情緒不安定の原因と対策、症状と対処法。考えられる病気の診断名

情緒不安定 精神疾患

情緒不安定

「イライラする」「気分の波が激しい」「理由もなく涙が出る」

このように、感情コントロールが難しく、気持ちが休まらない状態を経験したことはありませんか?

特に、知的障害発達障害、精神疾患の方々は健常者より情緒不安定になりやすいとされています。

この記事では、情緒不安定の原因、具体的な症状、そして辛い状況を乗り越えるための対処法を詳しく解説します。

参考:フラッシュバック

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  1. 情緒不安定とはどのような状態?
  2. 情緒不安定なときにみられる特徴
    1. 涙が止まらない
    2. 些細なことでイライラする
    3. 感情の起伏が激しい
  3. 情緒不安定の原因とは
    1. 身体的な要因
      1. 睡眠不足
      2. ホルモンバランスの変化
      3. カフェインやニコチン、アルコールなどの過剰摂取
      4. 身体疾患の症状
    2. 精神的な要因
      1. ストレスが溜まっている
      2. 精神疾患の症状の一つ
    3. 外的な要因
      1. 環境の変化
      2. 季節による影響
  4.  情緒不安定な状態が続くときに疑われる疾患。何科を受診する?
    1. うつ病
    2. 双極性障害(双極症)
    3. 社交不安症
    4. 適応障害(適応反応症)
    5. 統合失調症
    6. 気分変調症(持続性抑うつ症)
    7. 更年期障害
    8. アルコール使用症(ARD)
    9. PTSD(心的外傷後ストレス症)
    10. 月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)
    11. 身体疾患
    12. 自律神経失調症
  5. どこの医療機関に行くとよい?診断や薬は?
  6. 日常生活で情緒不安定なときの対処法
    1. しっかりと休養する
    2. 生活リズムを整える
    3. 適度に運動する
    4. 自分の気持ちを整理する
    5. 周りの人や専門家の力を借りる
    6. 認知行動療法
    7. マインドフルネス
  7. 情緒不安定なとき、病院以外で相談できる場所
    1. 心理状況について相談したい場合
      1. 精神保健福祉センター
      2. カウンセリング
    2. 情緒不安定で就労が続かない、これからの仕事について相談したい場合
      1. 地域若者サポートステーション
      2. 就労移行支援
      3. 就労継続支援A型・B型
  8. まとめ

情緒不安定とはどのような状態?

心が不安定で、感情の起伏が激しい状態を情緒不安定と呼びます。落ち込んだり悲しくなったりする一方、イライラしたり攻撃的になったりと、感情の変化や落差が大きいのが特徴です。

怒っていたと思ったら突然泣き出したり、急に攻撃的になったりと、感情のアップダウンが激しくコントロールが難しくなるのも情緒不安定の表れです。

感情の波は誰にでもありますが、情緒不安定は病気の症状としてあらわれることもあります。情緒不安定な状態が長く続いたり、日常生活や仕事に影響が出る場合は注意が必要です。

 

情緒不安定なときにみられる特徴

涙が止まらない

わけもなく突然涙が出たり、涙が止まらなくなったりした経験は誰しもあるのではないでしょうか。特に理由もなく悲しくなったり涙が出たりすることも、情緒不安定の症状の一つです。

このような状態が長く続くと、精神的な問題があるのではないかと不安や心配を感じる人もいるでしょう。

数週間たっても同じ状態が続いているなど長期にわたる場合は、自覚がなくても日常のどこかでストレスや不安を抱えているのかもしれません。

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些細なことでイライラする

些細なことでイライラしたり、普段は怒らないようなことに怒りを感じたりすることがあります。また、他の人に八つ当たりしてしまい、その後落ち込むこともあるかもしれません。

感情の起伏が激しい

情緒が不安定なときには、気分や感情の波が激しくなることがあります。元気なときと気分が沈むときが交互に訪れたり、ネガティブな思考に陥ったり、言葉や行動に過敏に反応しやすくなるなど、人によってさまざまです。しかし、普段と比べて気分の変動が大きくなったり、感情のコントロールが難しくなったりする場合は、情緒が不安定になっている可能性があります。

