心理検査の種類と目的。活用方法。発達障害の診断には使えるの?

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心理検査

心理検査って? 心理検査の種類と活用方法

「心理検査」についてどのようなイメージを持っていますか?「考えていることが全て分かってしまいそう…」や「これで診断がつくの?」など、何に役立つのか分からないと感じる方も多いかもしれません。

心理検査には様々な種類がありますが、共通して言えることは、より客観的に自分自身を知る手段であるということです。これにより問題の解決に繋がる可能性もあります。

心理検査は、知能水準や発達水準、パーソナリティを評価するために広く用いられます。病院などでは、支援計画や治療計画を立てるための情報を集める一つの方法として実施されます。

知能検査(田中ビネー式、WAIS、WISC)、発達検査(新版K式など)、人格検査(質問紙法のMMPI、Y-G、CMI等、作業検査法、投影法のロールシャッハテスト、SCT、TAT等)は検査目的によって使い分けがされています。

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得られた数値や情報を元に治療者が理解し、支援・治療計画を立てるための基盤となり、検査を通じて、どのようにしたら自分自身がより楽に過ごせるか、どんな工夫や対策を身に着けるべきかを客観的に理解することが重要です。

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心理検査の目的

一般的に、3つの「自分」がいると言われています。それは、「自分が知っている自分」、「他人が知っている自分」、「自分も他人も気づいていない自分」です。

心理学の知見から、人は意外と自分自身のことを知らないことが明らかになっています。これが「自分も他人も気づいていない自分」、つまり「無意識」の領域です。

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私たちは日常生活で、多くの刺激を受けて考え、判断し、行動していますが、すべてを意識して行っているわけではありません。例えば、歩くときに足の動きを一々意識していません。脳は細かなことを無意識に処理しているため、スムーズに動けるのです。この無意識の思考の代表例が直感です。直感的に何かをひらめいたり思いついたりすることがあり、その理由を説明できないことも多いでしょう。

同様に、学校に行けない、外出が怖い、電車に乗ると心臓がドキドキするなどの理由がわからない現象も、この無意識の領域が影響しています。自分ではストレスの原因がわからないのに突然眠れなくなることもあります。

心理検査は、「自分が知っている自分」や「他人から見た自分」だけでなく、「自分も他人もわからない自分」という無意識の領域も測定します。これにより、言語能力や社会性、記憶力、認知機能などを客観的に把握できます。つまり、様々な角度から自分自身の側面を理解し、問題解決に役立てることができます。

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アセスメント面接(カウンセリングを希望する方の課題を明らかにし、カウンセリングが役立つかどうかを考える面接)で心理検査を活用します。これにより、自己理解を深め、カウンセリングの導入に役立てます。

また、医療機関や他機関からの依頼で心理検査を実施し、治療、教育現場、職場での環境調整などにも役立てています。

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心理検査の活用について

心理検査を受ける方のニーズに合わせて、いくつかの心理検査を組み合わせて行います。具体的には、以下のような検査を行っています。

  • 発達障害の鑑別
  • うつ病の鑑別(※診断は医療機関で行います)
  • 性格の評価(意識・無意識の領域を含む)
  • 現在の心の状態の把握
  • 復職が可能かどうかの判断資料
  • 職業適性の評価
  • ストレストラウマ(親の死別、離婚、自然災害、対人ストレスなど)の影響の評価
  • 親子関係の評価
  • 発達検査(成人やお子様の言語的発達、認知機能、社会的発達など)

このように、多様な心理検査を通じて、個々の状況やニーズに応じた支援を提供しています。

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心理検査の種類と特徴とは?

