が生じてしまいます。

このため、睡眠が浅くなり、朝起きられない症状や日中の眠気が現れます。朝起きられないのは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が原因かもしれません。

参考:「睡眠時無呼吸症候群」原因と主な症状、治療法について。

参考:フラッシュバック

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その他の睡眠障害

夜眠っているときに脚がピクッと動く「周期性四肢運動障害」や、激しい寝言や夢の内容に反応して体を動かしてしまう「レム睡眠行動障害」があると、眠りの質が低下します。これが原因で、ぐっすり眠れず朝起きられないことがあります。

また、小さい頃から睡眠時間が長い「ロングスリーパー」の体質の人は、睡眠不足になりやすく、前日の夜に早めに寝ないと翌朝起きられないことがあります。

女性では更年期による睡眠への影響、高齢者では認知症に伴う睡眠障害も、朝起きられない原因になります。

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参考:境界性パーソナリティ障害とは?

 薬の副作用

不眠症の治療のために、睡眠薬を服用されている方の中には、長時間作用型のものを処方されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

長時間作用型の睡眠薬は、効果が長く持続するため、夜中に目が覚めにくくなるというメリットがあります。しかし、その反面、朝まで薬の効果が続いてしまうというデメリットもあります。

長時間作用型睡眠薬の主な副作用

  • 朝まで続く眠気:起床後も眠気が残り、日常生活に支障をきたすことがあります。
  • 倦怠感:朝から体がだるく、集中力が低下することがあります。
  • ふらつき:薬の影響でふらつき、転倒する危険性があります。
  • 記憶障害:前日の記憶が曖昧になることがあります。

長時間作用型睡眠薬を服用する際の注意点

  • 服用量を守ること:医師の指示に従い、決められた量を守って服用しましょう。
  • 服用時間を守ること:一般的には、寝る直前に服用するように指示されます。
  • アルコールを控えること:アルコールは睡眠薬の効果を強めるため、服用中は控えるようにしましょう。
  • 車の運転や機械の操作を控えること:睡眠薬の影響で、注意力や判断力が低下することがあります。

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低血圧

朝が苦手で午前の仕事が捗らない人の中には、低血圧が原因の場合があります。最高血圧が100mmHg以下が目安です。低血圧の人は、普段から疲れやすく、食欲がなく、立ちくらみが多く、朝スッキリ起きられないといった症状が出ます。脳への血流が不十分になることがあり、女性の場合、貧血が合併すると症状がさらに悪化します。

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起立性調節障害

起立性調節障害は、自律神経の働きが悪くなり、立ち上がったときに血圧が上がらず、体や脳への血流が低下する病気です。このため、朝起きられない、朝の食欲不振、全身のだるさ、頭痛、立ちくらみなどの症状が現れます。特に午前中に症状が強く、午後になると回復することが多いです。

この病気は、小学校の高学年から中学校の思春期の子どもによく見られますが、成人でも発症することがあります。症状が続くと、徐々に夜型の生活になり、概日リズム睡眠覚醒障害を併発することもあります。朝起きられないために不登校になるケースも多く知られています。

学校の先生や職場の上司に事情を説明し、病気について理解してもらうことも重要です。

参考:起立性調節障害。病気の特徴と対処法について。

 ストレス

職場や学校での人間関係やさまざまなプレッシャーがあると、眠っているときにも緊張が続き、目が冴えてしまいます。その結果、夜遅くまで寝付けない、眠りが浅いといった症状が現れ、朝起きられず目覚めが悪くなります。

このような状態が続くと、環境の変化に順応できずに長期間強いストレスを受けることになります。これにより、抑うつ、不眠、起床困難、やる気が出ないなどの症状が現れる「適応障害」という病気になることがあります。

過度の負担が原因で、適応障害による睡眠障害が起こると、夜遅くまで寝付けず、眠りが浅いため朝の目覚めが悪くなります。このような症状が続く場合は、適切な対応が必要です。

参考:ストレス。よくある原因と身体への影響について。

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参考:医師の意見書とは?

うつ病

うつ病の症状として、朝起きた後に気力がわかず再び寝込んでしまうことがあります。専門医の指導が必要です。うつ病では、早朝覚醒が出現しやすく、これが診断の手がかりになります。また、深い眠りである徐波睡眠が少なくなるため、眠りが浅くなります。その結果、ぐっすり眠れた感じがせず、疲労感が蓄積し、朝起きたときの倦怠感が問題になります。寝つきが悪いことで昼夜逆転になる場合もあります。

うつ病睡眠障害には不眠が多いですが、過眠が生じるタイプもあります。この場合、朝起きられず昼過ぎまで寝込んでしまうことが問題になります。精神科や心療内科の診察を受けて、休養することが重要です。

さらに、冬季うつ病(季節性感情障害)は、冬期に日照時間が短くなることが影響して発症します。冬は眠くて朝起きられない症状が出ます。光療法を行うと、うつ症状が軽減されることがあります。

 

参考:冬季うつと睡眠。抑うつ気分、過眠、過食の特徴を有する精神の病気について。

 

朝起きれない症状の対策

もし何らかの病気が背景にある場合は、その治療が必要です。しかし、生活習慣を見直して朝起きられるようにする方法もあります。体内時計のリズムをリセットし、太陽のリズムに合わせることが大切です。

体内時計を整えるためのコツは、次の2つです。

  1. 起床時間を一定にすること
  2. 昼寝を30分以内にすること

毎日同じ時間に起きて、昼寝を短時間にすると、自然に夜になると眠気が出てきます。この自然な眠気を大切にして眠ると、生活リズムが整っていきます。

多くの人が早く寝ようと意識しますが、これは逆効果です。リズムに合わない時間に無理に寝ようとしても、なかなか寝付けません。実際、本来のリズムの1~2時間前はもっとも睡眠がとりにくいと言われています。小さいころ、遠足前に「明日は早いから早く寝よう」と思ってもなかなか眠れなかった経験があるのではないでしょうか?