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参考:認知再構築法

情緒不安定の原因とは

情緒が不安定になる要因は、その人や取り巻く状況によってさまざまであう。ここでは、身体的な要因、精神的な要因、外的な要因の3つの観点で観ていきます。

身体的な要因

睡眠不足

生活リズムの乱れ、ストレス、悩み事、感覚過敏、睡眠環境、運動不足、腸内環境の問題など、さまざまな要因が背景にある可能性があります。眠れない、途中で目が覚めるといった状態が続く場合は、まず医師に相談することをおすすめします。

参考:厚生労働省「休養・こころの健康」

参考:不眠症

ホルモンバランスの変化

個人差はありますが、男女ともにホルモンの分泌量が変動すると、身体的な不調や気分の変化を感じることがあります。そのようなときにストレスを感じると、精神的な不調を感じやすくなるかもしれません。

女性の場合、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の主要な女性ホルモンが月経周期に合わせて分泌されます。これらのホルモン分泌量の変化は、気分、イライラ、集中力などに影響を与える可能性があります。

カフェインやニコチン、アルコールなどの過剰摂取

カフェイン、ニコチン、アルコールの過剰摂取は、個人差はありますが、依存や気分の変化を引き起こし、情緒不安定を悪化させる可能性があります。

  • カフェインは一時的に気分を高め、集中力を向上させる効果がありますが、過剰摂取すると不安感や神経過敏、睡眠の質の低下、疲労感の増大などを引き起こし、情緒不安定を悪化させる可能性があります。

 

  • ニコチンは一時的にリラックス感をもたらしますが、長期的には依存を引き起こし、ストレスや不安を増大させ、気分のむらを引き起こす可能性があります。

 

  • アルコールは短期的にリラックス効果をもたらしますが、過剰摂取は睡眠の質の低下、うつ病不安障害のリスク上昇、アルコール依存症など、情緒不安定を悪化させる要因となります。

 

情緒不安定を感じている場合は、カフェイン、ニコチン、アルコールの摂取を控え、代わりにリラックスできる健康的な方法を見つけることが重要です。

参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「たばことストレス」
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールの作用」

身体疾患の症状

身体疾患による痛みや、その痛みへの不安や恐怖は、ストレスや睡眠不足を引き起こし、情緒不安定を招く可能性があります。

精神的な要因

ストレスが溜まっている

ストレスが溜まると、イライラ、不安、落ち込みなどの情緒不安定な状態になることがあります。

精神疾患の症状の一つ

うつ病双極症(旧称:双極性障害)統合失調症パーソナリティー症(旧称:パーソナリティ障害)PTSD(心的外傷後ストレス症)などの精神疾患には、情緒不安定が症状として現れることがあります。

また、診断がつかなくても、過去に心が傷ついた体験がある場合にも情緒不安定になることがあります。

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外的な要因

環境の変化

転職や退職、引っ越しなど、環境が大きく変化すると情緒が安定しにくくなります。例えば、慣れない職場や新しい住環境に適応するストレスが原因で、不安やイライラを感じやすくなることがあります。

また、結婚や昇給といった嬉しい変化でも、準備や新しい生活への適応で心身に負担がかかる場合があります。こうした環境の変化は、ポジティブなものであっても情緒の安定に影響を与えることがあります。

季節による影響

季節の変わり目には気温や気圧、日照時間が変化するため、気持ちが落ち込んだり、やる気が出なかったりと体調が不安定になることがあります。

特に冬は日照時間が短くなるため、精神を安定させる働きをするセロトニン(脳内の神経伝達物質)の分泌量が減少し、悲しく憂鬱な気分になって心身に影響が出る人もいます。

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 情緒不安定な状態が続くときに疑われる疾患。何科を受診する?