発達のアセスメントに使われる心理検査は、大きく「発達検査」「人格検査」「認知機能検査」の3つに分けられます。それぞれの違いについて説明します。

知能検査

この検査は、個人の特性(得意なことや苦手なこと)がどのように現れるかを客観的に明らかにするために行います。知能や発達の水準を測定することで、以下のようなメリットがあります。

  • 他の人と比較して自分の特徴を知ることができる
  • 自分の中での能力のばらつきを理解できる
  • 今後の生活をより送りやすくするためのヒントが得られる

さらに、検査結果は自分自身の特性を他の人に伝える際の客観的な資料としても役立ちます。

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WISC-IV 知能検査(児童版ウェクスラー式知能検査第4版)

適用年齢:5歳0ヶ月~16歳11ヶ月の子供

WISC-IIIの改訂版は、全15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、全検査IQと4つの指標得点(言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標)が算出されます。

この検査により、全般的なIQだけでなく、個々の能力のばらつきを明らかにすることができます。これにより、お子様の支援が必要な領域や強みを把握することができ、支援計画を立てる際や日々の生活をサポートする方法を考える際に役立ちます。

WISCは、学童期以降で最も標準的に用いられる知能検査であり、言語理解(VCI)、知覚推理(PRI)、ワーキングメモリー(WMI)処理速度(PSI)の4つの指標得点、および全検査IQ(FSIQ)を評価します。

言語理解は、言語概念形成、言語推理、環境から得た知識を測定し、言語の発達状態、言語能力、結晶性能力を表します。

知覚推理は、知覚による推理、流動性推理、空間処理、視覚-運動の統合を評価します。

ワーキングメモリーは、作動記憶、注意、集中、実行機能を評価します。

処理速度は視覚情報を迅速に読み込んで処理する力を測定しますが、視覚的短期記憶、注意、視覚-運動の協調も関連します。

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WAIS-IV 知能検査(成人版ウェクスラー式知能検査第4版)

適用年齢:16歳0ヶ月~成人まで

1949年に児童版のWISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)が、1955年に成人版のWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)が開発されました。WAIS-IVも同様に、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー処理速度の4つの指標得点と全検査IQを評価し、新しいことを学習したり問題を解決したりする流動性知能を測定します。

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田中ビネー知能検査V

適用年齢:2歳~成人

1947年に心理学者の田中寛一によって出版された個別式知能検査であり、2005年に改訂されました。日本の文化やパーソナリティ特性、生活様式に即した内容が採用されており、検査への抵抗を軽減し、本来の能力を発揮しやすい構成となっています。

検査内容と特徴

  • 年齢別測定:2歳から14歳までは知能指数(IQ)と精神年齢(MA)、14歳以上は偏差知能指数(DIQ)で算出されます。検査は「結晶性領域」「流動性領域」「記憶領域」「論理推理領域」の4つの領域で評価します。
  • 年齢尺度:問題が年齢尺度によって構成されており、通常の発達水準と比較することが容易です。
  • 多様な問題構成:各問題は「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」などで構成され、日常場面に即した内容です。
  • 行動観察:検査時の行動観察の記録を記入するアセスメントシートがあり、点数から読み取りにくい子どもの様子も把握できます。

検査手順

検査者は、決められた手順と教示に従って問題を提示し、子どもの回答だけでなく反応全般を観察します。成人級の問題は因子構造的な知能の診断が可能で、「結晶性領域」「流動性領域」「記憶領域」「論理推理領域」の領域別DIQと総合DIQを算出し、プロフィールを通じて各人の特徴を把握できます。

このように、田中ビネー知能検査Vは、子どもから成人まで幅広い年齢層の知能や発達を客観的に評価するための重要なツールです。

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津守式乳幼児発達診断法

適応年齢:1か月〜7歳

津守らによって開発されたこの検査法は、1〜12か月用、1〜3歳用、3〜7歳用の3種類があります。保護者が回答する質問用紙を基に、子供の全般的な日常行動を把握し、各月齢や年齢に応じた行動ができているかを判定します。

評価領域

0〜3歳の検査では、「運動」「探索・操作」「社会」「食事・排泄・生活習慣」「理解・言語」の5つの領域が評価されます。

3〜7歳では、「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5つの領域が評価対象となります。

 