ですから、眠る時間を気にしすぎず、起きる時間を大切にしましょう。

参考:TEACCH

参考:発達障害者支援センターとは?

 

起床時間を一定にする

毎日のリズムのスタートを揃えることで、夜になると自然な眠気がくるようになります。その眠気を利用して眠ると、少しずつ生活リズムが整い、朝起きやすくなります。

こちらも参考に:クローズ就労とは?両方で働いてみて分かったこと。メリットやデメリット

参考:相談支援事業所とは?

仕事や予定がある場合

  1. 休日の寝坊は1時間まで
    休日に寝坊しすぎると、平日に朝起きられなくなります。休日の寝坊は1時間程度にとどめましょう。ガイドラインでは2時間以内とされていますが、私は1時間をおすすめします。
  2. テレビのオンタイマーを利用する
    寝室にテレビがある方は、朝決まった時間にオンタイマーを設定してみてください。テレビがつくと音声や光が刺激となり、自然と目が覚めやすくなります。
  3. レースカーテンを使う
    プライバシーに配慮しつつ、レースカーテンにして朝日を取り入れることで、光の刺激で覚醒が促進されます。朝、同居者にカーテンを開けてもらうのも良い方法です。

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長期休暇や休職中の場合

  1. 起床時間を少しずつ早める
    自宅での生活が中心だと予定がなくて起きにくいので、理想の起床時間を目標に少しずつ早めていきましょう。1時間ずつ早めると効果的です。
  2. ペースメーカーを作る
    起床時間がある程度整ったら、朝に楽しみな予定を作りましょう。例えば、好きなテレビ番組を見つけると良いです。続きが気になる番組だとさらに効果的です。NHKの朝ドラなどはおすすめです。
  3. 午前中の運動習慣をつける
    午前中に運動することで、体内時計のリズムが早くなり、睡眠も深くなります。運動はセロトニンの神経活動を高め、ストレスホルモンの働きを抑えるとされています。週に3回以上、中程度の強度で運動を続けることが勧められています。

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参考:休職制度

注意点

リズムを整えようとして早く寝ようとするのは逆効果です。無理に早く寝ようとしても寝付けないことが多く、リズムが合わない時間帯に寝ようとするのは難しいです。眠る時間よりも起きる時間を大事にしましょう。

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参考:精神障害者の障害等級

昼寝を効果的に取り入れる方法

昼寝をすることでリズムが崩れることがありますが、必ずしも昼寝が悪いわけではありません。午後に眠気を感じて活動が落ちるなら、むしろ短時間の昼寝を取ったほうがリズムが整います。ここでは、仕事や予定がある場合と長期休暇や休職中の自宅生活の場合に分けて、具体的な昼寝の方法を紹介します。

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参考:償還期間とは?
参考:職業訓練受講給付金とは?

仕事や予定がある場合

昼休みに昼寝

昼食後~午後3時までの短時間の仮眠は眠気に対して非常に効果的です。昼休みを利用して少し寝ることで、午後の眠気がスッキリします。

カフェインを少し取ってから寝る

カフェインは15~30分ほどで効果が出始めるため、昼寝前に少し取っておくと目覚めが楽になります。ただし、カフェインの取り過ぎには注意してください。

目を閉じて休める

昼寝ができなくても、目を閉じて休むだけでも効果があります。視覚からの情報処理が減り、脳の疲労が軽減されます。

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長期休暇や休職中の場合

ベッドに入らない

自宅で過ごす場合、ベッドは天敵です。つい長時間寝てしまうので、ベッドに入らないことが重要です。毎朝寝具を片付けて、すぐに眠れない環境を作りましょう。

机で寝る

短時間の昼寝を取る場合、机で寝ると寝返りが打てず、自然と短時間で目が覚めます。

アラームをかける

昼寝をする時は、アラームをかけて時間を管理しましょう。

眠くなったら外出する

眠気が来たら外出するのも効果的です。近くの図書館や公園、本屋さんで立ち読みするなど、お金がかからない場所をリストアップしておくと良いでしょう。

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昼寝のポイント

  • 昼寝は午後3時までに短時間で取ること。
  • カフェインの効果を利用する。
  • 目を閉じて休むだけでもOK。
  • ベッドに入らないようにする。
  • アラームを活用する。
  • 外出してリフレッシュする。

これらの方法を実践して、生活リズムを整えましょう。

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まとめ

しっかりとしたセルフケアを行っても、朝起きられない状況が続いている場合は、医師の診察が必要です。単に気持ちの問題と決めつけないことが重要です。医療機関の診察では、まずどんな睡眠の問題があるか、その原因を調べることから始まります。

睡眠障害が疑われる場合は睡眠外来を、こころの病気が影響している場合は精神科や心療内科を受診してください。

 

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