「情緒不安定」は、誰もがストレスや不安を抱えた時に経験する自然な状態ですが、長期化したり、日常生活に支障をきたすほど深刻な場合は、精神疾患が原因である可能性があります。

以下では、疾患が原因で情緒不安定な状態が長く続く場合に考えられる精神疾患について解説します。

うつ病

うつ病は精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなる状態です。日本人の約15人に1人が一生のうちにかかると言われており、早めに適切な治療を受けることが重要です。

この病気は気分が強く落ち込んだり、意欲が低下したりして、日常生活や社会生活に支障が出ることがあります。

うつ病の症状は人によってさまざまで、気分の落ち込みや不安感、憂うつ、意欲や集中力の低下などの精神症状に加え、頭痛や吐き気、めまい、不眠、食欲不振などの身体症状も現れることがあります。

1日中気分が落ち込んで何もする気になれない、悪いほうにばかり考えてしまう、楽しめない、眠れないなどの状態が見られることもあります。こうした症状がほとんど毎日、2週間以上続く場合は、うつ病の可能性が高いです。

双極性障害(双極症)

双極性障害(双極症)は、気分の落ち込み(うつ状態)と気分の高揚(躁状態)が繰り返し現れる疾患です。これらの気分の浮き沈みは、通常の喜びや悲しみの範囲を超えた激しいもので、日常生活に困難をもたらします。双極性障害は再発率が高い疾患ですが、生活リズムを整え、服薬を継続することで再発を予防できます。

この病気は20・30代に発症することが多く、発症頻度はおよそ100人に1人と決して稀な病気ではありません。うつ病の患者は女性が多い一方、双極性障害は男女差がほとんどありません。「障害」という言葉に対する偏見や患者さん自身の心理的負担を軽減するため、最近では「双極症」とも呼ばれています。

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参考:境界性パーソナリティ障害とは?

社交不安症

社交不安障害(SAD)には、人前で注目が集まる状況に対する強い恐怖や不安の症状があります。他者の注視を過度に恐れ、特に社交場面での失敗や恥をかくことを極度に心配します。このため、こうした場面を避けるようになり、日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。

社交不安障害では、強い緊張と共に、赤面、大量の汗、動悸などの身体症状が現れることがあります。これにより、「失敗したらどうしよう」、「恥をかいたらどうしよう」といった不安がさらに強まり、社交の場面を避ける行動が増えてしまいます。

社交不安障害の原因はまだ明確には解明されていませんが、最近の研究ではセロトニン神経系とドーパミン神経系の機能障害が関与している可能性が示唆されています。脳には約140億個の神経細胞があり、これらの細胞は神経伝達物質によって調節されています。セロトニンもその一つであり、そのバランスの崩れが社交不安障害を引き起こす原因の一つと考えられています。現在も世界中の研究者がその発症原因の解明に取り組んでいます。

適応障害(適応反応症)

適応障害とは、何らかの出来事や現在置かれている状況からストレスを受けたことが原因で、抑うつ感や不安、いらだち、集中力の低下や不眠、食欲の減退などの症状が現れる精神疾患です。

環境に適応できず、不安感や抑うつ気分、不登校、出勤拒否、対人トラブルなどの問題が生じ、社会生活に支障をきたす状態を指します。適応障害は、特に就学、就職、転職、結婚、離婚など、生活環境が大きく変わる際に発症しやすいとされています。

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統合失調症

統合失調症は、思考や行動、感情を統合する能力が低下することによって、幻覚妄想、まとまりのない行動が表れる精神疾患です。

約100人に1人がかかるとされ、思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。統合失調症には、健康なときには見られなかった症状が現れる陽性症状(妄想や幻覚など)と、健康なときにあった機能が失われる陰性症状(意欲の低下や感情表現の減少など)があります。

その原因は脳の機能にあると考えられており、薬や精神科リハビリテーションなどの治療によって回復が可能です。

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気分変調症(持続性抑うつ症)

気分変調症(持続性抑うつ症)は、ほぼ一日中抑うつ状態が続き、抑うつがない日のほうが少ないという慢性的な精神疾患です。

この状態は日常生活や社会生活に支障を引き起こし、少なくとも2年以上続くことが特徴です。

抑うつ状態の間には、食欲の減退や増加、不眠や過眠、気分の落ち込み、疲労感、自尊心の低下、集中力の低下、絶望感など、いくつかの症状が現れます。

 