この検査では、各マイルストーンの通過率があらかじめ60%に設定されており、すべてのマイルストーンを達成する必要はありません。なお、この検査では発達指数(DQ)は算出されません。

 

新版K式発達検査

適用年齢:0歳〜成人

新版K式発達検査は、1951年に京都市児童院で考案され、2002年に改訂されました。この検査は、発達の遅れや偏りを多角的に評価し、発達障害の診断や療育の現場で広く利用されています。

検査内容と特徴

  • 評価領域:新版K式発達検査では、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3つの領域から評価します。3歳以上では「認知・適応」および「言語・社会」に重点を置いています。
  • 評価指標:発達水準は年齢で示される発達年齢(Developmental Age:DA)と、実際の年齢との比率である発達指数(Developmental Quotient:DQ)によって表されます。
  • 方法:検査は個別式で行われ、玩具や日常的な道具を使用するため、子どもの自然な行動を観察しやすい構成になっています。課題は子どもにとって遊びと感じられるように設計されており、机に向かうことが難しい子どもでも実施可能です。
  • 総合的な判断:検査者は検査結果だけでなく、子どもの動作、言語反応、感情・情緒、社会的・対人的行動も記録します。これに加え、保護者や本人からの聞き取り情報も考慮して総合的に判断します。

新版K式発達検査は、子どもの発達の全体像を捉えるための重要なツールとして、様々な場面で活用されています。

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日本版KABC-Ⅱ

適用年齢:2歳6か月〜18歳11か月

日本版KABC-Ⅱは、米国のカウフマン夫妻によって1983年に開発された知能検査を日本に向けて改訂したものです。この検査は、認知処理能力と基礎学力を個別式で測定でき、幅広い年齢層に対応しています。

検査内容と特徴

  • 認知処理能力:継次処理、同時処理、計画処理、学習処理の4つの視点から認知過程における処理能力を測定します。
  • 基礎学力:語彙、読み、書き、算数の習得度を測定し、学習障害(LD)の評価に利用されます。
  • 理論基盤:ルリア理論およびキャッテル-ホーン-キャロル(CHC)理論に基づいており、8つの能力(ルリア理論)と7つの能力(CHC理論)を幅広く測定します。

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利用方法

  • 支援・指導:認知能力と基礎学力を測定することで、両者の差異や関連要因を分析し、教育的支援や指導に直結させることができます。
  • 診断の補助:本検査のみで学習障害を診断することはできませんが、正確な診断を希望する場合は専門の医療機関に紹介します。WISC-IVの補助として「読み尺度」「書き尺度」のみを実施することもあります。
  • 信頼性の高い評価:強い能力や弱い能力を特定する際には、個々の下位検査レベルだけでなく、より信頼性が高い尺度レベルでの比較を重視します。

 

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人格検査

性格検査とは、人間の性格構造を評価する方法であり、性格(パーソナリティ)傾向を測定するための手法の事です。

この検査では、例えば物事をどのように捉えるか、こだわりや衝動的な傾向、困ったときに攻撃的になるか内にこもるかなど、思考や行動の特徴を整理することができます。

性格評価の手法のほとんどは、実際には内省的な自己申告式の質問紙や評価尺度などの生活記録に基づいています。人格検査には大きく分けて【投影法】【描画テスト】【質問紙法】【作業検査法】の4つがあります。

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【質問紙法】

質問紙法とは、あらかじめ設定された質問項目に対して、回答者が選択肢から選んだり自由に回答したりすることで、性格の特徴を把握する手法です。一般的なアンケートに似た形式であり、集団で実施できるため、一度に多くのデータを収集することが可能です。

また、データ結果をまとめることが容易で、検査者の主観が入りにくいという利点があります。しかし、回答以外のデータは得られず、回答が言語能力に依存し、深層心理まではわからないというデメリットもあります。