気分変調症はうつ病と比べると軽度ですが、本人にとっては強い苦しみを伴います。経過の中で、うつ病パニック障害全般性不安障害、アルコール依存症、パーソナリティ障害などにつながることもあります。

 

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更年期障害

更年期障害とは、40歳代以降の男女において、女性ホルモンのバランスが崩れることにより、体調不良や情緒不安定などの症状が日常生活に支障をきたす状態を指します。

更年期にはホルモンバランスが大きく変化するため、さまざまな症状が出ることがあります。女性の場合、閉経の5年前から5年後までの10年間を更年期とし、この時期に症状が現れやすくなります。

閉経の年齢は人によって異なり、40歳代前半から50歳代後半までさまざまです。

一方、男性の場合は、40歳代後半ごろから更年期の症状が表れることがあります。更年期障害はホルモンバランスの変化によって引き起こされますが、性格や仕事・家庭環境も発症に影響します。

アルコール使用症(ARD)

アルコール使用障害(AUD)またはアルコール使用症(ARD)とは、精神的および身体的な影響が出ているにもかかわらず、アルコールの摂取や管理を止められない症状のある疾患です。

この状態は、社会的、職業的、または健康への悪影響があるにもかかわらず、アルコール摂取を制御する能力に障害があることを特徴とします。アルコール依存症、アルコール中毒症、俗に「アル中」とも呼ばれます。

AUDは脳の障害と考えられており、軽度、中等度、重度に分類されます。アルコール乱用による脳の長期的な変化のため、AUDは永続化し、再発の傾向があります。

PTSD(心的外傷後ストレス症)

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、災害や事故、犯罪など生命の危険を感じる出来事を体験または目撃したことがトラウマ(心的外傷)となり、心身にさまざまな症状が現れる疾患です。

この状態では、死の危険に直面した体験の記憶が自分の意思とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢として再現されたりすることがあります。その結果、不安や緊張が高まり、辛さのあまり現実感を失うこともあります。

参考:TEACCH

参考:発達障害者支援センターとは?

月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)

以下のような症状が月経前の3〜10日間に繰り返し現れる場合、月経前症候群(PMS)と診断されることがあります。

  • 情緒不安定、イライラ、不安
  • 眠気、集中力の低下、睡眠障害
  • 食欲不振・過食
  • めまい、倦怠感
  • 腹痛、頭痛、腰痛、むくみ など

特に精神的な症状が強く表れる場合には、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性もあります。PMDDは、生理前にイライラや気分の落ち込みなど心の不調が強く出て、日常生活に支障をきたす状態です。

PMSやPMDDの原因ははっきりしていませんが、生理をコントロールする女性ホルモンが関わっていると考えられています。症状がつらい、または生活に支障をきたしている場合は、婦人科や精神科・心療内科に相談すると良いでしょう。

身体疾患

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や低血糖症などの内分泌疾患は、身体症状が精神に影響を及ぼすことがあります。また、身体の痛みや辛さから情緒が不安定になる人もいるようです。

こちらも参考に:休職期間満了による退職は解雇?それとも自己都合退職?注意点も解説

参考:厚生労働省「健康日本21(休養・こころの健康)」

自律神経失調症

自律神経失調症は、自律神経のバランスが乱れることで心と体にさまざまな症状が現れる状態を指します。具体的な症状には、頭痛、動悸、下痢や便秘などの身体的な症状や、情緒不安定、イライラ、不安などの精神的な症状があります。

また、自律神経系(交感神経系と副交感神経系)の調整がうまくいかないことにより、動悸、発汗、めまい、ほてり、頭痛、胃痛、腹痛、下痢、吐き気、ふるえ、筋肉痛、喉のつまり感、息切れ、食欲不振、全身倦怠感などの多岐にわたる身体症状が現れることがあります。

これらの症状は、特定の器質的疾患が認められない場合に自律神経失調症と診断されることが多く、症状の現れ方は人それぞれで、同時に複数の症状が出たり、時間経過とともに異なる症状に変わったりすることもあります。

こちらも参考に:精神科訪問看護(MHSW : 旧PWS)でできることは?サポート内容や具体的な事例をご紹介!

参考:リフレクティングとは?

どこの医療機関に行くとよい?診断や薬は?

情緒不安定な状態が続き、社会生活や人間関係に大きな支障をきたしている場合は、すぐに内科、婦人科、精神科、心療内科などに相談しましょう。

不調が長引くと心身ともに良くありません。

迷ったときは、相談しやすいかかりつけ医を受診するのも良い方法です。

 

日常生活で情緒不安定なときの対処法

情緒不安定なときにご自身でできるセルフケアや、予防のために日常生活でできる対処法をご紹介します。

しっかりと休養する

心身ともに回復するためには、まずはしっかりと休養することが重要です。

具体的には、以下のような方法が有効です

  • 睡眠時間を長めに取る: 睡眠不足は心身に大きな負担をかけるため、十分な睡眠時間を確保しましょう。
  • 無理な外出を控える: 体調が優れない時は、無理に出かけずに家でゆっくり過ごしましょう。
  • ベッドで横になって体を休める: 眠れない場合は、無理に寝ようとせず、ベッドで横になって目を閉じてリラックスしましょう。
  • 休日はゆっくり休む: 平日は仕事や家事で忙しくても、休日はしっかりと休んで心身をリフレッシュしましょう。
  • いつもより早めに家に帰る: 帰宅後はゆっくりと過ごせるよう、早めに帰宅することを心がけましょう。
参考:厚生労働省「休養・こころの健康」

生活リズムを整える

生活リズムを整えることは心身の健康に非常に重要で、体内時計を正確にし、規則正しい睡眠を促し、ホルモンバランスを整えて体調を安定させます。

朝決まった時間に起きて、決まった時間に睡眠をとることから始めるのがおすすめです。

食事の内容や時間を見直し、カフェインやアルコール、ニコチンの摂取を調整することも効果的です。これにより、十分な睡眠と休息が得られ、集中力や記憶力が向上し、ストレスが軽減されて精神的な安定がもたらされます。

参考:障害福祉サービス受給者証について【障害福祉サービス】種類、申請から利用までの流れ

参考:障害福祉サービス受給者証

適度に運動する

厚生労働省の調査によれば、習慣的な運動を行うことで睡眠の質が向上しやすくなるとされています。また、運動はストレス解消にも効果的です。まずはストレッチやウォーキングなど、簡単な運動から始めると良いでしょう。

自分の気持ちを整理する

自分の気持ちをノートに書き出すことで、客観的に捉えやすくなり、気持ちが落ち着く可能性があります。また、病院を受診する際にそのノートを医師に見せて、現状を説明するのも有効です。

周りの人や専門家の力を借りる

悩みや不安を抱えている人の中には、カウンセリングを必要としている人も少なくありません。誰かに気持ちや悩みを話したり、助けを求めたりすることもひとつの対処法です。

何らかの悩みや不安を抱えていて、休養を取ったり薬物療法を行ったりしても根本的に解決できない場合には、精神保健福祉センターカウンセリングなどを利用し、医師をはじめとした専門家の力を借りてください。決して一人で無理をしないようにしましょう。

 

認知行動療法

認知行動療法とは、「気持ちや体」が「考えや行動」によって影響を受けるという理論に基づく治療法です。考えを変え、問題に対処する行動を取ることで、気持ちや体を改善することを目的としています。

認知行動療法では「3つのC(認知・コミュニケーション・コントロール)」を実践して、柔軟な考え方や問題解決力を養います。これにより、薬や他人に頼らず、自分の力で問題に対処できるという自己効力感(コントロール感)を養います。

こちらも参考に:認知行動療法(CBT)の方法や効果 | 病院・自分でおこなうやり方解説

こちらも参考に:認知の歪みとは。具体例と治し方、ストレスに対処する方法紹介!