例えば、「はい」「いいえ」といった選択肢を選んで意識的な心理的特徴を把握する検査です。結果の数値化が簡単にできるため、客観的な比較がしやすいとされています。

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Y-G性格検査

YG性格検査は、性格検査のうち質問紙法に分類される検査方法です。被検査者は120問の質問項目に答えることで、その性格傾向を測定されます。この検査では、5系統・全15型(5系統×3類)のいずれに該当するかを判定し、被検査者の性格傾向を掴むことができます。型は検査用紙の「プロフィール判定基準」に基づいて判定されます。

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AQ-J

個人の自閉症傾向、ASD(自閉スペクトラム症)の度合いを測定し、高機能自閉症やアスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム障害のスクリーニングを行う国際的に利用されている心理検査です。

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【投影法】

投影法とは、曖昧な視覚的または言語的な刺激を提示し、それに対する連想や自由な反応から評価を行う手法です。具体的には、良い・悪い、正解・不正解といった基準が存在しない曖昧な図形や文章を提示し、被検査者が自由に反応します。その反応をデータとして収集し、無意識の性格傾向を探ることを目的としています。

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ロールシャッハテスト

ロールシャッハ・テストは、投影法に分類される性格検査の代表的な方法のひとつです。スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハによって1921年に考案されました。このテストでは、被験者に10枚の図版を提示し、それが何に見えるかを自由に反応してもらいます。その反応内容を整理し、被験者の思考過程や内面を理解していきます。インクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって、被験者の思考過程やその障害を推定します。

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SCT

文章完成という手法を取った投影法の一つであり、文章を書いてもらうことによりその人のパーソナリティー全体を推測していく心理検査になります。 本人に実際に書いてもらうことから、字の書き方、筆跡や行間などから印象を得て判断することもできます。

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【描画テスト】

描画テストは、対象となる人物のパーソナリティを言語を介さず、絵を描くことで理解する方法です。この方法では、絵の上手い下手を評価するのではなく、描かれた絵や描いている様子を通して、性格や無意識などの心理的特徴を把握します。

描画テストは、他の心理検査や面接と併用されることが多く、単体で一人の人物のパーソナリティ全てを把握することは少ないです。しかし、直観的にその人物の適応度や心の健康状態を知る上で非常に便利な手法です。

心理療法として用いられる場合には、描画療法(芸術療法)と呼ばれることもあります。

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バウムテスト

バウムテストは、世界中の心理学者によって広く使用されている投影テストで、描画検査法の一つとして日本でも多く使われています。検査方法は非常にシンプルで、被検者に1本の実がなる木を描いてもらいます。その中に投影される情報を専門家が読み解いていきます。

自由に描かれた「一本の木」から、全体的印象、樹木の形態、鉛筆の動き、樹木の位置の4つの側面から、全体的所見、風景および付属物や地平、根元、根、幹、枝、冠、果実・花・葉等、60項目あまりを判断します。これによって、その人の物の考え方や思考の癖、言葉で表現しにくい内面の気持ち、深層心理などを知るために役に立てます。

また、紙の上に描かれた木の位置や空き方、地面との関係などから、家族関係や環境、世界との繋がりなどを判断することもできます。バウムテストは「バウム」がドイツ語で木を意味することからその名がついています。

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HTPテスト

「HTPテスト」とは、「Buck,J.N(バック)」が考案した性格検査で、紙に「家」「樹木」「人物」を描いてもらい、家族イメージや自己像などを把握するものです。この検査を通じて、被験者が子どもであっても、自分の心の状態や社会的成熟度、対人関係の問題などを理解することができます。

 

【作業検査法】

作業検査法は、一定の条件のもとで簡単な作業をしてもらい、その態度や結果などからパーソナリティを測定する方法です。対象者の言語的能力に依存せず、回答を意図的に操作することが難しいため、実施しやすくて回答の整理もしやすいという特徴があります。

また、一度に大勢の検査ができるという利点もあります。ただし、簡単な作業のため、検査を受ける人のモチベーションが結果に影響しやすく、気分を害する人もいるかもしれません。