マインドフルネス

ストレスを感じると、過去の嫌な記憶を思い出しがちですが、過去の失敗に悩んだり未来を心配することで、自律神経失調症の症状は悪化していきます。

呼吸法やエクササイズ、ボディスキャンなどを通じて、過去や未来ではなく「今」の感覚に意識を戻す治療を行います。現在の自分の感覚と丁寧に向き合うことで、過去のトラウマ的な記憶を避けるのではなく、上手に付き合っていけるようになります。

参考:マインドフルネス

参考:瞑想(めいそう)

情緒不安定なとき、病院以外で相談できる場所

情緒不安定なときに、病院以外で相談できる支援やサポートを以下で紹介していきます。一人で抱え込まずに、これら施設やサービスを利用することをご検討ください。

心理状況について相談したい場合

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、精神疾患の診断を受けた人が困りごとや心の悩みについて幅広く相談できる施設です。各都道府県や政令指定都市に設置されており、精神保健福祉士臨床心理士、看護師などが対応します。

業務内容は地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、適切な精神医療の推進から、社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のための援助に至るまで、多岐にわたります。

参考:ジョブ型雇用とは?

こちらも参考に:精神疾患で障害年金をもらえない人の条件と特徴。就労中でも貰えるか?

カウンセリング

カウンセリングとは、専門的な知識や技術を持つカウンセラーが、依頼者(クライエント)の抱える問題や悩みに対して相談援助を行うことです。カウンセリングを通じて困りごとについてアドバイスを受けたり、解決のサポートをしてもらうことができます。精神保健福祉センター、保健所、保健センター精神科・心療内科の医療機関などで利用可能です。

情緒不安定で就労が続かない、これからの仕事について相談したい場合

情緒不安定な状況に対処する方法の一つとして、今後の働き方を検討することが考えられます。以下の施設では、就労に関するさまざまなサポートを行っていますので、必要に応じて相談してみてください。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーション(通称「サポステ」)は、働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までの人を対象に、就労支援を行う施設です。ここでは、就労に関する相談・面談、転職に関する指導などの支援を受けることができます。サポステは、就職活動の準備や悩みの相談をする場所であり、準備が進むことで自分に合う仕事を探しやすくなり、ハローワークなどで求人応募がスムーズにできたり、面接に余裕や自信をもって臨めるようになります。47都道府県すべてに設置されています。

こちらも参考に:発達障害者の雇用まとめ ~特性、定着率、雇用状況、採用・安定就労のポイント~

参考:相談支援事業所とは?

就労移行支援

就労移行支援は、障害のある人が一般就労を目指す際に細かくサポートする通所型の障害福祉サービスです。一人ひとりにあわせた支援計画に基づいて、働くための知識・技術の訓練や就職活動のサポートを提供します。就労に対する不安は健康管理、人間関係、職業スキル、就職活動などさまざまですが、就労移行支援事業所ではこれらの不安を課題に変え、解決するための支援を行っています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

参考:就労移行支援の報酬制度

こちらも参考に:就労移行支援はひどい?運営のからくり。不信感がぬぐえない方へ

就労継続支援A型・B型

就労継続支援は、障害や難病のある人が安定して働ける職場やサポート環境を提供する障害福祉サービスです。

就労継続支援A型では、事業所と雇用関係を結び、最低賃金以上の給料を受け取りながら働きます。
一方、就労継続支援B型では、生産活動を通じて就労の機会を得て、働くスキルを維持・向上させます。これは、障害や年齢、体力などの理由で雇用契約を結んで働くことが難しい人が対象です。

こちらも参考に:障害者雇用でWebデザイナーになれる?就職・転職はどんな求人が見つかる?

参考:休職制度

まとめ

情緒が不安定になることは、誰しも経験することです。 ちょっとしたストレスや体調不良で落ち込んだり、イライラしたりするのはごく自然な反応です。しかし、感情の起伏が激しい、長期間続く、日常生活に支障が出るなどの場合は、何らかの疾患が隠れている可能性もあります。

 

特に注意が必要な疾患としては、うつ病自律神経失調症、更年期障害などがあります。

病院に行くほどの症状ではない場合でも、自律神経が乱れている可能性があります。十分な睡眠、休息、規則正しい生活、適度な運動、ストレス解消などを心がけましょう。

もし、情緒不安定な状態が長く続いたり、日常生活や仕事に支障が出ている場合は、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。 専門家が適切な診断と治療を行うことで、症状を改善することができます。

一人で抱え込まず、ぜひ専門家の助けを借りてください。

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