さらに、パーソナリティの一部の特定の側面しか測定できないという欠点もあります。

内田クレペリン検査

内田クレペリン精神検査は、性格検査・職業適性検査の一種で、クレペリン検査とも略されます。ドイツの精神科医エミール・クレペリンが発見した作業曲線を基に、日本の内田勇三郎が1920年代から1930年代にかけて開発しました。

日本で開発された心理検査の中で最も長く使われている検査のひとつであり、90年近くにわたって産業、教育、医療の現場で使用されています。この検査が長期間にわたり広い分野で使われ続けていることから、人の心理の普遍的な部分を判定できると評価されています。

現在でも、年間70万人が内田クレペリン検査を受検していて、その利用価値は依然として高い評価に値します。

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認知機能検査

認知機能検査は、認知症の早期発見や症状の進行を調査するための検査であり、質問への回答や作業を通じて認知機能の低下を評価します。

一定の基準を下回ると認知症の疑いがありますが、認知症の鑑別には身体検査や神経心理学検査、脳画像検査なども使用されます。

心理検査は臨床心理士や専門医によって行われ、知的機能や認知機能を短時間で無理なく評価します。認知機能検査は認知症の診断において重要な資料として活用されます。

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HDS-R

HDS-Rは、30点満点で年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性などの9項目を評価する認知機能検査です。

この検査では点数が低くなるほど認知機能障害の可能性が高いとされています。HDS-Rでは20点以下が認知症疑いとされ、感度は93%、特異度は86%と報告されています。

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ADAS

アルツハイマー型認知症の中核症状の変化を継時的に評価するための認知機能検査は、記憶・言語・行動を評価する11項目の下位尺度から構成されています。

この検査は、アルツハイマー型認知症の治験や薬効の評価に広く使用され、高い信頼性と妥当性が報告されています。

治療中の患者は、治療効果を確認するために定期的に(6か月ごとが望ましい)検査を行うことが推奨されています。検査では「記憶」「言語」「行動」の3つの領域に焦点を当て、アルツハイマー病の診断時や経過管理に活用されることが多いです。

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 心理検査の活用(いくつかの具体例)

心理検査は、発達障害うつ病の鑑別、性格や現在の心の状態の把握、復職の可能性判断、職業適性ストレスや外傷経験の影響、親子関係、発達検査など、さまざまなニーズに合わせて組み合わせて行われます。
一方、適性検査にはSPIやCUBICなど様々な種類があり、候補者の内面を客観的に把握するために重要です。

マクレランドの氷山モデルによれば、見える特性だけではなく水面下に隠れた性格や行動特性がパフォーマンスに影響を与えることが強調され、適性検査は候補者の内面を効率的に理解する手段として活用されています。

参考:心身症とは?

参考:情緒障害とは?

心理検査のフィードバック

臨床心理士は、検査結果だけでなく被検査者の経緯や面接、プレイルーム内での観察などから得た情報も踏まえて心理検査結果を総合的に理解し、被検査者の様々な側面を立体的に把握します。
その後、フィードバック(結果報告)を行い、今後の支援や活動計画に役立てるようサポートします。

臨床現場では、検査結果を解釈し、所見にまとめた上で被検査者にフィードバックを行うのが一般的であり、フィードバックは検査結果や解釈を被検査者に伝える重要な作業です。

まとめ

我々、人間は非常に複雑でデリケートです。臨床心理士は心理検査で出てくる検査数値と結果だけで判断はしません。

検査結果のみで「こうです」ということは難しいのはいうまでもありません。

そのため、これまでの経緯や複数回にわたる面接(場合によっては初回面接と検査のみの場合もあります)で得られた情報をもとに、心理検査の結果と併せて総合的に理解します。お子様の場合は、プレイルームでの行動観察も含まれます。これにより、受検者のさまざまな側面を立体的に把握し、今後の支援に役立つようフィードバック(結果報告)を行います。

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参考:二次障害とは?

 

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